バロン

バロンは「バリ島」の森に棲み、現地の人々に長く信奉される偉大なる神獣。
多くの場合、全身に輝く鏡の小片をつけた白い体毛の獅子のような姿で描かれる。
かつては人間を襲う凶暴な存在であったが、人々の鎮祭(ちんさい)によって改心したあとはあらゆる災害や邪悪な力を追い払う「守護神」となった。
また、”善”を象徴するものとして対極をなす”悪”の鬼女・ランダと決着することのない戦いをつづける運命を背負っている。
ちなみにバリ島の現地では210日ごとにお祭りを催して、「バロン・ダンス」という舞台劇が行われるなど手厚く祀られている。
女神転生シリーズにおいて
回復役ワンちゃん。シリーズでは高レベルであることが多い。
バロンとランダを合体させると、通常の合体法則を無視して「シヴァができる」というのはメガテンシリーズのお約束。
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アヌビス
アヌビスは『エジプト神話』の死者を導く”冥界神”。
死者の魂を裁く「オシリスの法廷」で死者の心臓の重さを量り、天国に行けるかどうかを判断する役目を担う。
悪神・セトの妻であり妹である女神ネフティスが、兄である主神・オシリスとの不倫によって身篭もった「不義の子」であり、誕生後はすぐにネフティスによって葦(よし ※長い草のこと)の茂みに隠されたとされる。
その姿は「犬」もしくは「ジャッカル」の頭部と、黒い皮膚をした「半獣半人」の姿で古代の壁画や伝承に描かれていることが多い。
オシリスがセトの計略で殺された際には彼に「ミイラの施術」や「防腐処置」を施し、彼を蘇らせる際において重要な働きを見せた。
その結果アヌビスは埋葬に必要なミイラ化の技術を司り、「ミイラ作り」を行う神官たちからは特に厚く信仰されたという。
女神転生シリーズにおいて
メガテンシリーズでは種族”神獣”の中位悪魔。
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ナラシンハ

ナラシンハはヴィシュヌの第4のアヴァターラ。
※「アヴァターラ」とは、「ヒンドゥー教」や「仏教」などの宗教における「神」や「仏」が、「人間」や「動物」などの姿をとって地上に現れること。
時代によって「人間」や「魚」、「亀」、「猪」などになり、名前もその度に変わる。
ヴィシュヌの「アヴァターラ」一覧
1.マツヤ(魚)
2.クールマ(亀)
3.ヴァラーハ(猪)
4.ナラシンハ(獅子の頭を持った人)
5.ヴァーマナ(人)
6.パラシュラーマ(仙人)
7.ラーマ(人)
8.クリシュナ(人)
9.バララーマ(人)またはブッダ(仏)とも
10.カルキ(?)
ヴィシュヌが強大なアスラであるヒラニヤカシプを退治するべく地上に降り立った際に変じた姿で、その姿はライオンの頭を持った獣人。
ナラシンハの『神話』
強大なアスラであるヒラニヤカシプは、兄弟であったヒラニヤークシャがヴィシュヌの第3の化身であるヴァラーハ(猪)に打ち取られてしまい復讐を誓う。
そこで「自らの肉体をほかの動物たちに食べさせる」という苛烈な苦行を行うと、創造神・ブラフマーにその苦行を認められて1つの願いを叶えてもらった。
その際に願ったのは
「神とアスラ、そして人と獣にも、昼と夜にも、家の中と外にも、地上でも空中でも、そしてどんな武器にも殺されない体」
というものだった。
無敵となったヒラニヤカシプは悲願だった「天界」を奪還することに成功し、兄弟であったヒラニヤークシャの無念を果たす。
ところが「天界」を奪還後、息子・プラフラーダはあろうことか一族の宿敵であるはずのヴィシュヌを懸命に信仰した。
信仰をやめないわが子をヒラニヤカシプは激しく叱ったが、考えを変えることができなかった。
そこでヒラニヤカシプはさらに激怒し
「お前の神とはどこにいるんだ、だったらこの柱の中にもお前がいう神とやらが見えるのか!」
とプラフラーダに問い詰めるが、それでも信仰をやめなかったので激怒して殺そうとする。
すると夕刻であったその時に玄関の宮廷の柱を突き破ったヴィシュヌの「第4のアヴァターラ」であるナラシンハが現れ、地上でも空中でもない彼の膝の上でヒラニヤカシプの体を素手で引き裂いて殺害することに成功。
(「神でもアスラでも人でも獣でもないライオンの獣人」が、「夕方」かつ屋外でも屋内でもない「玄関」でありながら、地上でも空中でもない彼の「膝の上」で武器を使わない「素手」での攻撃だったので殺すことができた。)
のちにプラフラーダはヴィシュヌ信仰を一族に広めて加護を得ると、その子・「 ヴィローチャナ ( ヴィローシャナ ) 」が勢力を拡大。
そして孫であるバリはマハーバリと呼ばれる最良の王となったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
ライオンヴィシュヌ。
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キマイラ
キマイラは『ギリシア(ギリシャ)神話』に登場する異形の怪物。
『ギリシア(ギリシャ)神話』最強の怪物であるテュポーンと蛇の女怪物・エキドナの息子で、その姿は「ライオンの頭」と「ヤギの胴体」、「ヘビ(またはドラゴン)の尻尾」を持ち、口からは火炎を吐くという。
(「ヤギの頭を持つ女性」の姿であるともされる。)
『ギリシア(ギリシャ)神話』において
『ギリシア神話』では産まれたのちに「カリア地方」の王であるアミソダロスに育てられたとされ、「リュキア」という地方を棲み処とし、その周辺の住人に多大な被害を与えて暴れていた。
(アミソダロスは「リュキア」と敵対していたらしく、暴れさすためにキマイラを「リュキア」に棲まわせたという。)
そしてその被害に困った「リュキア」の王であるイオバテス王はその被害を食い止めるべく、ペガサスに乗る英雄・ベレロポーンに討伐を依頼。
討伐に向かった空高く飛ぶペガサスに乗ったベレロポーンにキマイラの火炎は届かず、矢を射られて退治されたという。
(鉛を口に放りこんで火炎を吐けなくし、槍でその頭を刺し貫いたとも。)
また、元々は『ヒッタイト神話』で季節を表す聖獣だったものが、『ギリシア(ギリシャ)神話』に取り込まれてこういう怪物になったとされている。
(ライオンが「春」、ヤギが「夏」、ヘビが「冬」を象徴していた。「秋」はない。)
※『ヒッタイト神話』は古代アナトリア(現在のトルコ)を中心に栄えた民族の『神話』。
「キリスト教」において
中世の「キリスト教」では、その姿から「淫欲」や「悪魔」といった「淫欲を司る女魔」として扱われている。
・ライオンの頭は「恋愛における相手への強い衝動」
・山羊の胴体は「速やかな恋の成就」
・蛇の尻尾は「失望や悔恨」
をそれぞれ表しており、「理解できない夢」の象徴とされた。
現代において
現代ではRPGのモンスターや、「異質なものの合成」といった意味合いが強く、「キメラ細胞」・「キメラ生物」などの用語がつくられている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
のちのシリーズにも頻繁に登場しており、だいたい中レベルの悪魔として活躍。
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