スレイプニル
スレイプニルは『北欧神話』に登場する主神・オーディンの八本脚の愛馬。
※「北欧」はヨーロッパ北部地方のこと。
・「 デンマーク」
・「スウェーデン」
・「ノルウェー」
・「フィンランド」
・「アイスランド」
の5か国をさすことが多い
父はスヴァディルファリという魔法の牡馬(おうま)で、母は牝馬(ひんば)に変身した悪神・ロキ。
この世に存在するどの馬よりも俊敏で天空も駆ける。そのためありとあらゆる世界へ自在に行けると言われる。
また「スレイプニル」という言葉には「絞首台(こうしゅだい)の木」という意味もあり、ルーン文字を手に入れるために冥界で オーディン が首を吊った木も「スレイプニル」といった。
女神転生シリーズにおいて
メガテンシリーズにおいては中級悪魔といったところで、あまり オーディン と絡みがない。
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スフィンクス
スフィンクスは『エジプト神話』・『ギリシア(ギリシャ)神話』・『メソポタミア神話』などに登場する”神聖な存在”あるいは”怪物”。
その姿は『神話』ごとに様々であり、特性も違う。
『エジプト神話』でのスフィンクス
『エジプト神話』においては太陽神の象徴であり、神聖な存在として語られている。
その姿は”ネメス”と呼ばれる「頭巾」と”王者の象徴”である「アゴヒゲ」を付けた「ファラオ(王)の顔」に、「獅子(ライオン)の体」を持った聖獣。
”神格化したファラオ”と”百獣の王であるライオン”を重ね合わせたもので、スフィンクス像はファラオ自身の「権威」と「神聖性」を示す手段として利用されていた。
そのためスフィンクスは”ファラオ”同様に崇拝されていて、像は各地の遺跡やファラオの墓場とされる「ピラミッド」を守護するために作られた。
エジプト古王国時代(紀元前2686年頃 – 紀元前2185年前後)には既にスフィンクス像が存在していたらしく、現在でも多く残されている。
ちなみに最も有名なスフィンクス像はキザの三大ピラミッドの近くにある像で、全長73m、高さ20m、全幅19mの巨象。
一枚岩からの彫り出しとしては世界最大の像であり、スフィンクスの像といえばコレ。
『ギリシア(ギリシャ)神話』でのスフィンクス
『ギリシア(ギリシャ)神話』では”美しい人間の女性の顔”に、”ワシの翼”と”乳房のある胸を持つライオンの体”をした怪物。
『ギリシア(ギリシャ)神話』に登場する数々の怪物の親・エキドナと、彼女の息子・オルトロスとの間に生まれたとされた。
(ケルベロスとは親類関係にある。)
また高い知性を持っており、人間に「謎」をかける事で有名。
旅人を捕らえては「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か」という謎を出し、解けない者を殺して食べていた。
しかし、オイディプスと言う賢い人間に
「それは人間だ。人間は赤ん坊の時には四足で這い回り、成長すると二足で歩き、老年になると杖をつくから三足になる」
と答えられると、スフィンクスはショックのあまり岩の台座から飛び降り、谷底へ身を投げて死んだという。
『メソポタミア神話』でのスフィンクス
『メソポタミア神話』では死を見守る存在。
※メソポタミアは「世界四大文明」の一つであり、世界最古の文明。
世界最古の文字や法典を生みだし、数々の王国の興亡が繰り返されてきた。
その場所は「チグリス川」と「ユーフラテス川」の二つの大河の流域の間にあったとされ、現在のイラクあたりに存在したという。
『ギリシア(ギリシャ)神話』同様に”人間の女性の顔”、”ライオンの身体”、”ワシの翼”を持つ怪物とされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』。
見た目は『エジプト神話』と『ギリシア(ギリシャ)神話』をミックスしたスフィンクスをモデルにしている。
ヤツフサ
ヤツフサは『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』に登場する霊犬。
※『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』は、江戸時代後期に「曲亭馬琴(きょくてい ばきん)」という作家によって書かれた長編小説。
文化11年(1814年)に刊行が開始され、天保13年(1842年)に全98巻の大作として完結。
28年間執筆し、価格が高価だったにも関わらず人気作品だったとのこと。現在では日本の長編伝奇小説の古典の一つとして有名。
内容をざっくりいうと「室町時代」を舞台とした冒険ファンタジーもの。
ドラマ・漫画・アニメなど各ジャンルの創作に影響を与えた。
作者である「曲亭馬琴(きょくてい ばきん)」は中国の長編小説『水滸伝(すいこでん)』の愛読者で、内容は『水滸伝(すいこでん)』に影響を受けているらしい。
作中では母犬を亡くして「狸(たぬき)」に育てられていたことを珍しく思われ、「安房国(あわのくに ※現在の千葉県南部あたり)」の領主・「里見家(さとみけ)」で飼われることになる。
名前の由来は身体に「八つの牡丹(ぼたん)の花模様」があったことから、ヤツフサと名付けられた。
『南総里見八犬伝』でのヤツフサ
舞台は室町時代。
「安房国(あわのくに ※現在の千葉県南部あたり)」の領主・「里見義実(さとみよしざね)」は、戯れで敵の総大将を討ち果たしたものに自身の三女である「伏姫(ふせひめ)」を与えると公言する。
しかし敵将の首を持ってきたのは、姫の可愛がっていた犬の「八房(ヤツフサ)」であった。
「犬に娘はやれない」とヤツフサに他の褒美を与えるがヤツフサは納得しない。
そこで「里見義実(さとみよしざね)」は約束を反故にしようとするが、「伏姫(ふせひめ)」は君主が約束を違(たが)える事を良しとせず、自らヤツフサの婿(むこ)となる事を了承。
ヤツフサと共に「富山(とみさん ※千葉県の南房総市(みなみぼうそうし)にある山)」に入山して姿をくらますことに。
それから「伏姫(ふせひめ)」は「読経(どくけい ※声を出してお経を読むこと)」の日々を過ごしていたが、山中で出会った「仙童(せんどう ※仙人に仕える子ども)」から衝撃的な事実を知る。
それはヤツフサが「玉梓(たまずさ)」の呪詛を負っていたというものだった。
※「玉梓(たまずさ)」は絶世の美女で、かつての安房国滝田城主(あわのくにたきだじょうしゅ)・「神余光弘 ( じんよみつひろ )」の妾(めかけ)。
妾(めかけ)なのだが、彼女の機嫌一つで立身出世(りっしんしゅっせ)が決まるという腐敗した政治がおこなわれていた。
そんな「悪行」をみかねた里見義実(さとみよしざね)により捕らえられ、呪詛の言葉を残して処刑された。
「読経(どくけい)」の功徳によってヤツフサの怨念は解消されたが、ヤツフサの気を受けて「懐妊(かいにん)」したという衝撃の事実が告げられると、犬による妊娠を恥じた「伏姫(ふせひめ)」は入水自殺を図る。
そこに姿をくらました「伏姫(ふせひめ)」を捜索していたかつての彼女の婿(むこ)候補である「金碗大輔(かなまり だいすけ)」が、自殺しようとしている「伏姫(ふせひめ)」とヤツフサに出会う。
そしてこのような事態に陥る原因となったヤツフサをみるや鉄砲で射殺したが、「伏姫(ふせひめ)」にも弾があたって重症となる。
「伏姫(ふせひめ)」は死をさとり、犬に懐妊などされていないことを証明するため自らの腹を引き裂くと、体内から八つの光の玉が飛び散りその生涯を終える。
やがて「金碗大輔(かなまり だいすけ)」は彼女を殺害してしまった後悔から出家し、「ゝ大法師(ちゅだいほうし)」となって飛び散った「八つの玉」の行方をもとめて旅に出た。
ここから『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』がはじまっていく…。
以上のようにヤツフサは物語の発端となったキャラクターで、その後の作中でも「八つの玉」を得た「八犬士(はっけんし)」を「伏姫(ふせひめ)」と共に導くなど重要な役割を果たしていく。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。
中堅悪魔として活躍するワンちゃん。(レベルは32)
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ビャッコ
白虎(ビャッコ)。
古代中国から多くの神話などで語られている伝説上の生き物で、「四神(しじん)」の一柱。
※「四神(しじん)」とは中国の神話において、天の四方の方角(東西南北)を司り、守護している4体の霊獣のこと。
「四神」の中では最も高齢の存在であるとも言われている。(逆に、最も若いという説も)
ビャッコは「西」の方角を守護し、季節では「秋」を司る。
また、「※五行思想」において「土中」に光り煇く鉱物・金属が元となっている「金(ごん)」に対応し、「白色」に関係する。
※「五行思想」とは古代中国の「自然界」の「理(ことわり)」を解く思想。
万物は
・「木(もく)」
・「火(か)」
・「土(ど)」
・「金(こん)」
・「水(すい)」
の「五要素」で構成され、この5つの要素が循環することであらゆる「現象」が発生するとされる考え方。「四神」とかかわりが深い。
その姿は「細長い体をした白い虎」であり、「古代中国」において”百獣の王”である「虎」の頂点に立つ存在がビャッコとされた。
相対する方角にはセイリュウがおり、ちょうど「龍虎」が相対する形となっていて、実力が拮抗した二人の強豪が勝負する「竜虎相搏つ(りゅうこあいうつ)」といった「ことわざ」もここから。
ちなみに「中国」で「白虎(ビャッコ)」という言葉は、女性の天然のパイパン(毛が無い)を意味する「隠語」としても用いられている。
女神転生シリーズにおいて
メガテンシリーズにおいては、電撃属性のスキルを持つ”聖獣”種族の中位悪魔。
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