ガルーダ
ガルーダは『インド神話』に登場する神鳥。
正式名称としてはガルダ。
ガルーダは「英語」や「インドネシア語」での呼び名。
別名としてはスパルナとも呼ばれる。
※ちなみに「インド」と「インドネシア」は違う国です。
※「インド」は人口約12億人(世界第2位)、国土面積は約329万km2。
公用語は「ヒンディー語」、「英語」など。
ガルダ(正式名称)呼び
※「インドネシア」は「インド」と隣接する国で、人口約2億5千万人(世界第4位)、国土面積は約192万km2。
公用語はインドネシア語。
ガルーダ呼び。
母は女神・ヴィナター。
ヴィナターには姉のカドルーがおり、カドルーはナーガ族の母。
その姿は炎の様に光り輝いた”半人半鳥(はんじんはんちょう)”であり、母親思いの勇猛な性格であったとされる。
ナーガ族の大敵であり、『インド神話』では神々の試練をことごとく打ち破った。
そのことから「ヒンドゥー教」の三大最高神であるヴィシュヌに実力を認められ、乗り物(ヴァーハナ)になる代わりにヴィシュヌによって不死性を与えられた。
生い立ち
はるか昔、カドルーとヴィナターという女神の姉妹がいた。
2人はそろって創造神・ブラフマーの子である聖仙(せいせん)・カシュヤパの妻となり、姉のカドルーは1000人の子供の卵(後のナーガ族)を産んだのに対し、妹であるヴィナターはたった2つだけだった。
だが、あらゆる面でカドルーの子供たちより優れた子供になるであろう卵をヴィナターは産んだと言い放つ。
それから500年経ち、カドルーの卵は全て孵化したのに対してヴィナターの卵は一向に孵らなかった為、恥ずかしさと痺れを切らしたヴィナターは卵の一つを割ってしまう。
するとまだ体が出来上がっていない暁の神・アルナが産まれた。
成長を止められたアルナは怒り、母に対して姉のカドルーの奴隷(どれい)になる呪いをかけ、「もうひとつの卵はもう500年待てば孵るであろう」と言葉を残して暁の空へと飛んでいってしまった。
ヴィナターはカドルーの奴隷となってしまったが、やがてアルナの言葉通り500年後にもうひとつの卵が孵化した。
これがガルーダである。
ヴィシュヌとの出会いと伝説
ガルーダは生まれるとすぐに成長し、母と共にカドルーや、カドルーの子供であるナーガたちに支配されることになる。
しかもカドルーは様々な難題を振りかけるので、嫌気がさして母に対してなぜこの様になったのかを尋ねた。
そこで呪いによって「奴隷」になった母の境遇を聞いたガルーダは、母を助けるためにナーガたちと交渉を開始。
飲めば不死身になるという「不死の甘露(アムリタ)」を交換条件に、母を開放する約束を取り付ける。
そして「アムリタ」を手に入れるために天上に向かうと、風神・ヴァーユといった強力な「天の神々」や「さまざまな罠」を次々と突破していき、やがてヴィシュヌと遭遇する。
ヴィシュヌはガルーダの事情と「天の神々」をも退ける実力を知ると、ガルーダに自身の乗騎(ヴァーハナ)になることを条件に、彼を不死身にして「アムリタ」も与えた。
だがそのことに納得しなかったインドラが最強の武器・ヴァジュラを使ってガルーダに突然襲いかかってきた。
ところが神々の中でも最高クラスの武力を持つインドラですらガルーダには全く歯が立たなかったのである。
そこでインドラはガルーダに「永遠の友情の誓い」を申し込むと、ナーガたちを食料にする代わりに「母の解放」を手伝う約束を交わす。
そして地上に戻ったガルーダは一旦約束通りに「アムリタ」をナーガたちに渡して母・ヴィナターが解放されるのを確認すると、インドラが「アムリタ」を取り返し、ナーガたちに「アムリタ」を与えることなく母の解放に成功したのだった。
そしてそれを見届けたガルーダは不死の力を授けてくれたヴィシュヌに忠誠を誓ったとされる。
ちなみにインドネシアでは「ガルーダ・インドネシア航空」という航空会社があり、現在でもガルーダは”天空の神鳥”として崇められている。
女神転生シリーズにおいて
メガテンシリーズでは速と魔ステータスが高いスピードアタッカーでよく回避してくれる偉大な鳥。
ガルーダの関連動画
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ヤタガラス
八咫烏(ヤタガラス)。
『日本神話』に伝わる霊鳥で、アマテラスが人間に遣わした3本の脚を持った聖なるカラス。
神武天皇(じんむてんのう ※初代天皇。伝説の人物とも言われる。)が進軍の途中で迷っていた際に、アマテラスの命によって派遣された。
そこで神武天皇(じんむてんのう)の進軍の先鋒を務め、正しい行く先を示して戦の勝利に導いたという。
高い神格を持っているため、資格のない者がヤタガラスを直視すると気がふれてしまうとされた。
女神転生シリーズにおいて
”霊鳥”の高位悪魔。
速と力が高く物理系のスキルを持つ先手必勝悪魔。
ただし耐久力は低い。
『葛葉ライドウシリーズ』に登場する「超國家機関ヤタガラス」のモチーフ。
ちなみに「超國家機関ヤタガラス」とは、「デビルサマナー」・「陰陽師(おんみょうじ)」・「巫蟲師(ふこし)」などといった異能者を統率し、日本という国家の防衛のため陰で動く秘密組織。
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ホウオウ
「鳳凰(ホウオウ)」は『中国神話』に登場する伝説の霊鳥。
鳥類の王者であり、「四霊(しれい)」の一体でもある。
※「四霊(しれい)」とは、「中国の伝承」に伝わる人間に幸福をもたらす四体の獣のこと。
「四霊(しれい)」一覧
・応龍(おうりゅう)
・麒麟 (きりん)
・鳳凰 (ほうおう)
・霊亀(れいき)
その姿は諸説あり、
・鶏(にわとり)
・蛇(へび)
・魚(さかな)
・燕(つばめ)
・鹿(しか)
・亀(かめ)
・鴛鴦(おしどり)
・孔雀(くじゃく)
といった動物たちの体の特徴を持った「五色(ごしき)の羽毛(黒・白・赤・青・黄)」を持つ鳥だという。
その時代の「天子(※中国の皇帝のこと)」が正しい政治を行ったときに姿を現わし、飛びたつと「地上界」は草木が揺れないほどに静まり返る。
そして何百種類もの「鳥類」が一斉にホウオウに付き従うとされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
だいぶ時を経て『ペルソナ4(2008年)』に再登場。
再登場からデザインはスザクの旧Verを引用している。
関連動画
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スザク
「朱雀(スザク)」。
中国古代から多くの神話などで語られている伝説上の生き物で、「四神(しじん)」の一柱。
※「四神(しじん)」とは『中国神話』において、天の四方の方角(東西南北)を司り、守護している4体の霊獣(れいじゅう)のこと。
スザクは「南」の方位を守護し、季節では「夏」を司っている。
「五行思想」においては「火」に対応し「赤色」と関係する。
※「五行思想」とは古代中国の「自然界」の「理(ことわり)」を解く思想。
万物は
・「木(もく)」
・「火(か)」
・「土(ど)」
・「金(こん)」
・「水(すい)」
の「五要素」で構成され、この5つの要素が循環することであらゆる「現象」が発生するとされる考え方。「四神」とかかわりが深い。
その姿は「ウズラ」に似た赤い巨大な鳥の姿をしており、五色(ごしょく)の美声でさえずるという。
相対する方角にはゲンブがおり、一説ではこれが「鶴亀(つるかめ)」の由来であるという。
※「鶴亀(つるかめ)」とは、鶴は”千年”、亀は”万年”の寿命を持つと言われ、長寿や繁栄を象徴する言葉。
女神転生シリーズにおいて
メガテン シリーズ においては炎属性のスキルを持つ”霊鳥”種族の中位悪魔。
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ジャターユ
ジャターユはインドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する巨大な鳥の王。
※『ラーマーヤナ』はラーマを主人公としたインドの物語。
「ヒンドゥー教」の聖典の一つ。
※「ヒンドゥー教」は、インド発祥の宗教。
信者数は全世界で約11億人以上とされ、人口だけでみれば世界で第3位の宗教。
「バラモン教」を吸収しつつ、紀元前300年ごろに成立したといわれている。
※「バラモン教」は「ヒンドゥー教」の前身となったインド発祥の宗教。
紀元前1300年に成立し、紀元前500年ごろまで発達した。
その姿は巨大な老ハゲタカで、年齢は六千年を超えるとされた。
『ラーマーヤナ』においてはガルーダの兄である暁の神・アルナが父とされるが、別の説ではガルーダの子供とされたり、ガルーダの化身とされることがある。
兄にはサムパーティがおり、彼も同じく巨大な老ハゲタカで鳥の王。
さらに透視の能力を持つ。
『ラーマーヤナ』での神話
1.太陽への兄弟の挑戦
若い頃のジャターユはインドラを征服するために兄・サムパーティとともに天に飛翔した。
しかし太陽に近づきすぎてしまい、その猛烈な熱によって力を失って地上に落下してしまう。
このときジャターユはサムパーティの両翼によって太陽の熱から庇われたが、その代わりにサムパーティは太陽の光に焼かれて翼を失ってしまった。
その後ジャターユは「ダンダカの森」に、サムパーティは「ヴィンディヤ山」で暮らすようになったという。
ラーヴァナとの戦い
「継母」によって城を追放された「コーサラ国」の王子・ラーマが、妃(嫁)・シータと弟・ラクシュマナと共に放浪の末に「ダンダカの森」にやってきたとき、ジャターユはラーマの友人となる。
そこで友人となったジャターユは、シータを守護することを約束した。
やがて魔王・ラーヴァナがラーマの留守の間にシータを略奪したとき、樹上で眠っていたジャターユはシータの叫び声で目を覚ましてラーヴァナに襲いかかった。
ラーヴァナは弓矢で応戦したが、ジャターユは降り注ぐ矢をはじき返し、ラーヴァナの「黄金の戦車」を破壊した。
ところがジャターユは老齢のためにすぐに疲れてしまい、それを見たラーヴァナは逃げようと飛び去ろうとした。
そこでジャターユはラーヴァナを追いかけてその背中に傷を負わせ、10の腕を食いちぎったが、ラーヴァナの腕はすぐに再生。
ラーヴァナの剣で翼を切り裂かれ、地上に落下して瀕死となってしまう。
帰ってきたラーマはジャターユがシータを食い殺したと疑い、瀕死のジャターユに対して弓矢を構える。
しかしジャターユがシータがさらわれたことを告げると、ラーマは弓矢を捨ててジャターユを抱き上げた。
そして略奪者であるラーヴァナの名前を告げることなくジャターユはラーマの腕の中で死に、火葬されて昇天したという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
シリーズではちょこちょこ登場しており、登場する際には低レベルの悪魔として登場する。
関連動画
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