オオクニヌシ
正式名称は「大国主命(オオクニヌシノミコト)」。
『日本神話』に出てくる「国津神(くにつかみ)」の一柱で、主宰神(しゅさいしん ※一番偉い人)とされる。
※「国津神(くにつかみ)」とは、『日本神話』の神々のうち、「天津神(あまつかみ)」たちがやってくる以前から日本列島に鎮座していた神々のこと。
古くからの土着の神を指す。
※「天津神(あまつかみ)」とは、『日本神話』の神々のうち、天上の世界である「高天原(たかまがはら)」に住まう神。
のちに地上世界である日本の国土に降りてきた。
『日本書紀』では「三貴子(さんきし)」の一柱である スサノオの義理の息子。
『古事記(こじき)』では スサノオの六代目の子孫とされた。
※『日本書紀(にほんしょき 720年)』は中国の歴史書に倣って、日本でも本格的な歴史書を作ろうという動きの中で作られたもの。
『古事記(こじき 712年)』と並び伝存する最も古い史書の1つで、『神話』も書かれている。
※『古事記(こじき 712年)』は日本に現存する最古の書物。
上・中・下の3巻。
世界のはじまりから神々の出現、そして天皇家の皇位継承の様子が描かれている。
「天武天皇(てんぶてんのう 在位673年~686年)」の意志によって作成がはじまり、約30年後の「元明天皇(てんめいてんのう 在位707~715)」在世中の712年に完成したという。
※「三貴子(さんきし)」とは、黄泉の国から帰ってきたイザナギが「禊(水浴)」によって黄泉の汚れを落としたときに最後に生まれ落ちた三柱の神々のこと。
「三貴子(さんきし)」一覧
・長女 天照大神 (アマテラスオオミカミ)
・次女 月読尊(ツクヨミ)
・長男 須佐之男命(スサノオ)
「出雲大社(いずもたいしゃ)」の祭神として有名であり、全国各地の神社で主に「縁結びの神」として祀られている。
また、「七福神(しちふくじん)」の大黒天(だいこくてん)と習合(合体して同じ神様とみなすこと。)されたり、
・「大穴牟遅神(オオナムヂノカ(オオナムチ))」
・「大物主命(オオモノヌシノミコト (オオモノヌシ)」
など多くの別名を持つ。
オオクニヌシの伝説
オオクニヌシには「八十神(やそがみ)」と呼ばれる乱暴で横柄な性格であるたくさんの兄達がおり、柔和な性格だったオオクニヌシは兄達とはそりが合わなかった。
そんなある日、兄である「八十神(やそがみ)」達は美しい女神である「八上比売(ヤガミヒメ)」への求婚のため「因幡国(いなばのくに)」へと向かうことなり、オオクニヌシは兄達の荷物持ちとして付き添いをすることなる。
※「因幡国(いなばのくに)」は現在でいう「鳥取県」にあった。
その道中にオオクニヌシは傷ついた白いウサギ(イナバシロウサギ)を助けると、そのことを見ていた兄達の求婚相手である ヤガミヒメに好かれることに。
そして到着した兄達はヤガミヒメに求婚するが、彼女は兄達の求婚をはね除けてオオクニヌシとの結婚を宣言したのだった。
しかしこのことから兄達に妬まれたオオクニヌシは、山のふもとへ連れられると火で真っ赤に焼いた大岩を上から落とされて殺害されてしまう。
これを知った母である「刺国若比売(サシクニワカヒメ)」や”天津神(あまつかみ ※天上に住む神)”である「神産巣日之命(カミムスビノミコト)」達の協力によって蘇生するが、 今度は山中深くに誘いこまれ、再び兄達に殺されてしまう。
再び蘇生させられたオオクニヌシは、母・サシクニワカヒメ からの助言を受けて「大家毘古之神(オオヤビコノカミ)」の国に行くことを進めたが、そこにも兄達が押し寄せたため最終的に「根の国(※黄泉(よみ)のこと)」に逃げ込むこととなる。
スサノオとの関係
根の国 (黄泉) に至り、騒乱から逃れたオオクニヌシは根の国の王となっていたスサノオの元で生活するようになった。
やがてそこで暮らしていく内にスサノオの娘である須勢理毘売命(スセリビメノミコト)と互いに一目惚れし、結ばれる。
だが貧弱なオオクニヌシがどうにも気に入らないスサノオは、「蛇の室(むろや)の試練」に「ムカデと蜂の室(むろや)の試練」、さらに「火攻めの試練」など様々な試練を与えた。
そこで様々な危険な試練に打ち勝ち、 根の国 (黄泉) で鍛えられながら暮らしたオオクニヌシだったが、ある日昼寝をしているスサノオの長い髪を部屋の大きな柱に結びつけ、岩で入口を塞ぐ。
すると「スサノオの神器」を持ち出して スセリビメノミコトと共に駆け落ちをしたのだった。
怒り狂った スサノオ は境まで追いかけたが、根の国 (黄泉) を出ていくオオクニヌシにスサノオ はこう叫ぶ。
「お前が奪った神器で兄弟神を追い払い、スセリビメノミコトと結婚し大きな宮殿を建てて住め!」
と叫び、荒い激励とともに二人を見送ったのだという。
(一応世話になっといてこの行為…。オオクニヌシは結構クズなんじゃ…)
その後は奪った神器(じんぎ)を携えて出雲の国(※今の島根県)に帰還。
兄達 (八十神) を滅ぼし、葦原中国(あしはらのなかつくに ※地上世界)の王となって国造りを行い、多くの子を設けた。
そして国造りを終えた後はアマテラスへの「国譲り」を経て、「出雲大社(いづもたいしゃ)」の祭神となったという。
女神転生シリーズにおいて
オオクニヌシの名前で正式に悪魔として初登場したのは『偽典・女神転生(1997年)』。
人間の頭を持つ「蛇」のようなデザインだった。
このデザインの理由は、オオクニヌシの本拠地である「出雲大社(いずもたいしゃ)」では「神在月((かみありづき) ※一般的には「神無月(かんなづき)」。昔の10月の呼び名。)」に八百万(やおよろず)の神々を導くオオクニヌシの神使として龍蛇神(りゅうじゃしん)が尊崇されていることから、オオクニヌシも蛇の神ではないかという説から。
別名であるオオナムチとしては、『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』で登場している。
また、『真・女神転生(1987年)』にはオオモノヌシとして登場。
偽典の頃は「蛇」としてのイメージだが、『真・女神転生Ⅲ(2003年)』以降のシリーズでは人型のイケメンとして登場している。
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タケミナカタ
正式名称は「建御名方神(タケミナカタノカミ)」。
『日本神話』の”軍神”であり、”狩猟”や”豊穣の神”としての側面も持つ。
大国主神(オオクニヌシ)の御子神(みこしん ※「むすこ」のこと)で長野の諏訪大社(すわたいしゃ)の祭神として祀られている。
タケミナカタの悲劇
”天津神(あまつかみ ※天上の世界に住む神)”は、出雲の大国主神( オオクニヌシ)に対して下界にある国を譲るよう使者を派遣していた。
しかし二度も交渉に失敗したため、武勇に優れた建御雷神(タケミカヅチ)を直接交渉に向かわせることにする。
タケミカヅチがオオクニヌシに詰め寄ると、彼は子息であるタケミナカタと事代主神(コトシロヌシ)に意向を尋ねるように答え、コトシロヌシはすぐに”天津神(あまつかみ)”に従うことを受諾。
ところが「千引の石(※千人もの大勢の力を必要とするような巨大な岩)」を手先で差し上げながら現れたタケミナカタは、不条理な”天津神(あまつかみ)”の要求を拒否し、タケミカヅチに力比べを申し出た。
その申し出をすんなり了承したタケミカヅチは、タケミナカタと対峙して力比べを始める。
そしてタケミナカタは勢いよくタケミカヅチの手を掴むが、その手は”氷”や”剣”に変化し、そのことに驚いたタケミナカタはひるんでしまう。
そのことに気付いたタケミカヅチはすぐさまタケミナカタの手を若葦(ワカアシ※雑草のこと)のように握りつぶし、 両腕を放り投げた。
両腕を失くして敗北したタケミナカタだったが、それでも許さんとタケミカヅチに追われたため「信濃国(シナノノクニ)」まで逃亡。
※「信濃国(しなののくに)」は、現在の「長野県」と「岐阜県」中津川市の一部に相当した国。
しかし「信濃国(しなののくに)」までついてこられたので、「諏訪(すわ)の地」で”天津神(あまつかみ)”に服従することをタケミカヅチに誓わされたのであった。
後にタケミナカタは「諏訪(すわ)の地」をでることを禁じられ、生涯を終えたという。
女神転生シリーズにおいて
『女神転生』の元となる小説『新デジタル・デビル・ストーリー(1990年頃)』で初登場。
実はかなりの古参悪魔。
種族は”鬼神”。シリーズによっては 種族”国津神” になることもある。
ゲームでは『真・女神転生(1992年)』が初登場。
『真・女神転生(1992年)』ではICBMが落とされた東京大破壊から30年後の新宿をおさめるオザワが召喚する仲魔として登場し、主人公達をあっさり負かしてしまう実力を見せつける。
そしてタケミナカタを撃破する為に、カオスヒーローは自身を悪魔合体の材料とする決意を固めさせるなど、シナリオ上重要な悪魔として扱われている。
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サルタヒコ
正式名称は「猿田毘古神(サルタビコノカミ)」。
『日本神話』に登場する国津神(くにつかみ)で、「天孫降臨(てんそんこうりん)」に登場する”導きの神”。
妻は”踊り子の神”・アメノウズメ。
※「国津神(くにつかみ)」とは『日本神話』の神々のうち、「天津神(あまつかみ)」たちがやってくる以前から日本列島に鎮座していた神々のこと。
古くからの土着の神を指す。
※「天津神(あまつかみ)」とは『日本神話』の神々のうち、天上の世界である「高天原(たかまがはら)」に住まう神。
のちに地上世界である日本列島に降りてきた。
※「天孫降臨(てんそんこうりん)」とは、アマテラスの孫である「邇邇藝命(ににぎのみこと)」が「葦原の中津国(あしはらのなかつくに ※地上の世界)」を治めるため「高天原(たかまがはら ※天上の世界)」から地上へ降臨した神話のこと。
その姿は七咫(ななあた ※約120cm)もの長い鼻と、赤く照り輝く大きい丸い目を持ち、背丈は七尺(ななしゃく ※約200センチ)ある厳つい天狗のような姿だという。
「天孫降臨(てんそんこうりん)」においては、地上を統治するために「天上の世界」から「地上世界」に降臨しようとしている「邇邇藝命(ににぎのみこと)」を安全に迎えるため、「天の八衢(やちまた)」まで出向いて迷うことなく案内した。
※「天の八衢(やちまた)」は、天上で数多くの道が分かれる所。
「高天原(たかまがはら ※天上の世界)」から「葦原の中津国(あしはらのなかつくに ※地上の世界)」に下る道の途中にあったとされる。
そして無事に「葦原の中津国(あしはらのなかつくに)」にたどり着くと、ニニギノミコトはお供であるアメノウズメに対しこう言った。
「せっかく名前を明かして案内までしてくれたのだから、サルタヒコを家まで送り届け、その後は彼の名前をもらって仕えるといい」
そこでアメノウズメはニニギノミコトの言う通りにサルタヒコに仕えるとやがて結婚。
「猿女(サルメ)」という別名で呼ばれるようになったという。
しかし、その後のサルタヒコは「阿邪訶(あざか ※三重県松坂市付近)」の海で漁をしていた時、「ヒラブ貝」という怪物に手を噛まれてあっけなく溺れ死んでしまったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』。
種族は”国津神”だったり、”地霊”だったりする。
『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』ではザコ敵として登場するのだが、なんと4回も行動してくる厄介な敵として有名。
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ヒトコトヌシ
一言主神(ヒトコトヌシ)
『古事記』や『日本書記』に登場する神で、”吉凶(きっきょう ※よいことと悪いこと)”を一言で言い放つ託宣(たくせん)・言葉の神。
「やまびこ」や「こだま」が神として具現化されたものであり、古代の山の神は”言葉”も司ったという。
現在は「奈良県」と「大阪府」の境に位置する「葛城山(かつらぎさん)」の神として祀られていることで有名。
地元では「一言さん(いちごんさん)」として親しまれ、どの様な願い事でも”一言の願い”ならばかなえてくれると信じられている。
『古事記』において
『古事記(こじき 712年)』は日本に現存する最古の書物。
上・中・下の3巻。
世界のはじまりから神々の出現、そして天皇家の皇位継承の様子が描かれている。
「天武天皇(てんぶてんのう 在位673年~686年)」の意志によって作成がはじまり、約30年後の「元明天皇(てんめいてんのう 在位707~715)」在世中の712年に完成したという。
『古事記(712年)』には、「葛城山(かつらぎさん)」を訪れた第21代天皇・「雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)」の一行がヒトコトヌシと遭遇した話が記載されている。
彼は天皇と同じ姿で登場し、天皇の問いかけに対して同じ言葉を繰り返しては、自分は良いことも悪いことも表現する言葉の神であると名乗った。
天皇は恐れ入り、弓や矢のほか、官吏たちの着ている衣服を脱がさせてヒトコトヌシに献上することに。
ヒトコトヌシはそれを受け取り、天皇の一行を見送った。
とのこと。
(オチはとくになし。)
『日本書記』において
『日本書紀(にほんしょき 720年)』は中国の歴史書に倣って、日本でも本格的な歴史書を作ろうという動きの中で作られたもの。
『古事記(こじき 712年)』と並び伝存する最も古い史書の1つで、『神話』も書かれている。
『日本書紀(720年)』では、「雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)」がヒトコトヌシに出会う所までは同じだが、自らを「現人の神」だと名乗り、その後共に狩りをして楽しんだと書かれていている。
仙人のような姿だったそうで、天皇と対等の立場になっている。
『日本霊異記(にほんれいいき)』において
正式名称は『日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんほうぜんあくりょういき 822年)』
『日本霊異記(にほんれいいき)』と略して呼ぶことが多い。
上・中・下の三巻。
成立年ははっきりしないが、平安時代初期(822年ごろ)に書かれたとされ、伝承された最古の説話集。
妖怪や怪物、神が登場するストーリー小説みたいなもん。
記紀(『古事記』や『日本書記』の総称)より時代が降った『日本霊異記(にほんれいいき 822年)』では、役小角(えんのおづの ※飛鳥時代(592年~710年)にいた仙人みたいなやつ)によって使役される”鬼神”の一柱として扱われた。
役小角(えんのおづの)は「時の朝廷」から大阪にある「葛城山(かつらぎさん)」と、奈良にある「金峯山(きんぷせん)」に石橋を架けよと依頼され、使役者に命令して土木工事をさせていた。
しかしヒトコトヌシは自分の醜い姿を恥じて日中の作業を怠ったため、役小角(えんのおづの)によって谷底に縛り付けられる。
不満を持ったヒトコトヌシは復讐として
「役小角(えんのおづの)は謀反あり」
と、朝廷に讒言(ざんげん ※他人をおとしいれるため、ありもしない事を目上の人に告げること)し、役小角(えんのおづの)を捕えさせて「伊豆国(いずこく ※東海道あたり)」に配流させた。
ところがのちにこの誤解が解けると、役小角(えんのおづの)は恩赦を受けて解放された。
そして讒言(ざんげん)を行ったヒトコトヌシを捕え、呪法で縛りつけたという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』で、種族は“鬼神”。
下級の悪魔といったかんじ。
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』において、現在の木の葉が集まった人型のデザインで登場し、以後の作品でもこの姿で通している。
『デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団(2006年)』では、「超力兵団計画」に加担する”国津神”の一柱として物語に絡むボス悪魔として登場。
台詞中でも“一言”を強調する。
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オオヤマツミ
大山津見神(オオヤマツミ)は『日本神話』に登場する山の神。
「山の神」ではあるが、山の樹木が雨水を自然にしみこむように養成することから「水の神」でもある。
『古事記』では国生みの神であるイザナギとイザナミの間に生まれたとされ、『日本書紀』ではイザナギがヒノカグツチを斬った際に生まれたとされている。
※『古事記(こじき 712年)』は日本に現存する最古の書物。
上・中・下の3巻。
世界のはじまりから神々の出現、そして天皇家の皇位継承の様子が描かれている。
「天武天皇(てんぶてんのう 在位673年~686年)」の意志によって作成がはじまり、約30年後の「元明天皇(てんめいてんのう 在位707~715)」在世中の712年に完成したという。
※『日本書紀(にほんしょき 720年)』は中国の歴史書に倣って、日本でも本格的な歴史書を作ろうという動きの中で作られたもの。
『古事記(こじき 712年)』と並び伝存する最も古い史書の1つで、『神話』も書かれている。
オオヤマツミ自身についての『神話』はあまりなく、オオヤマツミの子と名乗る神が『日本神話』で登場することが多い。
オオヤマツミの子供一覧
・「三貴子(さんきし)」の一柱である スサノオの妻となるクシナダヒメの父・アシナヅチと、母・テナヅチ。
(クシナダヒメは孫であり、祖父にあたる。)
・クシナダヒメの次にスサノオの妻となり、「伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)」の主祭神であるウカノミタマと、穀物神・トシガミを産んだカムオオイチヒメ。
・オオクニヌシの祖母にあたるコノハナチルヒメ。
・アマテラスの孫であるニニギノミコトの妻となったコノハナサクヤ。
・”岩石”を司る女神・イワナガヒメ
などなど。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で初登場。
「オヤマツミのほこら」に封印されているが、救出すれば「将門公の右脚」を入手できる。
だいぶ時を経て『真・女神転生V(2021年)』で再登場。
サブクエストの強敵として登場する。
オオヤマツミの関連動画
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コノハナサクヤ
コノハナサクヤは『日本神話』に登場する桜の女神。
正式名称は「木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)」。
夫はアマテラスの孫であるニニギノミコト。
父は”山の守護神”であるオオヤマツミで、姉には”岩石”を司る女神・イワナガヒメがいる。
名前には「桜の花のように咲き栄える女性」という意味を持ち、八百万(やおよろず)の神の中でも特に美しいとされた。
コノハナサクヤの神話
アマテラスの命を受けて地上世界に降臨したニニギノミコトは、美しいコノハナサクヤに出会って一目惚れする。
そして結婚を申し込むために彼女の父であるオオヤマツミに会いに行くと、オオヤマツミはニニギノミコトと娘が結ばれることを非常に喜んだ。
その喜びからオオヤマツミは姉のイワナガヒメも共に嫁がせようとしたが、ニニギノミコトは醜いイワナガヒメを送り返し、美しいコノハナサクヤとだけ結婚した。
オオヤマツミはこれに怒り、
「私が娘二人を一緒に差し上げたのはイワナガヒメも妻にすれば天津神の御子(ニニギノミコトのこと)の命は岩のように永遠のものになるはずであった。」
「それなのにコノハナサクヤのみを妻にしたため、木の花が咲き誇るように繁栄はするだろうが、その命ははかないものになるだろう」と語った。
のちにコノハナサクヤとニニギノミコトの子孫である「天皇」が生まれたが、そのせいで「天皇」には寿命が生まれてしまったという。
これはコノハナサクヤは「植物」の象徴、イワナガヒメは「岩(石)」の象徴であり、永遠に残る「岩(石)」を捨ててしまったことよって「天皇(人間)」に寿命ができたと言われている。
不貞を疑われる
ニニギノミコトとコノハナサクヤが愛し合うと、コノハナサクヤは一夜で身篭った。
そこでニニギノミコトは「国津神(くにつかみ)の子ではないのではないか」と不貞を疑う。
(ニニギノミコトは「天津神(あまつかみ)」。)
※「国津神(くにつかみ)」とは、『日本神話』の神々のうち、「天津神(あまつかみ)」たちがやってくる以前から日本列島に鎮座していた神々のこと。
古くからの土着の神を指す。
※「天津神(あまつかみ)」とは『日本神話』の神々のうち、天上の世界である「高天原(たかまがはら)」に住まう神。
のちに地上世界である日本の国土に降りてきた。
そんな疑いを晴らすため、コノハナサクヤは「天津神(あまつかみ)であるニニギノミコトの子なら何があっても無事に産めるはず」と誓約(せいやく)をして、「産屋(うぶや)」に入って火を放つ。
※「産屋(うぶや)」は子供を産むための部屋。
(もしくは家)
そしてその火を付けた「産屋(うぶや)」で三人の神を出産すると、身の潔白を証明した。
ちなみにその中の一人である「火遠理命(ほおりのみこと)」の孫が初代天皇の「神武天皇(じんむてんのう)」である。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『ペルソナ4(2008年)』に登場する「天城雪子(あまぎ ゆきこ)」の初期ペルソナ。
『真・女神転生V Vengeance(2024年)』では新デザインで登場。
キャラクターボイスも「天城雪子(あまぎ ゆきこ)」の声優を担当した「小清水亜美」さんであるなど、共通点がある。
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クシナダヒメ
櫛名田比売(クシナダヒメ)は『日本神話』に登場する女神。
大山津見神(オオヤマツミ)の子であるアシナヅチ・テナヅチの8人いる娘の末娘(すえむすめ)であり、三貴子の一柱であるスサノオの妻。
※「三貴子(さんきし)」とは、黄泉の国から帰ってきたイザナギが「禊(水浴)」によって黄泉の汚れを落としたときに最後に生まれ落ちた三柱の神々のこと。
「三貴子(さんきし)」一覧
・長女 天照大神 (アマテラスオオミカミ)
・次女 月読尊(ツクヨミ)
・長男 須佐之男命(スサノオ)
『 ヤマタノオロチ退治の神話』で登場し、ヤマタノオロチの生贄にされそうになっていたところをスサノオにより救出されて妻となった。
『ヤマタノオロチ退治』でのクシナダヒメ
クシナダヒメはアシナヅチ・テナヅチの八人娘の末娘(すえむすめ)だったが、夫婦は毎年自分の娘をヤマタノオロチに生贄として喰われていた。
やがて七人の姉が犠牲となり、とうとう年端もいかないクシナダヒメも生贄となる時期を迎えたところ、「高天原(たかまがはら)」を追われて「出雲(いずも)の国」に降りたスサノオがやってくる。
※「高天原(たかまがはら)」は神々が住む天上界のこと。
※「出雲(いずも)の国」は現在の島根県にあった国。
そこでアシナヅチ・テナヅチ夫婦はヤマタノオロチによる毎年の生贄の事をスサノオに話すと、それを聞いたスサノオは「ヤマタノオロチ退治」を請け負う代わりにクシナダヒメを自分の妻にする事を要求した。
夫婦は突然現れた男に難色を示したが、スサノオがアマテラスの弟と名乗るとこれを了承し、クシナダヒメを献上する約束を果たす。
するとスサノオは差し出されたクシナダヒメをその場で「竹製の櫛(くし)」に変え、そのまま自分の髪に挿しこんだ。
(このことから櫛名田比売(クシナダヒメ)と呼ばれるようになる。)
そしてヤマタノオロチ退治の準備をスサノオの指示でアシナヅチとテナヅチが行い、ヤマタノオロチ退治に成功。
退治に成功したスサノオはクシナダヒメと共に住む場所を探し、「須賀(すが)の地」に宮殿を建てて幸せに暮らしたという。
※「須賀(すが)の地」は島根県にある「須我神社(すがじんじゃ)」周辺地域のこと。
宮殿は「須我神社(すがじんじゃ)」の場所にあったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生Ⅱ(1990年)』。
種族は”妖魔”だった。
それ以降は”女神”や”地母神”、”国津神”など様々。
主に回復スキルを持つことが多い。
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