フレスベルグ
正式名称はフレースヴェルグ。
『北欧神話』に登場する大鷲(おおわし)の姿をした”巨人”であり、名前には「死体を飲みこむ者」という意味をもつ。
「ラグナロク」では死者をその嘴(くちばし)で引き裂いていた。
※「北欧」はヨーロッパ北部地方のこと。
・「 デンマーク」
・「スウェーデン」
・「ノルウェー」
・「フィンランド」
・「アイスランド」
の5か国をさすことが多い。
※「ラグナロク」は『北欧神話』における最終戦争のこと。
『北欧神話』の神々と”巨人族”たちが戦いを起こし、最終的に世界は滅亡し、多くの神々が亡くなった。
「神々の黄昏」とも呼ばれる。
フレスベルグは常に世界樹・「ユグドラシル」の頂で全世界を見渡しており、世界に風が起こるのはフレスベルグが飛び立つ瞬間に翼を羽ばたくおかげだとされた。
また、「ユグドラシル」の最も深い根本に棲む大蛇・ニーズホッグとは常に対立していて、ラタトスクという名の「リス」を仲介して互いに罵り合っている。
しかしこの原因は、互いのメッセージを伝えているラタトスクが伝える内容を滅茶苦茶にしたり、お互いを煽りたてるようにしているためであり、そのせいで両者の仲が非常に険悪になったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生』で、種族は”凶鳥”。
衝撃属性スキルと氷結属性の魔法を所持したレベルの高い悪魔。
メガテンシリーズでの登場はかなり多く、主に最高位の ”凶鳥” として登場する。
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アンズー
アンズーは『メソポタミア(バビロニア)神話』に登場する邪悪な巨鳥。
※メソポタミアは「世界四大文明」の一つであり、世界最古の文明。
世界最古の文字や法典を生みだし、数々の王国の興亡が繰り返されてきた。
その場所は「チグリス川」と「ユーフラテス川」の二つの大河の流域の間にあったとされ、現在のイラクあたりに存在したという。
※「バビロニア」は「メソポタミア地域」の南部に栄えた古代文明都市。
現在のイラク南部あたりにあったという。
過去にはズーと呼ばれていたが、現在ではアンズーが主流の呼び方とされる。
その姿は「巨大な鳥」や「ライオンの頭を持つ鷲(ワシ)とされ、アプスーの「淡水(きれいな水)」から生まれたとも、女神・シリスの息子ともされた。
アンズーの神話
アンズーは天の主神・エンリルに仕えていたが、神々の王になりたいという邪念からエンリルが体を清めている間に「天命の書版(トゥプシマティ)」を盗み出し逃亡する。
※「天命の書版(トゥプシマティ)」は『バビロニア神話』の”最高神”が神や人の運命の全てを記したもので、神々の王権そのものを象徴するアイテム。
そのためこれを持った者の命令は最高神の命令として通ることになる。
しかしそれに気づいたエンリルは神々に「アンズー討伐」を依頼し、討伐された。
(ルガルバンダという神が討伐したとされたり、マルドゥークが討伐したともされた)
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で、種族は”凶鳥”。
シリーズでは「衝撃属性」スキルをもつ中堅レベルの悪魔として扱われることが多い。
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グルル
グルルは『スリランカ神話』に伝わる人々に災いをもたらす邪悪な凶鳥。
※「スリランカ」は南アジアの国。
インドの神鳥・ガルーダが「スリランカ」において邪悪な「ラークシャサ」として堕とされた存在であり、人々に厄災をもたらすとされた。
※「ラークシャサ」とは人々に害をなす大きな力を持った悪鬼(鬼神)のこと。
「仏教」では「羅刹(らせつ)」とよばれ、改心して守護神になったりしている。
これは宗教上の対立が理由とされ、スリランカ国民の約7割は「仏教徒」であり、ガルーダは「ヒンドゥー教」の神鳥。
「仏教」と「ヒンドゥー教」は考え方の違いから対立することがあり、お互いの宗教が信じる”神”や”仏”を「悪者」や「敵」とみなすことが多い。
※「仏教(ぶっきょう)」はインド発祥の宗教で、「世界三大宗教」の1つ。
信者数は世界人口の7%である5億2000万人以上と、世界で4番目に大きな宗教。
人口だけでみると「ヒンドゥー教」が世界で3番目に大きい宗教なのだが、「仏教」のほうが歴史が長いので「世界三大宗教」のひとつとなっている。
※「ヒンドゥー教」は、インド発祥の宗教。
信者数は全世界で約11億人以上とされ、人口だけでみれば世界で第3位の宗教。
(インド国民は「ヒンドゥー教」が約8割。)
「バラモン教」を吸収しつつ、紀元前300年ごろに成立したといわれている。
※「バラモン教」は「ヒンドゥー教」の前身となったインド発祥の宗教。
紀元前1300年に成立し、紀元前500年ごろまで発達した。
そのため『インド神話』では「スリランカ」にラークシャサ(悪鬼)が棲んでいると考えられていたり、『スリランカ神話』ではその逆に「インド」にラークシャサが棲んでいるとされていた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
シリーズではけっこう登場しており、鳥系の悪魔らしく「ひっかき」や「はばたき」、それと毒属性のスキルをもっている。
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カマソッソ
カマソッソは『マヤ神話』に登場するコウモリの神。
正式名称はカマソッツ。
名前には「死のコウモリ」を意味する。
※「マヤ」とはメキシコの南東部でかつて栄えた文明。
紀元前1000年に誕生してから16世紀頃までの約2500年以上栄えたとされ、南北アメリカ大陸で最も発展した文明の1つ。
『マヤ神話』における地下世界「シバルバー」にある「コウモリの館」に棲んでいる悪しきコウモリで、「コウモリの館」に侵入するものは何でも殺してしまうという。
その姿は大きな歯と鉤爪に、硬い棒のようなものを持ったコウモリ。
双子の英雄であるフンアフプーとイシュバランケーが「シバルバー」に訪れて「コウモリの館」で一夜を明かしたときには、フンアフプーを罠にはめてその首を切り落としたとされる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』。
両手に鎌を持ったコウモリが逆さまにぶら下がったデザイン。
シリーズでは意外と登場回数が多く、メガテンでコウモリと言えばカマソッソを思い出すほど。
『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー(2004年)』では敵主要人物の一人バットの変身する悪魔として登場。
作中では三回も戦うことになるので、印象が残る。
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モー・ショボー
モー・ショボーは、モンゴルの「ブリヤート人」に伝わる鳥の魔物。
その名はモンゴル語で「悪しき鳥」という意味をもつ。
不幸にも愛を知らずに幼くして死んでしまった少女の魂が変化し、鳥の姿になって現れるのがモー・ショボだとされた。
普段は「美しい少女」や「旅人」に化けており、油断して近づいてしまうと本当の姿を現し、その鋭いくちばしで「頭蓋骨」を砕いて好物の人間の脳髄(のうずい)をすするという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。
この頃は服の色が黄色だった。
続編の『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』で、現在の赤い色の服に変更され、以降はこちらのデザインが固定。
その後も様々なシリーズに登場し、現在では魔人アリスと並ぶメガテン幼女キャラの代表格となっている。
モー・ショボーの関連動画
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