ヴィシュヌ
ヴィシュヌは『インド神話』に登場する宇宙の”維持”と”修復”を司る神。
太陽の光が神格化された存在であり、「※ヒンドゥー教」におけるシヴァ・ブラフマーと並ぶ三大最高神の一柱。
※「ヒンドゥー教」は、インド発祥の宗教であり、世界三大宗教の一つ。(他の世界三大宗教は「キリスト教」・「イスラム教」)信者は全世界で約11億人以上とされ、人口だけでみれば世界で第3位の宗教。
名前には「行き渡る」という意味があり、これはヴィシュがかつて”天”と”空”と”地”の三界を三歩で渡り歩いたという伝説から意味がつけられた。
また、助けを求める人々に救済をもたらし、悪や不道徳の者を倒す「正義の神」ともされる。
妻は美の女神・ラクシュミで、愛用の乗り物はガルーダ。
ヴィシュヌの最大の特徴は善(ダルマ)が衰え、悪(アダルマ)が栄える時には神であることを捨て、「アヴァターラ」と呼ばれる化身へと変身して地上に降臨するという点。
※「アヴァターラ」は、時代によって「人間」や「魚」、「亀」、「猪」などの姿になり、名前もそのたびに変更される。
そして、地上の世界の住人として降臨すると、悪(アダルマ)を滅ぼし、善(ダルマ)が栄えるよう世界の危機を救うとされている。
ちなみに、この化身は過去すでに9回行われたといわれている。
また、主要な「アヴァターラ」は10種類存在するのだが、その中でもクリシュナとラーマが特に有名で、関連著書も多く人気。どちらも宗派を問わず数千年にわたり愛されている。
他にも、「仏教(仏教の発祥はインド)」の開祖である仏陀(ぶっだ)も実はヴィシュヌの「アヴァターラ」だという説があり、ヴィシュヌが次に姿を現すのは世界が堕落しきった時代に降臨するという。
余談だが、後に「アヴァターラ」という言葉は、オンラインゲームなどで自分の分身となるキャラクター「アバター(英語)」という言語の由来となったという。
女神転生シリーズにおいて
『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』にて種族”魔神”の悪魔として初登場。
後のメガテンシリーズにおいては、シヴァと対をなす最強クラス悪魔の一体として有名で、”魔神”種族の最高位として登場することが多い。
どのシリーズにおいても高いステータスと優秀なスキルをもち、後半にはぜひとも入手しておきたい仲魔である。
また『真・女神転生IV FINAL(2016年)』では 「アヴァターラ」 である クリシュナ として主要敵キャラとしてメインストーリーに絡む。
ヴィシュヌ解説動画
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アルダー
アルダーは、『インド神話』に登場する男らしさと女らしさを兼ね備えた両性具有の神。
正式名称はアルダナーリーシュヴァラ。
サンスクリット語で ardha「半分」、narI「女性」、Siva「 シヴァ神」の 3語から成る複合語で、インド人の約八割に信仰される「ヒンドゥー教」におけるシャクティ信仰(おおまかにいえば シヴァ派のこと。)の象徴とされる。
外見はシヴァ(右半身)とその妻であるパールヴァティ(左半身)の合体した姿で現れ、 シヴァの側 (右半身) は虎革の衣と三叉戟(さんさそう ※トリシューラと呼ばれる神器)を身に着け、パールヴァティの側(左半身)は蓮華(れんげ)と黄金の装飾品を身に着けた姿で描かれる。
何故このような姿になったのかは諸説あるが、主要なものとしては、このようなものがある。
ある時シヴァとパールヴァティは喧嘩をした。しかし仲直りの証として互いを強く抱きしめ合うと、愛の力で両者が結合して一体化し、アルダーが生まれたのだ。
というもの。
また、それぞれの半身によって原始の父と原始の母になることで生物類を生み出していくという神話があり、「破壊神」であるシヴァの側面だけではなく「創造神」としての役割を持つ。
ちなみにインドの三大神である創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神 シヴァ(右半身)と同一の位として扱われる。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で種族”魔神”として初登場。
上記の説の通り、シヴァとパールヴァティ を合体させることで仲魔とすることができ、強力な魔法に回復役としても活躍する万能悪魔。
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ゼウス
ゼウスは『ギリシア(ギリシャ)神話』の主神。
全宇宙と、「雲」・「雨」・「雪」・「雷」などの気象を支配する天空の神であり、変幻自在の能力を持つ「オリュンポス十二神」の頂点に君臨する最高神。
ティーターン神族のクロノスと大地の女神レアの末の子で、死の神ハデスと海の神ポセイドンの弟。
正妻はヘラであるが、ヘラクレスの母である人間のアルクメネや姉のデメテル等の女神をはじめ、多くの女性と交わり、子をもうけたといわれる。
彼の持つ武器は
・一たび振るえば宇宙をも焼き尽くす雷霆「ケラウノス」
・万物をも切り刻む魔法の刃である「アダマスの鎌」。
・あらゆる攻撃を防ぎ、敵を石化させる「アイギスの肩当て」(胸当てや楯という説も)
を所持するオリュンポス最強の神で、全知全能の存在。
ティタノマキア
父であるクロノス率いるティーターン神族とゼウス率いるオリュンポスの神々との覇権を賭けて戦った「ティタノマキア」では不死の神々どうしの戦いで互いに決め手を欠き、10年間決着がつかずにいた。
そこで全宇宙を最初に統べた原初の神々の王ウラノスが幽閉した三人のヘカトンケイルと、三人のキュクロープス(卓越した鍛冶技術を持つ単眼の巨人)を解放し、味方に付けることに成功。
ヘカトンケイルたちは 一度に300の巨大な岩石を休みなく投げ続けることのできる強大な味方となり、 キュクロープスたちからは、ゼウスに宇宙をも破壊し燃やし尽くす雷霆「ケラウノス」、ポセイドンに大海と大陸を支配する三叉の矛「トライデント」、ハデスに姿を見えなくすることのできる「隠れ兜」を献上され、大幅強化を果たす。
両軍は再び激突し、強力な味方と究極の武器を手にしたオリュンポス勢が常に優勢に立ち、その猛攻によって”ティーターン神族”は耐え切れず、10年も続いた神々の大戦に終止符が打たれた。
その後、不死身であった”ティーターン神族”は冥界より深い「タルタロスの深淵」へと封印し、ゼウスはオリュンポスの主神となり支配者となった。
ギガントマキア
全宇宙の支配権が確立した 「ティタノマキア」 後も、ゼウスの支配を揺るがすような出来事が起こる。
その一つが巨人族ギガースとオリュンポスの神々の戦いである「ギガントマキア」。
これはタルタロスに我が子であるティーターン神族を幽閉されたことに怒った神々の始祖ガイアが仕向けた大戦である。
ギガースはガイアの子であり、山を軽々と持ち上げるほどの腕力を持ち、神には殺されない能力を持っていたが人間ならば殺すことができる単眼の巨人。
神々の力だけでは倒すことはできず、人間の力が必要があったため、ゼウスは半神半人である自らの息子ヘラクレスをオリュンポス側として参戦させた。
ギガースたちはあらゆる地形を引き裂きながら大軍で突き進み、大岩や山脈、島を投げ飛ばして攻撃するなど、全宇宙が震えるほど凄まじい戦いが繰り広げられたが、迎撃を開始した神々の方が優勢であった。
ギガースは神々に敗北していき、弱ったギガースを半神半人であるヘラクレスが「ヒュドラの毒矢」によって仕留めていく。
そしてヘラクレスのおかげで、「ギガントマキア」はオリュンポスの神々の圧勝に終わったという。
テューポーンとの対決
「ギガントマキア」で敗北したガイアはゼウスたちへ激しい怒りを覚え、奈落の神タルタロスと交わり、ギリシア神話史上最大にして最強の怪物テューポーンを生み出す。
そしてガイアは、テューポーンにオリュンポスを攻撃させ、最後の戦いを挑んだ。
テューポーンは星々とぶつかってしまうほどの頭と、その腕を伸ばせすと世界の東西の涯(はて)にも達するほどの巨体を有する怪物。
さらに神々と同じく不老不死で、肩からは百の蛇の頭が生え、目からは炎を放ち、ももから下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしている。
世界を大炎上させ、宇宙中暴れ回り、オリュンポスの神々でさえも逃げ出す程の強さであった。
そんな中ゼウスだけは単身でテューポーンとの壮絶な戦いをはじめる。しかし両者の実力は拮抗していたもののゼウスはテューポーンに敗北してしまう。
だがテューポーンも相当な深手を負ってしまい、回復するために母ガイアの元に向かうことに。
そこでゼウスの武器を取り上げ、手足の腱を切り落としてゼウスを一旦、洞窟へ閉じ込めた。
しかし、ゼウスが捕らわれたことを知ったオリュンポスの神々によりゼウスは救出され、すぐさまに治療されたゼウスは再び力を取り戻す。
再びテューポーンと戦い、今度はゼウスが深手を負わしてテューポーンを追い詰める。
そこでテューポーンはゼウスに勝つために運命の女神モイライたちを脅して手に入れた、どんな願いも叶うという「勝利の果実」をここぞとばかりに食べたが、急激に力を失ってしまうことに。
実は女神たちがテューポーンに与えたのは、決して望みが叶うことはないという「無常の果実」だったのである。
力を失ったテューポーンがゼウスにかなうわけはなく、最後はゼウスによって「エトナ火山」の下敷きにされて封印され、こうしてゼウスはテューポーンとの死闘に勝利したという。
その後、もはや彼の王権に抗うものは現れず、再び宇宙に調和が訪れたという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『旧約・女神転生 (1995年)』で、シリーズ通して種族は”魔神”。
かなり古参悪魔なのだが、メインストーリーのシナリオに絡むのは『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY(2017年)』が初。
「漫画」・「アニメ」・「ゲーム」に多く出演している有名な神なのだが、メガテン界ではそこまで存在感がなかった。
しかし、最新作『真・女神転生Ⅴ(2021年)』でようやく目立ってきた。
ゼウスの関連動画
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オーディン
オーディンは、『北欧神話』における”アース神族”の最高神。
もともとは「嵐の神」であったが、後に「軍神」・「死者の神」・「詩と魔法の神」とされた。
また、『北欧神話』に登場する多くの神々の父であり、「神々の支配者」とも呼ばれる。
名は北欧古語で「激昂する者」を意味し、「武人」にして「魔術師の達人」。そして知識に貪欲な「探究者」。
外見は、つばが広い帽子を被り、「隻眼」が特徴的な長い髭をたくわえた老人の姿でよく描かれるが、魔法で様々な人物に変化できる。
戦場においては青いマントを羽織り、黄金の兜と黄金の鎧を装備して、「グングニル」という魔法の槍を携えていた。
この「グングニル」は、標的を決して外さず、その魔力で貫けないものはないほど強力。しかも敵を貫いた後は自然に所有者の元に戻ってくるうえに、どんな武器でもこの槍を破壊することはできない。
戦いの勝敗がただちに決する魔法の武器で、ロキがドヴェルグ(小人族)の鍛冶屋兄弟・ブロックとシンドリに創らせ、オーディンに献上された。
また、どんな馬よりも速く走れ、天空を翔ける8本脚のスレイプニルという愛馬を所持しており、何でも知りたがるオーディンはさまざまな世界を翔けていたという。
他にも所有物があり、9夜ごとにまったく同じ重さの腕輪を八つ生みだすことができる黄金の腕輪「ドラウプニル」や、「ラグナロク(神々の死と滅亡の運命)」の始まりを告げた「ギャラルホルン(ヘイムダルに授けた)」もオーディンの所有物だった。
普段は銀色に光り輝く宮殿「ヴァーラスキャールヴ」に住み、全世界を視界にとらえることができる高座「フリズスキャールヴ」で世界を見晴らしているという。
そして諜報係であるフギンとムニンと言う名の2羽のワタリカラスを世界中に飛ばしては、2羽が持ち帰るさまざまな情報で常に世界の知識と情報を入手するという生活をしていたという。
ちなみに、ぶどう酒以外は口にせず、食物はすべて2頭のオオカミである「ゲリ」と「フレキ」に与えていた。
オーディンのエピソード
1.北欧神話における世界のはじまり。
世界には当初、燃え上がる氷塊と絡みつく炎しかなかった。
やがて氷塊の解けた雫の中に、原初の巨人ユミルが生まれ、ユミルは別の氷から同じように生まれた雌牛(めうし)の乳を飲んで大きく成長して巨人族の子や孫を増やす。(ユミルはすべての巨人族の先祖)
そしてユミルを育てた雌牛(めうし)もまた、塩辛い氷塊を舐めて成長し、”アース神族”の祖先・ブーリを産む。
時が経ると、ブーリの息子であるボルは巨人族の娘と結婚。3人の子宝に恵まれ、オーディン・ヴィリ・ヴェーと名付けられた。
しかし暴虐の限りをつくす巨人族に彼らは不満を持ち、オーディンは兄弟と共に原初の巨人ユミルを殺害。
ユミルの傷口からは血の大洪水が起こり、巨人族は一組の男女を残して溺れ死ぬことになった。
そしてその身体を解体して、オーディンは兄弟たちと共に「大地」や「海」、「天空」といった世界を創造し、海辺で拾った二本の木から人間の男女を作ったという。
2.知識の探究者
オーディンは知識に貪欲で、ありとあらゆる手段で知識を手に入れたという。
あるとき、世界樹ユグドラシルの3本に分かれた根にあり、知恵と知識が隠されている「ミーミルの泉の水」を飲もうとした。
しかしこれは巨人族の賢者・ミーミルの所持するもので、一口飲みたいとミーミルに頼むと、代価に片方の眼球を求められる。
オーディンはためらわず、すぐさま代償として片目を差し出し、泉の水を飲んだ。
すると水を飲んだことで知恵と魔法を身に付け、以降は失った片目を隠すように帽子をかぶった姿をし、「隻眼の神」と呼ばれるようになった。
他にも「ルーン文字」の秘密を得るために、世界樹ユグドラシルの木で首を吊り、「グングニル」で自身を貫ぬいたまま9日9夜、創造神オーディンに祈りを捧げたというエピソードがあるなど、自らの命を代償に差し出す事すらいとわなかったという。
(オーディンとは本来『北欧神話』の創造神の名前であり、最高神オーディンは、その功績から創造神と同じ名で呼ばれるようになったとされている。)
こうしてルーン文字の秘密を解き、彼は超強力な十八種類の魔法を会得したとされる。
3.オーディンの死
予言されていた最終戦争・「ラグナロク(神々の死と滅亡の運命)」に備えるため、「ヴァルハラ」と呼ばれるオーディンの宮殿に、戦場で生きる者と死ぬ者を定める女神軍団・ヴァルキリー(ワルキューレとも)によって選別された戦士の魂(エインヘリヤル)を迎え入れていた。
しかし「ラグナロク(神々の死と滅亡の運命)」が起こった際には、序盤でロキの息子である大狼フェンリルに噛み殺され、その最後をあっけなく迎えた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』。種族”魔神”の上位悪魔。
裸マントに角兜という変態っぽい感じのデザイン。
悪魔絵師・「金子 一馬(かねこ かずま)」氏によると『北欧神話』勢のコンセプトは裸族であるらしい。
『北欧神話』の主神なのだが、全体的なメガテンシリーズを見てもそこまで強くない。
『真・女神転生Ⅳ』では多神連合の中心人物としてストーリーに登場し、ようやく強敵として扱われる。
オーディンの関連動画
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バアル
バアルは『ウガリット神話(※ ウガリットは現在の「シリア・アラブ共和国」にあった古代都市国家)』における嵐と慈雨の神であり、主神。
慈雨により豊穣をもたらすとされ、カナン地域(地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯の古代の地名。別名:「乳と蜜の流れる場所」)を中心に長く崇拝されたという
最高神エルと神々の母アシェラトの息子で(穀物神ダゴンが父の場合もある)、妹であり妻である女神 アナト がいる。
兄弟にあたる冥界の支配者 モト が宿敵。
エジプト神話に取り入れられる際に、同様に嵐を司るセトと同一視されるようになり、描かれる際にもセトに似た姿で表されるようになった。
一説では、ソロモンの魔神バエルや ベルゼブブ 、ベルフェゴールなどはこのバアルから派生したといわれている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』で、種族は”邪神”。
以降の作品では”魔神”に分類され、メガテンシリーズではバエルとベルゼブブが合体するとバアルの姿を取り戻したり、ベルゼブブが転生するとバアルになったりとベルゼブブの真の姿として描かれることが多い。
バアルの解説動画
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アメン・ラー
アメン・ラーはエジプトの創造神であり、太陽神。
「隠されたもの」を意味する名を持つ神アメンと太陽神ラーが一体化した神々の王。
アメン
元々アメンはナイル川の東岸にある「テーベ」という地域のみで信仰されていた地味な神であったが、この地の王族が勢力を拡大し、その他の著名で有力な神を吸収する事によって信仰を拡大した。(ラーの他にエジプト九柱の神々の筆頭格アトゥムやギリシャ神話の雷神ゼウスなど)
特にアメン・ラーは古代エジプト文明の終わりまで「神々の王」の座を保つほど人気であったという。
地母神ムトを妻とし、彼女との間に息子である月神コンスをもうけたといわれる。
ラー
ラーはエジプト神話の最初の太陽神であり最高神。
ハヤブサの頭部を持つ青年の姿で描かれるが、太陽の運行と共にラー自体も変形すると考えられていた。(夜になると太陽の形が変わったり、沈んでいくことから)
目からは強烈な光を放ち、敵を焼き滅ぼす力と太陽の船に乗って空を移動すると言われている。
息子にオシリス・セト、娘にイシス、ネフティス、孫にホルスなど様々な神々の子孫を残したとされるエジプトにおける重要な神。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』で種族”魔神”の高レベル悪魔として初登場。
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』にも登場するなど、主にデビルサマナー系の悪魔として登場する。
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コンス
コンスはエジプト神話に登場する自由奔放な若者のような性格で描かれる月を司る男神。
月の船を持ち、夜に天空を移動していたとされ、名前には「横切る者」「さまよい歩くもの」という意味がある。
エジプトの街によって神の特性が異なり、テーベ(古代エジプトの都市 ※現在のルクソール)ではアメン神とムト女神の息子として、コム・オンボ(現在も存在する農業が盛んなエジプトの町。)ではセベクとハトホルの息子としてアメン、ムトと共に三柱神の1柱を担う。
その姿は少年のミイラ、もしくはホルスと同じ隼の頭を持った姿で描かれ、どちらの姿でも側頭部に三日月と満月を組み合わせた頭飾りをつけている。
比較的人間に優しく、満月の時は癒しの力を発する神となるが、三日月の時は鋭利な刃物を振るい、罪人や悪霊に恐ろしい制裁を与える両極端な神となる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。種族は”幻魔”。
レベルが低く、これといった印象のないミイラ姿のザコ悪魔として登場。
だいぶ期間を経て、『真・女神転生Ⅴ(2021年)』で種族”魔神”として再登場し、メインストーリーに絡む「ベテル エジプト支部」の主要な悪魔として活躍する。
コンスの関連動画
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ダグザ
ケルト神話に登場するダーナ神族の最高神。
名は「善き神」「偉大な神」を意味し、ダグダとも呼ばれる。
ダーナ神族の長老ともいうべき存在で、「豊穣」と「再生」を司り、「詩歌」や「魔術」、「武芸」にも大いに優れた万能の神。
外見は太った太鼓腹の赤髭を生やした大男で、丈の短いチュニック(首から膝まである服の事)と毛皮の長靴を身に着け、巨大な棍棒を車輪に乗せて引きずっている姿だとされる。
また明るく奔放な性格で、性欲、精力に満ちた大食漢でもある。
強力な神器を三つ所持しており
・相手に振るえば死をもたらし、もう一方の先端を振るえば死者を蘇らせるという「破壊」と「再生」、生と死の両方の力を併せ持つ「巨大な棍棒」。
・天候を自在に操ることで豊作を招き、聞く者に「笑い」、「悲しみ」、「眠り」を誘う楽曲を奏でることができる三弦の「金の竪琴」
・ダーナ神族四秘宝の一つにして満足して帰らない者はいないと言われるほどに無限の食料を生み出す「大釜」
これらの神器によって神々を治めていたという。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅳ FINAL(2016年)』において主要キャラの一人として初登場。
本作の主人公を現世に黄泉帰らせて、戦う力を与える代わりに自身の「神殺し」になれと契約を迫る。
原点とは異なり、クエスチョンマークのような渦巻紋様が額に刻まれた剥き出しの骨格を思わせる風貌のスタイリッシュなデザイン。
CVはイケボの池田秀一さん。
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アタバク
戦いや国家守護を司る仏教の明王。
「大元帥明王 (たいげんすいみょうおう )」とも呼ばれる明王たちの総帥でもある。
もとはアータヴァカと称される悪鬼神(あっきしん)だったが大日如来(だいにちにょらい)の功徳に触れ、後に夜叉王(やしゃおう)・四天王(してんのう)・阿修羅(あしゅら)などのあらゆる悪鬼と神を一同に集め、仏教への帰依(きえ ※信仰するということ)と人々を守護することを誓わせた。
その功ゆえに、「大元帥明王(たいげんすいみょうおう)」と称された。
国土を護り敵や悪霊の降伏に絶大な効果を発揮すると言われ、「必勝祈願(ひっしょうきがん)」・「悪霊退散(あくりょうたいさん)」・「魔妖調伏(まようちょうふく)」・「敵国粉砕(てきこくふんさい)」・「国土防衛(こくどぼうえい)」・「国家安穏(こっかあんのん)」など、いかつい御利益が多い。
なお、軍組織における大元帥や元帥の呼称は、この「大元帥明王」からきているという説もある。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』にて登場。
「CHAOS陣営」の悪魔で、魔界におけるルシファーの居城・「ケテル城」に通じるゲブラー回廊を「十二神将」と共に守護・警備する難敵。
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ヴィローシャナ
ヴィローシャナ(ヴィローチャナとも呼ばれる)はインド神話に登場するアスラの王。
日本では「大日如来(だいにちにょらい)」として有名。
その名は「一切を照らし出すもの」を意味するとされ、発せられた光明は物質だけではなく人間の魂まで映し出す。
修行のお話
ヴィローシャナ( ヴィローチャナ )は、”ディーヴァ神族” の雷神インドラと共に「アートマン(インド哲学の重要な概念の一つで,真の自分とは本当は何かという意味)」という真理を求め、創造神・プラジャーパティの下で修業を行っていた。
三十二年に及ぶ修行の末、プラジャーパティに聞いた真理は「美しい飾りをつけ、水や鏡に映る身像、それこそアートマン(自我)であり、宇宙の真理である」と肉体こそがアートマン(自我)であるといい、これを聞いたヴィローシャナは満足して帰ったという。
が、これは 創造神プラジャーパティの嘘で、それに気づいたインドラはさらに修行を積みアートマンの真なる答えである「意識」こそがアートマン(自我)であることをインドラは得た。
その後、 ヴィローシャナとインドラは闘うことになるが、真なる答えを得たインドラには勝てず敗北してしまったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ』
アスラとしてよりは、大日如来(だいにちにょらい)の性格が強い。
後光がさしております…..。
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ゴズテンノウ
牛頭天王(ゴズテンノウ)は、日本の仏教における神の信仰と、外来の仏教信仰(主にインド)とを融合・調和するために唱えられた教説・「※神仏習合(しんぶつしゅうごう)」の神。
※ インド発祥の「仏教」が、8世紀の奈良時代から日本に広まると「仏」が信仰されるようなったので、もともと日本で信じられていた「神様と仏様を一緒にしよう」とした宗教思想のこと。
本来ゴズテンノウは、現世で願いをかなえてくれる仏・「薬師如来(やくしにょらい)」であり、釈迦(しゃか)の生誕地とされている「※祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)」の守護神。
※ 日本の寺院っぽい名前となっているが、日本ではなく古代インドにあった仏教の寺院。
疫病(えきびょう)を鎮める「疫病神」でもあり、広く信仰を集めた。
やがて「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」により、『日本神話』に登場する暴風の神で、同じく災厄を跳ね除ける力を持つとされるスサノオと融合されて同一視された。
現在は、京都の八坂神社(やさかじんじゃ)の祭神であり、ゴズテンノウ・スサノオ両神を祭神とする全国の祇園社(ぎおんしゃ)、天王社(てんのうじゃ)で祀られている。
ちなみに、有名な京都の祭りである「祇園祭(ぎおんまつり)」は、元々は「疫病神」であるゴズテンノウを鎮め、退散させるための祭りであった。
当時「疫病」は、異国からの伝染とされており、異国(インド)由来の「疫病神」であるゴズテンノウが「疫病」を流行らせていたという考えから生まれたそう。
(元来の仏であるゴズテンノウは、むしろインドで「疫病」を防ぐ神として祀られていたのだが。)
異形の姿とエピソード
伝記「祇園牛頭天王御縁起(ぎおん ごずてんのう ごえんぎ)」によると、薬師如来(やくしにょらい)であったゴズテンノウは、「豊饒国(ほうじょうこく ※日本の別称)」の武答天皇(むとうてんのう)の一人息子として生まれた。
その姿は、七歳で身長が七尺五寸(約227Cm)、頭は牛の頭であり、三尺(約90Cm)の赤い角が生えている異形の姿であったという。
父から位を譲りうけて牛頭天皇(ゴズテンノウ)として即位したが、その恐ろしい姿から近寄ろうとする女性がおらず、酒浸りの日々を送っていた。
そこで3人の公卿(くぎょう ※国政を担う最高幹部)が、ゴズテンノウの気持ちを慰めようと山へ狩りに連れ出したとき、一羽の鳩があらわれる。
鳩は人間のことばを話すことができ、大海に住む沙掲羅龍王(しゃがらりゅうおう ※八大龍王のひとり)の娘のもとへ案内すると言ったので、ゴズテンノウは娘を娶(めと)りに出かける。
龍宮へ到着したゴズテンノウは、沙掲羅龍王(しゃがらりゅうおう)の三女の頗梨采女(はりさいじょ)を娶り、8年をそこで過ごす間に七男一女の王子(八王子)をもうけたという。
女神転生シリーズにおいて
初登場はメガテンシリーズではなく、『女神異聞録ペルソナ(1996年)』。
牛骨の仮面をかぶったストライプスーツに赤マントの姿で登場した。
続いて登場したのが、『真・女神転生Ⅲ(2003年)』。
暴力による解決を是とする悪魔の集団「マントラ軍」の長であり、「弱肉強食」を思想とする「ヨスガ(縁)」のコトワリの代表として登場。
その姿は、3つの頭と角が生えた赤鬼のような石像で、目が光る。
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インドラ
インドラはバラモン教・ヒンドゥー教の神。
英雄、軍神、雨や嵐を司り、神々の王の地位を与えられていた雷神で、仏教においては「帝釈天(たいしゃくてん)」と訳されて信仰される。
インドラは初期のヒンドゥー教において最も重視された神であり、神々への讃歌集『リグ・ヴェーダ』においては、彼に捧げられた讃歌が全体の四分の一をしめるほど。
髪や髭を含めて全身が茶褐色だとされ、神酒ソーマ(不老不死をもたらす霊薬)を好み、強大な力を発揮する武器ヴァジュラを持つ。
数多くの悪魔を退治し、特に有名なのが人々を苦しめる凶暴にして尊大な蛇ヴリトラを打ち破ったことで、大地に水の恵みをもたらした功績は『リグ・ヴェーダ』に讃歌として語られている。
バラモン教(古代インドの民族宗教)の時代においては、他神の持ち物を壊し、暴飲暴食を行うなど粗暴な性格ではあるが、信仰者には救いや慈悲を与える寛大な神として描かれ、絶大な信仰を得ていた。
しかし時が経ち、ヒンドゥー教が成立した時代には地位が下落する。
インドラジットに敗北し、マダや聖仙(リシ ※神話・伝説上の聖者あるいは賢者達のこと)に怯え、打ち倒される弱々しい存在にされたり、人妻に夜這をかけようとして追い返される話や聖仙に呪われて睾丸を取られ、千の女性器(後に千の目になる)を全身に作られる等、情けない話が続出する。
その後は、「雷を象徴する強力無比な英雄神」として、重要な立場にある神であることは間違いないが、神々の中心の座はシヴァやヴィシュヌなどに譲ることになる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』で種族は”魔神”。
”魔神”の中でも高レベルの悪魔として登場する。
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』では、上記の説明のように時代が経つにつれて地位が下落した状況や、劇中の「メシア教」が「ヒンズー教」を貶める策略で弱体化したという設定で低レベルになって登場する。
その後のシリーズでは、なぜか見かけない。
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フドウミョウオウ
不動明王(ふどうみょうおう)
仏教の信仰対象であり、密教特有の尊格である明王の一尊。大日如来(ヴィローシャナ)の化身とも言われる。また、五大明王の筆頭にして中心となる明王。
アジアの仏教圏の中でも特に日本において根強い信仰を得ている。
サンスクリット語で「アチャラータ」という名で”揺るぎなき守護者”という意味を持ち、元々はヒンズー教の三大神の一人である「シヴァ」の別名であり、起源を「シヴァ」とする説がある。
一般的な仏教でのご本尊や仏像は優しい姿をしたものが多いが、フドウミョウオウは悪を絶ち仏道に導くことで救済する役目を担っている為、右手に”魔を退散させると同時に人々の煩悩や因縁を断ち切る剣”である「降魔の三鈷剣(こうまのさんこけん)」と”悪を縛り上げ、煩悩を救い出すため”の投げ縄「羂索(けんさく)」を持ち、恐ろしい表情をしている。
恐ろしい様相から「戦いの仏」のように見えるが、実際は迷いの世界から煩悩を断ち切るよう導いてくれる慈悲深い仏。
日本では「敵国退散の守護神」として扱われたり「疫病退散の守護神」としても扱われていて「お不動さん」の名で日本人に親しまれている。
女神転生シリーズにおいて
高レベルの種族”魔神”として『真・女神転生(1992年)』で初登場。
だが、ムダにMPだけ高い物理アタッカーとして登場。
日本では有名な仏様なのだが、その後のメガテンシリーズではなぜか登場しない。
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ハチマン
八幡(ハチマン)とは、武家の守護神とされた神。
古くは源氏一族の守護神であったため、鎌倉時代のころから広く武家の守護神となった。
実は日本の八百万(やおよろず)の神の中でも広く信仰され、全国の神社において最も多く祀られている神である。
また、第15代天皇・応神天皇(おうじんてんのう)の神霊(人が死んで神となったもの)とされ、現代では応神天皇とほぼ同一人物として位置づけられており、応神天皇を指すことが多い。
しかし、ハチマンは「道教(中国三大宗教の一つ)」や「仏教(古くはインド発祥)」などの大陸文化の影響をうけて存在したとする説もあり、その正体はハッキリせず正確には不明。
総本宮は大分県にある「宇佐神宮(うさじんぐう)」で、以前は武神としての側面が崇められてきた神だったが、平和の時代となった今日では「交通安全の神」や「縁結びの神」・「安産」や「子育て」といった庶民にも恩恵のある親しみやすい神へと変化していったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場はおそらく『真・女神転生 デビルサマナー(1995年)』。
後のシリーズでも高レベルの悪魔として登場し、結構強い。
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オシリス
オシリスは『エジプト神話』に登場する「死の主神」にして「冥界の神」。また、「死と復活の神」とも言われている。
大地の神ゲブが父、天空の女神ヌトを母に持ち、二人の間に生まれた四人の神々の長兄。
弟妹には豊穣の女神イシス、戦いの神セト、葬祭の女神ネフティスがいる。
また妻は妹でもあるイシスで、彼女との間に天空の神ホルスを息子に持つ。
かつては豊穣の神として太陽神ラーに次いで地上を支配した最後の神であると言われていたが、弟であるセトの裏切りにより殺害された。
しかも遺体をセトにより、十四の肉片に分割されてエジプト中にばら撒かれるという悲惨な目にあう。
このことに心を痛めた妻イシスと様々な神の助けもあり、魚に飲み込まれた男根を除いて十四の肉片は繋ぎなおされ、秘術により現世に復活を果たした。
しかし不完全な体で復活したオシリスは現世に留まれなかった為、止む無くオシリスは冥界へと帰り、冥界を統括し魂を裁定する裁判官として冥界神になったという。
その後、息子であるホルスとセトによる激しい戦いが行われ最終的にホルスが勝利し、父の仇討ちを果たすことに成功する。
そして冥界にいるオシリスはトートとの相談の末、地上の王権をホルスに譲位することにし、平和な世界が築かれたという。
ちなみにオシリス信仰では、恐れを抱かせる冥界の神としての側面はなく、正しい統治を行うオシリスによって永遠に幸福な来世が訪れるとされ、善の神として崇められている。
女神転生シリーズにおいて
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』にて初登場。
他のエジプトの神々に比べて登場が少ない。
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トート
トートは古代エジプトで「知恵」と「月」を司る神。また時を計測する者とも呼ばれる創世神のひとり。
数学や計量をつかさどる女神であるセシャトを妻としている。
「ヒエログリフ(古代エジプト文字)」を開発したことから書記の守護者とされ、すべての死者の名前を記す役目を負う。
また、魂の裁きである「死者の審判」の際にはアヌビスとともに死者の罪を計量する秤の傍に立ち、是非を判定する役目をもつ。
さらに魔術や病を治す呪文にも通じていることから、医療の神ともされており、この世のあらゆる知識を収録する42冊の魔法の書物を書いたとされる賢者。
ちなみにピラミッドの建造方法などを与えたのもトートとされている。
その力はエジプト主神と互角とされ、オシリスやイシスにホルスといった善性の神々に付き従った。
トートの逸話
葬送の女神・ヌトが、オシリスたち4兄妹を産む直前になると、急に太陽神ラーが「占いの結果、その子供たちは災いを生む」と言って子供を産むことを禁じた。
困ったヌトは、エジプト神のなかでも最も賢い神・トートに相談することにした。
そこでトートは月と賭けをして勝利し、時の支配権を手に入れると、太陽が沈んだ夜には太陽に変わって地上の支配者となった。
そしてラーの管理できない閏日(※うるうび 暦のずれ)を5日間作り、この間にヌトはオシリス・セト・イシス・ネフティスの四柱を無事に産ませることを成功させたという。
またイシスに数多くの呪文を伝えたり、セトに毒殺されたイシスの息子である天空の神ホルスを復活させたり、ホルスに頭を切り落とされたイシスを牝牛の頭に挿げ替えて復活させたりなど活躍する。
ホルスのセト打倒の際には多大な貢献を果たした。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生if…(1994年)』にて初登場。
隠しルート・アキラ編にのみ登場する。
以降のシリーズでも、ちょこちょこ登場する賢いおさるちゃん。
トートの関連動画
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アプスー
『バビロニア神話』における、神格化された淡水の神。
海水の女神ティアマトの配偶者で夫。
妻であるティアマトとならび、宇宙の最初に存在したとされる原初の神で、神々の父。
しかし、自らの子孫である新しい神々の存在が騒がしく不愉快に感じるようになり滅ぼそうとする。
どうやって滅ぼすかを霧の宰相ムンムと相談していたところを、その事に気付いた子孫の神の一柱であるエア神に魔法で眠らされて殺害された。
そしてエアはアプスーの身体の上に神殿を建て、そこで妻のダムキナとマルドゥクをもうけたという。
ティアマトはそのことに怒り、新たな夫キングーとともに11の怪物を創造し、神々に戦いを挑んだが敗北し、死亡した。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』で種族は”神霊”。
妻のティアマトと共に舞台である天海市・二上門の地下にある古代遺跡に眠っており、ファントムソサエティのとある目的のためにチートサマナー・ナオミに討伐される。
その後のシリーズでは『真・女神転生Ⅳ(2021年)』で種族”魔神”として登場。
備考
バビロニア神話に登場する神であるアプスーがなぜか日本の一地方で奉られていたそうで、このことについては超古代文明研究のさらなる成果を待たなければ謎は解けないらしい・・・。
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ミトラ
ミトラは、古代インド神話とペルシャ(イラン)神話に登場する神。
古代インド神話において
古代インド神話では「契約」や「友情」・「友愛」を司る聖なる守護神。
世界全体の調和や真理・平等な契約を守るために、これを乱そうとする悪意ある者を裁くとされる。また調和を守るために、病を癒す能力を持つ。
そのほかにも太陽神とされ、毎年6月の一カ月間、太陽戦車に乗って天空を駆けるという。
古代ペルシャ(イラン)神話において
古代ペルシャ(イラン)神話もといゾロアスター教(古代ペルシャ発祥の宗教)ではミスラと呼ばれ、インドと同じく「契約」・「約束」の聖なる神。
中級神霊の筆頭であり、司法神としての神格が強く、千の耳と万の目を以て世界を監視するとともに死後の裁判を司るという。
中世以降は「友愛」・「太陽」の神という神格が強まり、棍棒を武器にして悪魔を退治する勇猛な戦神として登場。太陽神と同一視されるようになった。
ローマや西アジアに伝わると、牡牛を屠る太陽神・ミトラスとよばれ、ミトラスを主神とする教団「ミトラス教」が発足し、民間での信仰が盛んとなった。
そして紀元前1世紀には強い勢力に発展した結果、初期の「キリスト教」と争うほどの一大勢力となる。
しかし、女性の入信を認めないことや、普遍的な信仰となる条件が無く、キリスト教の台頭とともに4世紀(西暦301年~400年)頃には衰退した。
仏教において
仏教における弥勒菩薩((みろくぼさつ)※梵名はマイトレーヤ、メッティヤ)と同じ「友」を意味とし、弥勒菩薩( みろくぼさつ)の名が、ミトラから反映されているという。
また、神薬師如来(やくしにょらい)を守護する十二の武将である「十二神将」のひとり、迷企羅大将(めきらたいしょう)ともされ、虎頭の武人として描かれる。
対応する干支は寅(とら)。(酉(とり)になる場合もある。)
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ(1990年)』。種族は”魔王”。
シリーズでは、主に中級悪魔としてよく登場する。(たまにレベルの高い上級悪魔になる。)蛇が絡まった獅子人のようなデザイン。
『真・女神転生Ⅳ FINAL(2016年)』では、ミトラ菩薩として登場。
ミトラの関連動画
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