オニ

「鬼(オニ)」は日本の様々な伝承や民話に登場する”妖怪”。
荒々しい気質を持ち、人里を襲っては暴虐をはたらくとされる。
その姿は通常の人間より大きく、
・頭に牛の角
・耳まで裂けた口
・長い爪と鋭い牙
・朱らんだ肌
を持ち、裸に「虎(とら)の皮の褌(ふんどし)」をしめた人型のような姿で描かれる。
しかも人間を素手で殺せる「怪力」に、手には「金棒」を握っているため普通の人間はまず敵わない。
「鬼に金棒」という”諺(ことわざ)”もこの鬼(オニ)から誕生した。
※「鬼に金棒」とは、もともと強いものがいっそう強くなることを意味する諺(ことわざ)。
好物は人肉とされ、人里を襲っては人を喰らうとされているほか、無類の酒好きでもある。
日本の代表的な”妖怪”であり、「酒呑童子(しゅてんどうじ)」や、地獄にいたとされる「赤鬼(あかおに)」・「青鬼(あおおに)」などが広く知られている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』。
種族は”邪鬼”だった。
『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』から種族が”妖鬼”となり、「赤鬼(あかおに)」姿で登場する。
現在の固定デザインは『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』から。
デザインを担当した「金子一馬(かねこかずま)」氏によると
「鬼とは時代ごとのパンクな人々ではないのか?」
との解釈でデザインされた。
基本的にどのシリーズでもCHAOS陣営の有象無象のザコ敵として登場し、仲魔になれば序盤で活躍してくれる。
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シキオウジ

「式王子(シキオウジ)」は「陰陽師(おんみょうじ)」が”調伏(ちょうふく)”や”呪い”を行う際に使役する鬼神。
「式神(しきがみ)」の一種でもある。
※「陰陽師(おんみょうじ)」とは「陰陽道(おんみょうどう)」に携わる者のこと。
平安時代では「呪術」や「占術」を操り、「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」の類も祓ったりしていたという。
※「調伏(ちょうふく)」とは、”悪の者”を”善の道”へ導き、従わせること。
具体的に言うと「悪いやつ」をやっつけたあとに説得し、善いやつにして仲間にするみたいな感じ。
その姿は変幻自在であり、主な憑代(よりしろ)としては”紙の人形”や”動物”が用いられ、呪う相手に送り付ける。
そこでシキオウジに触れた者は呪われてしまい、健康を害するという。
女神転生シリーズにおいて
おそらく『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』が初登場。
ペラペラしてる。
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ベルセルク

ベルセルクは『北欧神話』に登場する凶暴な戦士。
※「北欧」はヨーロッパ北部地方のこと。
・「 デンマーク」
・「スウェーデン」
・「ノルウェー」
・「フィンランド」
・「アイスランド」
の5か国をさすことが多い。

主神・オーディンの「神通力(じんつうりき)」をうけた忠実な配下であり、その姿は「熊の毛皮を身にまとった屈強な人間」。
ひとたび戦闘になると「熊(くま)」や「狼(おおかみ)」といった野獣になりきって、人間とは思えないほどの怪力で敵をなぎ倒す。
しかも痛みや疲れを感じることなく戦い続け、興奮で我を忘れて敵だけでなく味方にすら手をかけたという。
そして戦いが終わったあとは暫くのあいだ魂が抜けたような抜け殻になるとされた。
英語では“Berserker(バーサーカー)”と呼ばれ、日本語では「野蛮人」・「狂戦士」と訳されることが多い。
女神転生シリーズにおいて
メガテンでは逸話通り物理アタッカー。
有名漫画『ベルセルク』の元ネタでもある。
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モムノフ

モムノフは『日本神話』に登場する神・アラハバキの配下だったという武神。
仕えたといわれるアラハバキ自体が謎の多い神であり、モムノフの伝承についても謎しかない。
一説では童話『桃太郎』のモデルともいわれ、のちに武士を表す「武士(もののふ)」の語源となったともされる。
しかし『桃太郎』のモデルは皇族の一人である「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」とされていたり、「武士(もののふ)」の語源は古代氏族(こだいしぞく)である「物部氏(もののべうじ)」の子孫を武人の申し子としてモムノフと呼んだ説の方が有力とのこと。
※「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」は第7代天皇である「孝霊天皇(こうれいてんのう)」の息子。
皇族の将軍の1人でもあり、弓が得意。
2本の矢を重ねて放ち、同時に2つの桃を射抜いたことから「桃太郎」と呼ばれた。
また、家来と一緒に鬼を討ったとされる。
※「物部氏(もののべうじ)」は有力な一族。
元々は「鉄器」や「兵器」の製造・管理をしていたが、のちに軍事面で強大になっていった。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』ではレベルが上がるとアラハバキへと進化する。
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ハンニャ

「般若(ハンニャ)」は「嫉妬」と「恨み」を募らせた女性の怨霊(おんりょう)。
日本の代表的な古典芸能である「能(のう)」において登場し、「能(のう)」で使用される「額から二本の長い角が生えた恐ろしい女のお面」が有名である。

※「能(のう)」はお面を着用しておこなう仮面劇の一種。
もともとは「仏教用語」における「全ての物事や道理を見抜く深い智慧」のことを指し、長い間「仏教」の多くの宗派で唱えられてきたお経「般若心経(はんにゃしんきょう)」にも名前が登場している。
現在では「能(のう)」における「般若(ハンニャ)」のイメージから、「怒り狂った状態の女性」のことを指す方が多い。
※「仏教(ぶっきょう)」はインド発祥の宗教で、「世界三大宗教」の1つ。
信者数は世界人口の7%である5億2000万人以上と、世界で4番目に大きな宗教。
人口だけでみると「ヒンドゥー教」が世界で3番目に大きい宗教なのだが、「仏教」のほうが歴史が長いので「世界三大宗教」のひとつとなっている。
※「般若心経(はんにゃしんきょう)」は、長い間「仏教」の多くの宗派で唱えられてきたお経。
「仏教」における大切な教えが詰め込まれており、それらの深い智慧をわかりやすく説いたもの。
(「葬式」でよくお坊さんが唱えるやつ)
「能(のう)」において
「能(のう)」において女性の怨霊の状態は三段階あり、お面も三種類ある。
その中でも「般若(はんにゃ)」は二段階目の状態を指している。
一段階目は「生成(なまなり)」といい、「小さい角や牙が生えた凄まじい形相の女」ではあるが、完全に鬼に染まりきっていない状態。
二段階目が「般若(はんにゃ)」であり、「額から二本の長い角が生えた恐ろしい女」。
女性の「嫉妬」、「怨念」、「悲しみ」、「嘆き」などを一つの面の中に融合したもので、完全に鬼となった。
そして三段階目が「真蛇(しんじゃ)」と呼ばれ、「口が頬まで裂け、髪や耳も無くなり角がさらに鋭くなった蛇のような女」。
究極の怒りを表す状態で、とうとう蛇体(じゃたい)と化してしまったという。
「能(のう)」ではこれらのお面を使い分け、女性の怨霊が改心したり悟ったりする。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で初登場。
それ以降はみかけない。
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イッポンダタラ

イッポンダタラは日本に伝わる”妖怪”。
「一つ目」・「一本足」の姿の”妖怪”とされ、「和歌山県」の山中に棲むとされている。
全国各地に伝承が伝わっており、地域によっては伝承内容に大きな違いが見られる。
・12月20日のみ現れ、雪の日に宙返りしながら一本足の足跡を残す。
・雪の多い日のみ姿を現す。
・電柱のような姿。
・猪笹王(いのささおう)という”鬼神”を指す。
・『日本神話』に伝わる一つ目の鍛冶神・「天目一箇神(あめのまひとつのかみ)」の零落(れいらく※神ではなくなったこと)した姿。
・人に危害は加えない。
・人を襲うが、郵便屋だけは何故か襲わない。
といった様々な伝承がある。
ちなみに名前の「だたら」は、「鍛冶屋(かじや)」の”たたら”に通じているとされる。
※「鍛冶屋(かじや)」は金属を打ちきたえて、いろいろな器具をつくる仕事をする人のこと。
※「たたら」とは、金属を溶かす炉に空気を送り込むのに使われる鞴(ふいご)の別称。

当時の「鍛冶屋(かじや)」は長時間「溶解する鉄の輝き」を見続けるなどの劣悪環境によって片目(利き目)を失明し、鞴(ふいご)を踏み続ける重労働によって片脚が萎えることが多かった。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。
種族は”邪鬼”。
主に『デビルサマナー』シリーズに登場する悪魔で、同シリーズである「葛葉ライドウ」系ではストーリー本編やサブイベントなど何らかの形で活躍している。
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ヨモツイクサ

黄泉軍(ヨモツイクサ)は『日本神話』に登場する「黄泉の国」に棲む鬼。
「黄泉の国」の神々に仕える兵士でもある。
※「黄泉(よみ)の国」とは死者が住まう国のこと。
いわゆる「あの世」。
『日本神話』におけるヨモツイクサ
『日本神話』に登場する”国堅めの神”である「伊邪那岐(イザナギ)」の妻・「伊邪那美(イザナミ)」が亡くなった際、彼女を取り戻すためにイザナギは「黄泉(よみ)の国」に赴(おもむ)いた。
そこでイザナミから「地上に戻れるかどうか”黄泉の神”に相談してくるので後ろを振り返らずに待つように」と言われ、待たされることになる。
しかし待てど暮らせど一向に返事が来ないため、不安に駆られたイザナギは禁忌(きんき)を破って後ろを振り返ってしまい、”腐り果てた姿のイザナミ”を見てしまう。
しかもその姿を見るや恐れのあまり逃げ出してしまったので、イザナミは怒って「黄泉の軍勢」をイザナギに差し向けた。
その「黄泉の軍勢」の内のひとつがヨモツイクサである。
1500人もの軍勢でイザナギを追い詰めたが、「意富加牟豆美命(オオカムヅミ)」と呼ばれる桃を三つ投げられたことによって総崩れになり、逃げ出してしまったという。
※「意富加牟豆美命(オオカムヅミ)」は『日本神話』に登場する神聖な桃。
霊力が宿っており、邪気を払う力があるらしい。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。
円錐型の帽子で顔を覆った、骸骨のように痩せ細った兵士といったデザイン。
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ダイモーン

ダイモーンは悪魔の総称である「デーモン」の語源の由来となった存在。
もともとは「古代ギリシア(ギリシャ)」に登場する下級の超自然的存在(精霊)の総称で、良い霊は「カコダイモーン」、悪い霊は「アガトダイモーン」と呼ばれた。
このダイモーンが「キリスト教」に伝わると悪魔の総称である「デーモン」の語源の由来となり、主に名前すら与えられていない下級の悪魔のことを指すようになったという。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生V(2021年)』で初登場。
「ザ・普通の悪魔!」といった感じのデザインで、カオス勢力の末端悪魔として登場。
ロウ勢力のエンジェルとはよく戦っている。
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