フェンリル

フェンリルは『北欧神話』に登場する巨大な狼の怪物で、ロキと”巨人族”の女性・アングルボザとの間に生まれた息子。
※「北欧」はヨーロッパ北部地方のことで、「 デンマーク」・「スウェーデン」・「ノルウェー」・「フィンランド」・「アイスランド」の5か国をさすことが多い
兄妹には冥府の女王 ヘル 、世界蛇ヨルムンガンドがいる。
その姿は口や目から火を吹き出し、口を開ければ上顎が天に届く程の巨体を持つという。
また、性格は非常に凶暴だが、言葉を話すほどの知能を有している。
神々に災いをもたらすと予言され、主神・オーディンによって兄妹ともども地下世界に追放されたが、日に日に大きくなっていくフェンリルを恐れた神々は、彼を魔法の紐「グレイプニル」で縛り付け拘束した。
しかし、大戦争「ラグナロク(神々の死と滅亡の運命)」の日にはこの束縛が解放され、開始早々にオーディンを食い殺したという。
だが、直後にオーディンの息子であるヴィーザルに口を引き裂かれて絶命した。
女神転生シリーズにおいて
種族”妖獣”の高位悪魔。
初登場は 『真・女神転生(1992年)』で、古参悪魔の一体。
その後のシリーズでもほとんど登場している。
漫画、アニメ、ゲームにおいて結構登場していたりするので名前だけは聞いたことがある人が多い。
「中二病」ならば必須項目で覚えているであろう名前。
フェンリルの関連動画
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トウコツ

正式名称は檮杌(とうごつ)。
『中国神話』に登場する魔獣で、古代中国の「三皇五帝(さんこうごてい)」の1人によって中原(ちゅうげん)の四方に流された四柱の悪神「四凶」の一つ。
※ ”四凶(しきょう)”とは、元々「中国」の中原(ちゅうげん)の四方で魑魅魍魎(ちみもうりょう)の侵入を防ぐ役割を与えられていた神だったが、役目を忘れて暴虐の限りを尽くした「悪神(あくじん)」。
※「三皇五帝(さんこうごてい)」とは、『古代中国神話』時代の優れた8人の帝王のこと。
「三皇」は”神”を指し、「五帝」は”聖人”を指す。
姿は人の顔にブタの歯、トラの身体を持ち、長さ二尺(約40cm)の体毛と一丈八尺(3m60cm)の尾を持つ怪物とされる。
非常に「凶暴」かつ偉そうで頑固な性格のため、他者の話には全く耳を貸さず、ひたすら戦い続ける戦闘狂といわれている。
「戦」となれば決して退かずに死ぬまで戦い続けるので、その様から名前には「無知」や「愚か」という意味と、「難訓(”話を聞かないやつ”、”教えがたい”という意味)」という別名を持つ。
本来は中国の「儒教(じゅきょう)」および「道教(どうきょう)」で信仰されている最高神の一人・「天帝神(てんていじん)」の血を引く高貴な存在なのだが、トウコツ自体はそのことに気にも留めず、自由気ままに本能のまま暴れ回ったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場はおそらくメガテンシリーズの派生作品『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー(2004年)』と思われる。
同じ「四凶」であるトウテツに比べて、出番は少ない。
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ヌエ
鵺(ヌエ)は日本の伝承に出てくる”妖怪”。
頭は「サル」で、手足は「トラ」、胴体は「タヌキ」、尾は「ヘビ」だという。
その姿から、『ギリシア(ギリシャ)神話』に登場する合成獣・キマイラの日本版とも言える存在。
また、現れる際にはトラツグミ(変な鳴き声の雀)に似た独特の怪しい声で鳴くとされる。
平安時代が舞台の『平家物語』に登場し、丑三つ刻(午前2時から午前2時30分までの間で、真夜中のこと。)になると、毎晩黒い雲に隠れて飛来しては、「天皇の御所(ごしょ ※家ってこと)」をヌエが襲ってきたという。
やがて、天皇の安眠を邪魔するヌエの討伐を命じられた平安時代の武将・「源頼政(みなもと の よりまさ)」が、ヌエを弓矢で退治したとされる。
ちなみに過去の日本では、正体不明の人物や曖昧な物事を「鵺(ヌエ」)と呼んでいた。
(「鵺(ヌエ」じゃない?」みたいな)
女神転生シリーズにおいて
初登場はシリーズ1作目である『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』という実は超古参悪魔。
種族は一貫して”妖獣”。
メガテンシリーズでは安定した登場率を誇り、最新作である『真・女神転生Ⅴ(2021年)』にも登場している。
また、超古参悪魔であるためデザインが結構変わっており、現在のメインイラストは『真・女神転生NINE(2002年)』から。
登場する際には初級~中級レベルの悪魔で、「~かみつき」「~ひっかき」「~ボイス」など動物的なスキルを中心に所持していることが多い。
ヌエの関連動画
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ピアレイ

ピアレイは「スコットランド」の河川や湖、海岸などの水辺に好んで棲むとされる半人半獣の”妖精”。
その名前には「毛深いもの」・「もじゃもじゃなもの」という意味をもつ。
姿は、毛深い人間の男の上半身に、シカの足とヤギの蹄を持った姿をしているとされ、「ウリシュク(フーアの亜種 ※フーアはスコットランドの民間伝承における水にまつわる凶悪な精霊や妖怪、魔物の総称のこと。)」と呼ばれる精霊の一種とされる。
フーア自体は「川」や「湖畔(こはん)」、時には「海」などに出没し、人間を襲っては水中へ引きずり込む恐ろしい存在とされた。
特に子供が良く狙われたとされていたという。
しかし、亜種であるピアレイは近づかなければ基本的に無害。
だが、寂しがり屋な性格で、「孤独」になると仲間を求めて旅人などを追い掛け回すこともあるという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』。
種族は”妖獣”。
伝承のとおり、水辺のある所によく登場するザコ敵。
『真・女神転生Ⅳ(2013年)』では不忍池(しのばずのいけ)のイベントに登場する。
ATLUS声優である小清水亜美(こしみず あみ)さんの”推し悪魔”で、”ピアレイ社長”と呼んだり、コスプレするほどである。
(なぜ、こんなにピアレイが好きなのかは不明・・・)
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バイコーン

バイコーンは、二角獣(にかくじゅう) と呼ばれる伝説上の魔獣。
額に2本の螺旋角を持つ馬の姿の魔獣で、純潔を司る一角獣(ユニコーン)と対極を為し、「不純」を司り、”亜種”ともいわれる。
「善良な夫」や「鬼嫁持ちの夫」を殺して食べるとされ、その邪悪なイメージから黒い馬の絵で表現されることが多い。
しかし、昔の絵画だと白い馬で角が2つと、ユニコーンと似たような見た目をしていた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で種族は”妖獣”。
日本の創作に登場するものは悪魔絵師「金子一馬(かねこ かずま)」氏によって描かれたこのキャラクターのイメージが強い。
バイコーンの関連動画
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バグス

バグスは、イギリスのウェールズ地方の民間伝承に伝わるゴブリンの一種。
別名 バグベアー。
「バグ」は幽霊や悪魔を意味し、「ベアー」は熊なので直訳すれば”幽霊の熊”。
赤い目に、全身毛だらけの熊のような姿をしている人間とされ、イギリスでは夜になると現れる”悪夢や怪物の代名詞”として有名。
寝付きの悪い子供たちへ
「早く寝ないとバグスが来て食べられるわよ!」
と脅かして躾けるのだという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』。
「ホラーハウス」のボスである怨霊エリカの三体の手下の一体。
その後、『ペルソナ5(2016年)』や『真・女神転生Ⅴ(2021年)』などの最新作にザコ敵として登場する。
バグスの関連動画
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チャグリン

チャグリンは、ジプシー(住む場所を転々とする遊牧民族のこと。)の「ロマ族」に伝えられる悪しき幽霊で、「キャグリーノ」「ハルギン」とも呼ばれる。
「ロマ族」は北インドを起源としているが、漂浪の旅の中で様々な国の宗教や民族習慣を吸収することで、独自の「宗教」・「魔術」、そして「迷信」を形作った。
チャグリンはそんな独特の文化の中で伝えられる、特殊な幽霊である。
もっとも知られた姿が、大きな黄色いハリネズミだと言われているが、その姿を目にし後を追いかけると、その者のは必ず災いが起こると言われている。
女神転生シリーズにおいて
メガテンでは可愛い系ザコ悪魔として登場。
スマホ用アプリ『D×2 真・女神転生 リベレーション(2018年)』では、時折開催する「万能思念☆5」という貴重アイテムを入手するためのクエストでよく登場し、プレイヤーたちに討伐されまくっている。
絶滅しないか心配ですな・・・。
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