ゴグマゴク
ゴグマゴクは「イギリス」がまだ「アルビオン」と呼ばれていた頃の「ブリテン諸島」に住んでいたとされる巨人。
※「ブリテン諸島」は日本の「本州」より少し小さい面積を持つ「イギリス」の中心的な島々。
(通称では「イギリス諸島」とも呼ばれる)
名前には「敵対者」という意味があり、その体は腕の一振りで「帆船(はんせん)」を破壊できるほど巨大であったという。
非常に縄張り意識が強く、強大な力で島への「侵入者」をことごとく退けていたが、「ブルートゥス軍」の副将軍・コリネウスとの一騎討ちにより討たれたという。
※「ブルートゥス」は中世(1700年ごろ)のイギリスの伝説・『ブリテン伝説』に登場する「ブリテン国」を作ったとされる王。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』にて初登場。
デザインは”巨人”というより、ゼリーのような体が透けた”精霊”といった姿。
悪魔絵師である「金子一馬(かねこ かずま)」氏によると、「宇宙人説」があるアルジェリアの「タッシリ・ナジェールの壁画」や「北海道」で発掘された「遺物」を元にデザインしたとのこと。
※「タッシリ・ナジェール」はサハラ砂漠にある山脈で、そこに人のような壁画が残されていた。
(ゴグマゴグの伝承と全然関係ないので、なぜこれをイメージしたのかは不明。)
『真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE(2003年)』ではシリアス口調で話すが、『D×2 真・女神転生 リベレーション(2018年)』では子供っぽい口調で話したりと「作品」によって印象が全く異なる。
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トラルテクトリ
トラルテクトリは『アステカ神話』の”大地の神”または”怪物”。
※アステカは1428年頃から1521年までの約95年間北米のメキシコ中央部に栄えた文明国家。
神としては「軍神」と「地母神」の両方の力を持ち、”死”と”再生”を司る。
性別としては「男性」とも「女性」ともいわれ、「両性具有(りょうせいぐゆう)」であるともいわれている。
その姿は「笑った仮面」をかぶった顔を上に向き、「蛙(かえる)」のようにしゃがんだ状態で背中に「生贄の象徴」である「骸骨(がいこつ)」を背負っている姿で描かれる。
『アステカ神話』ではケツアルカトルとテスカトリポカの二神によって体を引き裂かれ、上半身は「大地」に、下半身は「空中」に投げられて「天空」と「星々」になったという。
さらにその背中では「動植物」が育ち、川が流れたとされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』。
大地(火山)の化身であることから「火炎系」を得意とすることが多い。
デザインを担当した悪魔絵師・「金子一馬(かねこ かずま)」氏によると、裏モチーフは『仮面ライダー(1971年)』に登場した「溶岩魔人ゴースター」という怪人らしい。
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ティターン
ティターンは『ギリシア(ギリシャ)神話』に登場する神々で、山よりも巨大な体を持つ”巨人族”。
※正式名称は”Tītān(ティーターン)”が正確で、日本ではタイタンとも呼ばれる。
かつて”全宇宙を最初に支配していた”天空神・ウラノスと、その”母”で”妻”でもある大地母神・ガイアとの間に生まれた神々。
ゼウスたち”オリュンポスの神々”より前の世代にあたる。
最高神はウラノスの息子であるクロノス。
※ちなみに『ギリシア(ギリシャ)神話』における”巨人族”は3つあり、全員ウラノスの子供。
以下紹介。
ティターン神族
最も力のある代表的な”巨人族”で、人の姿の巨人。
(正確な人数は説によって変わるが、主に12人の神々とされる。)
キュクロプス神族
目がひとつしかない”単眼巨人族”。鍛冶技術に長けている。
ヘカトンケイル神族
“百の手”と”五十の頭”をもつ”異形の巨人族”。
ティターンの神話
”巨人族”の父であるウラノスだが、自分の子供である”巨人族”の姿が醜いことを嫌い、地底の底である「タルタロス」に閉じ込めた。
そのことに怒りを覚えた母・ガイアは「誰かウラノスを倒す者はいないか?」と子供たちに問うた。
すると息子である”ティターン神族”のクロノスが名乗り出て、ウラノスの「男性器」を「アダマスの鎌」で切り落とすことに成功。
※「アダマスの鎌」は『ギリシア神話』の鍛冶神・ヘーパイストスによって作られた鎌。
ウラノスの持ちもの。
非常に硬い魔法の金属で作られており、一説では「ガイア」が体内で生成した「アダマス」という金属で出来ているという。
そして権威を失ったウラノスを追放させることに成功したクロノスは「全宇宙の支配者」となり替わり、”ティターン神族”の時代がしばらく訪れたという。
やがて時が経つと、クロノスの息子であるゼウスが誕生。
クロノスは「息子によって権力の座を奪われる」予言を受けており、そのことを恐れて息子たちを飲み込んでいたが、ゼウスだけ母の機転により助かる。
そしてゼウスは成長し、父・クロノスに戦いを挑むことに。
その時には多くの”ティターン神族”たちがクロノス側につき、10年にも渡る大戦争(ティタノマキア)となった。
両者の勝負は拮抗していたが、ゼウスが「タルタロス」から”キュクロプス神族”や”ヘカトンケイル神族”を解放して仲間に引き入れると、劣勢となって敗北。
(この二つの”巨人神族”はクロノスにとって兄弟神であったが、クロノスも父・ウラノス同様毛嫌いしており「タルタロス」に閉じ込めていた。)
そして敗北した”ティターン神族”は、ゼウスによって「タルタロス」の地底奥深くに封じ込められた。
ただし”ティターン神族”の一人であるアトラスだけは「タルタロス」には封じ込められず、ゼウスの見せしめによって「天空」を背負うという苦痛を長きに渡り負わされる事となる…。
(アトラスは「ティタノマキア」で、”ティターン神族”の指揮を執っていた中心的な神だったため。)
※”「天空」を背負う”とかいうのは、昔のギリシア人たちは空が落ちてこないことを不思議に思ったらしく、それは誰かが支えているからという考えからきているらしい。
他にも「山」として「天空」を支えることになったという説もある。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で初登場。
ちなみに”ティターン神族”のアトラスは、メガテンの創造神・「ATLUS」の社名の由来。
つづりは異なる(”A”と”U”が違う)。
つづりが異なるのは、カタカナでもアルファベット表記でも末広がりで縁起のよい8画にするためだそう。
「ATLAS」 ← ”ティターン神族”のほう
「ATLUS」 ← ”メガテンの創造神”のほう
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ツチグモ
土蜘蛛(ツチグモ)
平安時代の武将・「源頼光(みなもとのよりみつ)」が活躍する『土蜘蛛草紙(つちぐもぞうし)』や『平家物語(へいけものがたり)』に登場する巨大な蜘蛛(くも)の妖怪。
※「源頼光(みなもとのよりみつ)」は「平安時代中期」の武将。
誕生:944年 ~ 没:1021年
有名な鬼・「酒呑童子(しゅてんどうじ)」を退治した武勇伝がある。
その姿は
・「鬼(おに)の顔」
・「虎(とら)の胴体」
・「蜘蛛(くも)の手足」
を持つ怪物で、吐き出す「糸」を自在に操り、あらゆるものに変化できたという。
ちなみにもともとツチグモとは『古事記』や『日本書紀』などに頻繁に登場する”背丈が小さく手足が長い「土着民族」”のことだそう。
時の「王朝」の支配を拒んだことからツチグモは「蔑称(べっしょう)」となり、その「伝説」が後世に伝わってこのような”妖怪”にされたという説がある。
『土蜘蛛草紙(つちぐもぞうし)』でのツチグモ
『土蜘蛛草紙(つちぐもぞうし)』では「源頼光(みなもとの よりみつ)」とその家来である「渡辺綱(わたなべのつな)」が京都の「蓮台野(はすだいや ※火葬地や墓地のこと)」に訪れると、無数の妖怪と共にツチグモが襲い掛かった。
一晩中続いた決死の激闘を「源頼光(みなもとの よりみつ)」と繰り広げたが、最後は彼によって首をはねれられた。
『平家物語』でのツチグモ
『平家物語』では「僧侶(そうりょ)」に化けて「源頼光(みなもとのよりみつ)」の家に潜入する。
病床に伏せている「源頼光(みなもとのよりみつ)」を「縄(なわ)」で連れ出そうとするが、刀で切られて返り討ちにあった。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生(1992年)』から登場する古参悪魔。
その後のシリーズでもかなりの頻度で登場し、葛葉ライドウの仲魔としても活躍している。
ツチグモの関連動画
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カハク
花魄(カハク)は「中国の伝承」に登場する”木の精”。
3人以上の人間がクビをくくった「木」に宿るとされ、「自殺者」達の生前の無念が凝り固まって誕生するという。
その姿は「白装束(しろしょうぞく)」をまとった「美少女」の姿をしているが、体は人よりもずっと小さく、掌サイズの大きさ。
また、言葉は持たないが声は「小鳥」のように澄んでいるといい、その鳴き声は「インコ」に似ているとされる。
そのまま放っておくと干からびて死んでしまうが、水をかけると元通りになるらしい。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』。
種族は”地霊”。
後のシリーズ作品でも種族が固定され、序盤の「火炎属性魔法」に特化した仲魔というポジションが固定されている。
(木の精なのに…)
カハクの関連動画]
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コダマ
木霊(コダマ)は「日本の伝承」に語られる”草木の霊”。
草木だけでなく、”樹齢百年(じゅれいひゃくねん)”を超える「樹木(じゅもく)」に宿るとも言われる。
その姿は日本各地だけでなく、世界各地で古くから信奉されてきた「樹木崇拝(じゅもくすうはい)」を表現した形だと考えられている。
※「樹木崇拝(じゅもくすうはい)」は
「”木”って何百年とか長い時のなか生き抜いてるし、不思議な力が働いててスゲーっ」
とする宗教的観念。
女神転生シリーズにおいて
種族”地霊”の下位悪魔。
空中でふよふよしていて、ジブリ映画『もののけ姫』にも登場している。
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コロポックル
コロポックルは「アイヌ民族の伝承」で伝えられる小人。
※「アイヌ民族」はかつて「北海道」に住んでいたとされる先住民族。
その姿は「フキ」の下に住めるほど小さな人とされ、「善良」で「おとなしい性格」をしていたという。
※「フキ」は茎の長さが1.3~2mほど、葉の直径は約3~6cmほどになる傘のような野菜。
かつては「アイヌ」の人々と共存していたが、ある時「仲違い」をしたことからその姿を消してしまったという。
ちなみに「北海道」には高さ2〜3m、茎の太さは10cmという巨大な「ラワンブキ(螺湾蕗)」という種が自生しており、特に巨大なものは高さ4mにも達するほど巨大なものがある。
そんな「巨大なフキ」がある土地において「フキの下の人」と呼ばれた人々なので、実際は「アイヌの人々」に比べて多少背が低い程度だったとも言われている。
女神転生シリーズにおいて
メガテンでは可愛い悪魔ちゃんの一体。
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