メタトロン
メタトロンはユダヤ教に登場する天使。
天使の最上位、また神そのものと言われている存在で、「神の顔」・「契約の天使」・「天の書記」・「神の代理人」・「小YHWH」(YHWH はヘブライで神を表す)など、72の異名を持つ。
また、天国の歌を司るのが職務とされるサンダルフォンとは双子で、兄にあたる。
一説では最初の人間「アダム」から六代後の子孫に当たる「エノク」が昇天し、天使になった姿であるとされる。
その姿は、「神の所に頭が届く世界の高さに匹敵する背丈」、「72枚または36枚の翼」、「36万5千の目」を持ち、「四九の宝石がはめこまれた王冠と天上の光が埋め込まれたマント」を身に着けているという。
実力はミカエル、ガブリエルを凌ぐ力を持つとされ、二人が天から追いだせなかった魔術師をメタトロンが代わりに追放したり、メタトロンが両天使の上司に任命される逸話がある。
またモーゼがエジプトを脱出する際にメタトロンが導いたり、エジプト軍に追われている際に海を割ったりと、ユダヤ教ではもっとも重要な天使と位置づけられている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』
メガテンシリーズでは主にLAW勢力の大ボスとして君臨し、デザインも初登場から変わっていない。
デザインを担当した金子一馬氏によると
「メタトロンは自分の意思で現在の姿になったのではなく、神の命令を忠実に実行する機械的な作り出された存在をイメージした」
らしい。
機械仕掛けの天使として、目からビームを出したり、大量生産されたりと、見た目通りロボット的な扱いを受けている。
メタトロンの関連動画
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ミカエル
ミカエルは天使の頂点に立つ四大天使の長であり、天使軍団の最高指揮官。
ユダヤ教、キリスト教においてもっとも偉大な天使の一人。
その名は「神の如き者」という意味を持ち、また「神の御前のプリンス」「慈悲の天使」「正義の天使」「聖別の天使」など様々な称号も多く、歴史上、最も有名な天使である。
ミカエルは知略にも武勇にも優れており、悪魔たちとの戦いでは最前列で指揮を執り、神に反逆を企てたルシファーを倒して地底に閉じ込めたほどの実力を持つ。
また一説ではミカエルとルシファーは元々は双子であったそうで、ミカエルは弟になるという。
神の意思を遂行するミカエルの重要な任務の一つに、死者を冥界に導く役割があり、死者が天国に行けるか、地獄に落ちるか判決を下すのがミカエルとされている。
その他にも、ミカエルは様々な奇跡を起こしたと伝えられていて、人々の信仰を集めた結果として現在もヨーロッパを中心にミカエルを信奉する聖堂や教会が残っており、天使の中で最も信仰されている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ(1990年)』。
メガテンシリーズではLAW勢力の親玉として登場し、カオスルートの「ラスボス」を主に務める。
しかし『真・女神転生Ⅱ(1994年)』では暴走して唯一神YHVHに見放されたり、『真・女神転生Ⅳ(2013年)』では幽閉されていたりと、四大天使の長なのに無様な場面が多い。
さらに終盤にしか仲魔にできないのだが、ぱっとしないステータスであまり使用されないなど不遇の扱いを受けている。
ただし『真・女神転生Ⅳ(2013年)』では有料DLCでしか手に入らない上、「天使長の号令」という希少なスキルを持つ有能天使となっている。
ミカエルの関連動画
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ガブリエル
ガブリエルは「神のことばを伝える天使」という役割を持つ四大天使の一者。
名前にはヘブライ語で「神の人」という意味があり、柔和に描かれることが多いガブリエルだが、別名「神の左に座す者」とも呼ばれ、勇敢さと武力はミカエルに次ぐとされ実質的に天使のNo.2という位置にいる。
キリスト教においては、最後の審判のときにラッパを鳴らし、死者を甦らせる重要な役目を持つ天使。
また、聖母マリアに受胎告知をしたというその役割から女性的に描かれる。
(場合によっては完全に天女のような扱いを受ける場合も多い。)
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ(1990年)』。
メガテンシリーズではおなじみの四大天使で、LAW勢力の幹部として登場。
『真・女神転生(1992年)』では他の四大天使とともにカテドラルに出現。カオスルートではボスとして戦闘になり、ロウルートでは仲魔になる。
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』では他の四大天使とともに元老院としてTOKYOミレニアムを支配しているが, ミカエルら他の三者の行動に疑問を抱き、別行動をとっており四大天使の中で唯一生き残る。
また『真・女神転生Ⅳ(2013年)』では他の四大天使が幽閉される中、一人だけ逃れていたりと特別扱いされることが多い。
ガブリエルの関連動画
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ラファエル
ラファエルは、ユダヤ教に由来し、キリスト教へと引き継がれた天使。
四大天使の一人。(イスラム教ではイスラフィールがラファエルに対応する)。
ラファエルという名前はヘブライ語で「神は癒される」という意味であり、ユダヤ教では癒しを司る天使。キリスト教では守護天使を監督する天使とされている。
ラファエルは後にユダヤ教徒によって正典からはずされた『旧約聖書』の「トビト書」に、その名前が出ており、旅人の象徴である杖や水筒を持った人間の姿で現れ、トビトの息子トビアスの旅に同伴する。
失明したトビトの眼を癒し、さらにトビトの義理の娘サラを大悪魔アスモデウスから祓う話が 「トビト書」では 語られている。
また儀典とされる「エノク書」では、堕天したアザゼルを荒野の穴に閉じ込めておくよう神に命じられている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ(1990年)』。
おなじみの四大天使でLAW勢力の幹部として登場。四大天使のその他。
パッとしないほうで、ミカエル、ガブリエルと比べるとラファエルにささげられた教会や修道院ははるかに少ない。
管理人ですら、ツーブロック天使の画像をみても名前がででこないことがある。
ちなみに”youtuber”ではない。
ラファエルの関連動画
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ウリエル
ミカエル 、ガブリエル、ラファエルと共に「神の御前に立つ四人の天使」の一人。
ウリエルという名前は、「神の光」「神の炎」を意味し、懺悔の天使として現われる。神を冒瀆する者を永久の業火で焼き、不敬者を舌で吊り上げて火であぶり、地獄の罪人たちを散々苦しめるという。
キリスト教における「最後の審判」の時には、地獄の門のかんぬきを折り、地上に投げつけて黄泉の国の門を開き、すべての魂を審判の席に座らせる役割を担う。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ(1990年)』。
メガテンシリーズでは、おなじみの四大天使の一人。LAW勢力の幹部として登場する。
四大天使のその他 2で、火炎系のスキルを覚える。
ラファエルとよくつるむイケメン。
ウリエルの関連動画
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ハニエル
ハニエルは、『旧約聖書』・エノク書などに語られる「七大天使」の一人。
その名は「神の栄光」「神を見る者」を意味し、天使の中でも数多くの別名がある。
ちなみに「七大天使」とはユダヤ教およびキリスト教で認められている、最も有力な七体の大天使のこと。
七大天使の構成はミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルの四大天使(ウリエルについては異動もある)に三体の天使を加えたものが基本で、残りの三天使は教派や聖典ごとに異なる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
ロウルートを選ばないと出現し、戦闘になる。
以降のシリーズでもLAW勢力のボスとして登場する。
なんだかオカマっぽい・・・。
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カマエル
カマエルはユダヤ教・キリスト教の天使の一人。
“神を見る者”という意味の名をもち、「七大天使」に数えられることもある大天使である。
火星の象徴ともされ、火曜日の守護天使。
別名”チャミュエル“とも呼ばれる。
能天使(天使の階級で第6位の天使達の総称)の長であり、「破壊」・「懲罰」・「死の天使」達を率いる指揮官。
神の立てた正義を前提にして、神に敵対する者達を容赦なく攻撃する過激な側面を持つ。
反面、恐怖心や消極的な精神から人々を守る役割を担い、傷ついた味方の治癒のため、病魔ごと切り取ったとされることから”天界の外科医”とも呼ばれる。
旧約聖書の『出エジプト記』ではシナイ山に登ったモーセが神から律法を授かるときにカマエルは天空の門番をしていた。
モーセに忠告し、門番として行く手を阻んだが、モーセの偉大さを認めて門を開けたといわれる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』種族は”大天使”。
その後はしばらく出番がなく『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王』で再び登場。
最新作『真・女神転生Ⅴ(2021年)』でも登場し、”大天使”にしては珍しくデザインは基本的に変わらない。
カマエルの関連動画
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アブディエル
アブディエルはジョン・ミルトンの『失楽園』に登場する天使。名前には”神の奴隷”という意味を持つ。
元々はルシファー配下の天使であったが、「神への忠実な奉仕と忠誠行為は屈辱的である」と述べ、天界の三分の一の天使を引き連れて神に反逆しようとしたルシファーに対して、配下天使の中で唯一反逆に反対した。
そして「必ず神に敗北する」ことを宣言してから堂々とその場を立ち去り、神の下へ帰還したアブディエルはそのことを称賛されれ、ルシファーたちを討伐するように命じられる。
やがて天界を二分する大戦争が起きた時には、真っ先にルシファーを攻撃して後退させた上に膝をつかせた。
そしてその活躍に士気を上げた「天使軍」は「反逆軍」へと総攻撃を開始し、開戦の火蓋を切らせたことで有名。
また反逆の天使のなかでも強大なアリエル・アリオク・ラミエルたちを圧倒したりと勝利に大いに貢献した。
女神転生シリーズにおいて
『偽典・女神転生(1997年)』で、アブドゥエル名義で初登場。
『真・女神転生Ⅴ(2021年)』で現在のデザインとなり、メインストーリーに絡む重要な天使として登場。
常に厳格で自他に厳しく、秩序を乱すものは実力で排除し、神の決めた秩序の厳守を第一としている。
アブディエルの関連動画
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サンダルフォン
ユダヤ教の大天使の一人。メタトロンの双子の兄弟。
名前は「兄弟」を意味し、天国の歌を司るのが職務。胎児の性別を決める役目も担っているとされ、女性説も存在している。
カバラ主義において「暗い天使」とも呼ばれており、「明るい天使」と呼ばれるメタトロンとは、対を為した存在。
まれにメタトロンに代わって「七大天使」の一人として数えられる事もあり、メタトロンと共に人間の魂が危機に陥いった時、魂の背後に立つ天使。
また、全世界の島を監督する立場にあるともされている。
ちなみにサンダルフォンの体は天に到達するほど巨大で、人間がそのつま先から頭まで上るためには、500年はかかるほどの大きさと言われている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』
その後は、デビルサマナーシリーズやペルソナシリーズを中心に登場。
メガテンにおいては中級上位~高位悪魔といった扱いで、 メタトロンの双子の弟にしてはお粗末な感じ。
サンダルフォンの関連動画
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マンセマット
マンセマットはヘブライ伝承の天使で、『旧約偽典』・「ヨベル書」に登場する天使。
正式名称はマスティマ。
悪を告発する刑罰の執行者として、神のために働く必要悪の天使とされる。
人間を害したり、誘惑して信仰心と善性を試すことを神から許可されており、悪魔をも配下として従えている。
しかし悪魔を駆使して人間を堕落させ滅ぼしたり、カラスなどを用いて不作をもたらすなど、マンセマットは信仰を試すというより人間を苦しめることが多く「災いの天使」とされた。
他にも”すべての悪の父”であり、”神にへつらう者”だという記述があり、「敵意の天使」として扱われている異色の天使。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY(2009年)』 にて、主要キャラとして活躍。
最初は天使らしく物腰柔らかな対応だが、本性は人間を「操られるしかない泥人形」としか思っておらず、自らの利益の為に捨て駒として利用しようとする腹黒野郎の「ぺ天使」である。
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メルカバ―
メルカバーは「神の戦車」、「天の車」、あるいは「聖なる神の玉座」ともいわれる存在。
エキゼル書にはメルカバ―の容姿や挙動についてこう記載されている。
それぞれ四つの顔を持ち、一つは人間の顔、一つは獅子の顔(右側)、一つは牛の顔(左側)、一つは鷲の顔があり、それぞれ四つの翼を持ち、翼の下に人間の手が生え、四つの生き物の翼は互いに重なり合い、進むときは向きを変えず、それぞれまっすぐ進む。
足の裏は子牛のものに似て、青銅のように光り、生き物の傍らには車輪があり、緑柱石(※りょくちゅうせき エメラルドやアクアマリンのこと)のようで、四つとも同じ形で、車輪の中に車輪があるような外観をしており地に接している。
となんとも形容しがたい姿や動きをしているという。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅳ(2013年)』にてCHAOSルートのラスボスとして初登場。
最高位の大天使であり、「神の戦車」と名乗る存在。
悪魔王ルシファーに対抗するため、四大天使であるミカエル・ガブリエル・ラファエル・ウリエルがある人物と合体した姿。
“ケガレ”を排斥し神々が統治する完全なる秩序の世界を作るため行動していて、第二形態になるとこいつは本当に”天使”なのか?と疑問すら覚える異形の姿になる。
文献も少なく天使なのか戦車なのか謎が多い。
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セラフ
スラオシャ
スラオシャは「ゾロアスター教」において従順と規律の化身とされる中級神霊(天使)の一人であり、善なる神アフラ・マズダの耳として働く存在。
人間の声を聞いては、これを神アフラ・マズダに伝えており、その名は「耳を傾ける」という意味を持つ。
魂の守護者でもあり、「ゾロアスター教」では、死んだ人間の魂は死体の周りを3日間さまようものとされ、悪魔から魂を守護し、魂の裁判の場へと導くのもスラオシャの役目。
また、魂の裁判も司り、死者の魂が死後に必ず通るとされる「判決の橋」の三柱の裁定者の一柱でミスラ神、ラシュヌ神と共に冥界で魂の善悪を判断する天秤を使い魂の行先を決めるとされている。
その他にも悪を討つために太陽が沈んだ後に地上に降り立つといわれ、人々を守るために、憤怒と暴力の悪魔アエーシュマを相手に戦いを繰り広げるとされている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生 デビルサマナー(1995年)』。
大天使の中でも一人だけ異なるテイストのデザインで虫っぽい。
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ルシファフロスト
正しくは「ルシファーのつもりのジャックフロスト」であるこの悪魔は、ルシファーとの関係は実はあまりない。
フロスト一族の裏切り者であったあるジャックフロストが地獄の庭で氷漬けにされていたルシファーを見て、この存在こそ自分が求めていた「ゆきのだいまおう」と確信し、様々な方法を試みてルシファーの似姿を手に入れた。
後にルシファフロストは、ルシファーの配下になるべく再び地獄の庭に向かうが、そこにルシファーの姿はなかったという。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生 デビルチルドレン 光の書・闇の書(2002年)』において、隠しキャラとして初登場。
『真・女神転生 デビルチルドレン 光の書・闇の書(2002年)』でのルシファフロストは「フロスト族のピンチに魔界に舞い降りる伝説のフロスト その力はルシファーにまさるともおとらないらしい・・・」と解説される。
他にも、ニンテンドー3DS版『デビルサマナー ソウルハッカーズ(2012年)』では種族”大天使”として、『デビルサバイバー2 ブレイクレコード』では種族”魔王”で隠し悪魔や期間限定配信悪魔として登場している。
3DS版『デビルサマナー ソウルハッカーズ(2012年)』での加入台詞では
「ボクねぇ 大天使ルシファフロスト!おじさん よろしくね」
と無邪気な子供のような口ぶりだが、
『デビルサバイバー2 ブレイクレコード(2015年)』では
「フロスト族のカミサマの輝きにおののくがいいホー!」
となかなかのふてぶてしさを見せる。レアな悪魔のため強い。
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メルキセデク
メルキセデクは、キリスト教における「グノーシス主義(1世紀に生まれ、3世紀から4世紀にかけて地中海世界で勢力を持ったキリスト教内の一派)」で言及される平和と正義を司る天使。
女神ソフィアより生まれ、「天使たちの救世主」とされた。
偽典(旧約聖書の正典・外典に含まれないユダヤ教・キリスト教の文書)とされる「第二エノク書」の記述によれば、力天使(天使において第五位に数えられる)に属しており、平和の天使を総べる高位の天使とされている。
正典である『聖書』では司祭であり、正義の王とされる人間メルキセデクとして記されており、天使ではない。
キリスト教の中でも色々と派閥が分かれ、聖典を作るときに独自の天使を登場させて、『聖書』に登場するメルキセデクの名を借りたものだと思われる。
女神転生シリーズにおいて
メガテンでも高位の”大天使”として登場。
正統派シリーズよりも『ペルソナ』シリーズによく登場するイメージがある。
メルキセデクの関連動画
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