アティス

正式名称はアッティス。
「プリュギア」を起源とする”死”と”再生”を司る神で、地母神キュベレ(アグディスティスとも呼ばれる)の息子。
また、彼女の一方的な「愛人」でもある。
※「プリュギア」は古代の王国。
現在のトルコ中西部にあったとされる。
誕生と死の神話
両性具有の神であったキュベレだが、オリュンポスの神々はそのような姿のキュベレを恐れ、男性器を切り落として地上へ放り投げた。
やがて切り取られた男性器から一本の木が生えると、その木に「アーモンドの木の実」が実る。
そこに偶然通りかかった人間の娘・ナナが「木の実」を取って運ぼうとすると、胸に押し当てた「木の実」がなんと彼女と一体化した。
すると彼女は何故か身籠り、そこで誕生した男の子がアティスである。
その奇妙さからすぐにアティスは丘のそばに捨てられてしまったが、雄山羊(おすやぎ)に育てられることとなる。
やがてある程度まで育てられると人間の里親に引き取られ、「長髪の美青年」へと成長。
そして美青年となったアティスを「人間の国」で偶然見かけたキュベレは自身の子供とは知らずに一目惚れすることになる。
そこで情熱的にアプローチをかけるキュベレだったが、アティス本人の反応は冷たく、里親も「人間の王女」と結婚させるつもりでいた。
やがて「王女」との結婚が決まり、結婚式が開催されると妬みで乱心したキュベレが現れた。
キュベレは神の力でアティスの正気を失わせると、彼自身の手で自らの性器を切り落とさせたのだった。
その去勢のせいでアティスは死んでしまい、それを見たアティスの義父になるはずの「王」も自ら去勢してキュベレに身を捧げることに。
(「王」がなぜ自ら去勢したのかは不明だが、「王」自身も錯乱状態になっていた説や、キュベレ(アグディスティス)の凄まじい力に心酔したなどと言われている。)
そしてその浅はかな行為に後悔したキュベレはその場を去ると、アティスを「不老不死の松の木」にして復活させたという。
のちにアティスが去勢されなければ乱心したキュベレによって「結婚式にいた人々」も皆殺しにされていたことから、人々の救済のために生贄となってくれたと崇められた。
さらに復活したアティスのエピソードは「自らの命をもって人々を救済する」という「救世主(メシア)」的なものへと変化していき、広く崇拝されることになったという。
女神転生シリーズにおいて
『デビルサマナーソウルハッカーズ(1997年)』で初登場。
種族は”狂神”または”鬼神”。
解放に条件があったりと手間がかかる印象。
死んだあとに再生する伝説から、自身を生贄に味方を全回復するスキルや「不屈の闘志」(HPが0になっても一度だけ復活する)を持つことが多い。
アティスの関連動画
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ディオニュソス

ディオニュソスは『ギリシア(ギリシャ)神話』の”酒”と”豊穣”の神。
別名はバッカス(ラテン語でバッコス『騒々しい』の意)と呼ばれ、ワインの神様として有名。
父は『ギリシア(ギリシャ)神話』の最高神・ゼウス。
母は人間の王女・セメレで、半神半人の男神。
成長したのちに「ワインの製法」を発見し、「ワインの製法」と「ぶどう木の栽培」を人間に普及させた功績が認められてゼウスによって「オリュンポス十二神」の一員に任命された。
※「オリュンポス十二神」は『ギリシア(ギリシャ)神話』に登場する有力な12人の神々のこと。
神々の王であるゼウスを筆頭に、主に彼の血縁者で構成されている。
やがて「製造法」と共に自身の教えである「ディオニュソス説」を説いて回ることで人々の信仰を集め(特に女性から熱狂的な信仰を集めた。)、「酒の神」から「植物の神」、「文化の神」へと変貌。
民間で信仰された「オルペウス教(オルフェウス教とも)」では”最高神”の地位まで昇り詰める。
女神転生シリーズにおいて
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』で初登場。
種族は”狂神”。
『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』、『真・女神転生Ⅴ(2021年)』での種族は”破壊神”。
「酒の神」という性質を持つため、魅了系のスキルを持つことが多い。
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