ルシファー
ルシファーは全ての”悪魔”の頂点に君臨する地獄の”魔王”であり、かつての光の”大天使”。
ルシフェル、ルキフェルとも呼ばれ、名前には「明けの明星」・「光をもたらす者」という意味をもつ。
※「明けの明星」とは、うっすらと空が夜明け前から白(かす)んでくる時間帯にひときわ明るく輝く「金星」のこと。
意味としては「光り輝くほど美しい」的な比喩として使われている。
「キリスト教」、特に「西方教会(せいほうきょうかい)」においては悪魔の長であるサタンの別名であるとされ、堕天前の呼び名が”ルシファー“、堕天後の呼び名が”サタン“とされ同じ悪魔とされることが多い。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
紀元前13世紀ごろに始まったとされ、信者数は推定1450万人~1740万人。
※西方教会(せいほうきょうかい)とは、キリスト教の派閥のこと。
最大派閥である「カトリック」や、「プロテスタント」のことを指す。
しかしこれは近年での扱いであり、「キリスト教」の正典である『聖書』にはそのことは記載されておらず、本来は別個の存在。
しかもサタンとは対立関係にある。
(メガテンシリーズでも別々の存在として扱われている。)
「堕天」する以前は「聡明」で「強大な力」をもった天使の最高位・”熾天使(してんし)”とされ、「6枚の翼」を持つ大変美しい姿をしていたという。
さらに”天使”の中でも唯一「神の右側」に座ることを許され、神に最も愛されていた。
堕天した理由
そんなルシファーが堕天した理由は
・最初の人類・アダムに嫉妬した。
・地上の人間を救済するため。
・人間に知恵を吹きこんだ代償
など諸説あるが、最も有名なのは「自らは神を越えられる」という「傲慢(ごうまん)」さから、「神への反乱」を起こしたというもの。
”天使”の三分の一を率いて、天界を二分するほどの大戦争を起こしたが、最終的に「神の軍勢」の前に敗れてしまう。
そして大天使・ミカエルによって「魔界」に堕とされ、神に復讐を誓う”大魔王”になったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』。
メガテンシリーズでは主に「CHAOS側」の親玉としての扱いを受けており、仲魔にすることができれば全悪魔の中でも最強クラスの力を持つ。
また、「唯一神(ゆいいつしん)」を倒すために戦力を増強したり、世界と引き換えに一人の悪魔を生み出したり、「子供」や「老人」、「イケメン」や「ブロンド美女」等に変化して「主人公」たちと戯れることが多い。
通称「閣下」。
管理人が最も愛する御方で、様々な「アニメ」、「漫画」、「ゲーム」にも出演されている超有名悪魔。
ちなみに海外ドラマ『LUCIFER』にも出演中。
高級ナイトクラブを経営したり、「ロス市警殺人課の女性刑事」とコンビを組んで「殺人事件」も解決する。
ルシファーの関連動画
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ベルゼブブ
ベルゼブブは名前に「蠅の王」という意味を持つ地獄の魔王。
堕天したルシファー(サタン)につぐ地位とされており、地獄のNO.2。
また、「キリスト教」・「ユダヤ教」・「イスラム教」など「一神教」を信じる者たちと敵対する「悪魔の代表格」とされている。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
紀元前13世紀ごろに始まったとされ、信者数は推定1450万人~1740万人。
※「イスラム教」は、「ユダヤ教」・「キリスト教」と同じルーツをもつ「世界三大宗教」の1 つ。
信者は全世界で16〜19億人いるとされ、全ての宗教の中でNo.2。
特に「キリスト教」では”神の敵対者”であるルシファー(サタン)の地位が「時代」や「文献」によって低いものであったりするのに対して、ベルゼブブは一貫して「悪魔の首領格」として扱われている。
そのことから「キリスト教」では、ルシファー(サタン)よりベルゼブブの方が邪悪な悪魔とされていて、実力もルシファー(サタン)をも凌ぐとされている。
さらに別名が多く
・「七つの大罪(暴食)を司るもの」
・「糞山の王」
・「悪魔の帝王」
・「地獄帝国の最高君主」
・「蠅騎士団の創設者」
とすごそうな名前が色々とつけられている。
※「七つの大罪」とは、人間を罪に導く可能性があるとされてきた「欲望」や「感情」のこと。
一覧
・「傲慢(ごうまん)」
・「虚飾(きょしょく)」
・「怠惰(たいだ)」
・「憤怒(ふんど)」
・「強欲(ごうよく)」
・「色欲(しきよく)」
・「暴食(ぼうしょく)」
能力
ベルゼブブは配下である「死の運び手」の蠅(はえ)を遣って「魂」を地獄に運ばせると、その「魂」を支配して人間に”悪魔”を信仰させることができる。
さらに蠅(はえ)だけではなく他の害虫を多く支配してベルゼブブの意のままに行動させることも可能で、作物を荒らす「ハエの害」から人間を救う力も持っている。
(これは前身である豊穣神・バアル(「豊穣(ほうじょう)」は作物の神様)の影響が強い。)
そのほかにも「性欲」を刺激して争いをそそのかしたり、「嫉妬心」を生み出させる能力を持つ。
ちなみに怒らせると炎を吐き、狼のように吼えるらしい。
地獄のNo.2
また、ベルゼブブはそのカリスマ性から「蝿騎士団(はえきしだん)」という騎士団を創設している。
そこにはアスタロトなどの多くの強力な”悪魔”の名士が参加しており、自身の実力だけではなく「権力」・「威厳」・「邪悪さ」と全ての”悪魔”の中で群を抜いているため、あの悪魔王ルシファー(サタン)ですらベルゼブブには一目も二目も置いている存在。
ベルゼブブが誕生した説
ちなみに本来ベルゼブブは悪魔ではなく、「カナン地方」の”主神”であり、”豊穣(ほうじょう)”の神・バアルのことだったらしい。
(諸説あり)
ある時代までは信仰が厚かった”豊穣(ほうじょう)”の神・バアルだが、時代が経ると「カナンの地」に入植してきたヘブライ人達がバアル信仰を嫌いだす。
※「カナン地方」は、地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯の古代の地名。
現在の「イスラエル」あたり。
別名:「乳と蜜の流れる場所」として有名。
しかも尊称(※尊敬を込めた別名のこと)であるバアル・ゼブル(ヘブライ語で「気高き主」という意味)を、語呂の似たバアル・ゼブブ(ヘブライ語で「蠅の王(糞山の王)」という意味)と蔑んで、 「気高き主」 から「蠅の王(糞山の王)」に貶めて”邪教神”として扱いだした。
やがてこの「蠅の王(糞山の王)」である”邪教神”が『聖書』において「悪霊の親玉」として書かれたことから、バアル・ゼブブ(のちに呼び方がベルゼブブとなった)という悪魔が誕生。
その後、名前のとおり「巨大な蝿の姿」の絵が記されることが多くなり、現在の「蠅の王」のイメージが定着。
バアルは忘れられ、悪魔であるバアル・ゼブブ(ベルゼブブ)が広まって有力な悪魔として広く知られるようになったという。
女神転生シリーズにおいて
原作小説である『デジタル・デビル・ストーリー(1986年)』から登場する最古参悪魔。
ゲームにおいても初代の作品である『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』から登場。
メガテンシリーズでは主に「CHAOS側」の大幹部として登場しており、BOSS戦の際にはこの「蠅さま」に苦しめられた方も多いという。
仲魔にすると、ステータス・スキル・耐性ともに全てにおいて優秀で頼りになる。
「閣下」と同じく色々な「アニメ」、「漫画」、「ゲーム」に出演されており、一般人でも知っている人も多い有名悪魔。
ベルゼブブの関連動画
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アスタロト
アスタロトは「ヨーロッパの伝承」に伝わる悪魔。
「悪魔の偽王国」という魔導書では「40の悪魔の軍団」を率いる強壮な「大公爵」として扱われ、「大奥義書」・「真正奥義書」という魔導書ではルシファー、ベルゼブブと並ぶ「地獄の支配者」の一人として扱われる”大物悪魔”。
あらゆる「学問」に精通し、「過去」と「未来」を見通す能力と、強大な力を持つ。
召喚すると「巨大なドラゴン」あるいは「大蛇」に乗った「貴公子」の姿で現れるが、口からは「毒の息」や「耐え難い悪臭」を吐き出すため間近に寄らせるのは大変危険。
そのため召喚者は必ず「魔除けの印」を持たねばならない。
しかし、召喚した者には「秘められた知識」を教えてくれるので知識を求めるものはこぞってアスタロトを求めたという。
その他にも悪魔としての属性は「怠惰」を好み、人間にもそれを吹き込む事で「堕落」へと誘い込むとされる。
また、「文献」によっては元々悪魔ではなく、古代バビロニアの”金星”の女神・イシュタルが堕天した存在とも言われている。
女神転生シリーズにおいて
『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』で種族”邪神”として初登場。
『真・女神転生(1992年)』でのアスタロトは「唯一神」によって貶められた姿であるとされ、真の姿である女神・イシュタルへと戻ろうとする描写がある。
そして続編の『真・女神転生Ⅱ(1994年)』では特定の条件を満たせばアスタロトからイシュタルとアシュターを分けるイベントがあり、真の姿であるイシュタルを取り戻すことに成功する。
最近のシリーズではこの設定はなく、ルシファー閣下の忠実な部下としての印象が強い。
アスタロトの関連動画
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アンリ・マンユ
アンリ・マンユは「ゾロアスター教」の悪神。
※「ゾロアスター教」は、紀元前6〜7世紀に古代ペルシア(現在のイラン北東部)で成立したとされる宗教。
信者数は15万人程度とされる。
正式名称はアンラ・マンユ。(アンリ・マンユは表記のゆれ)。
別名としてアーリマンがある。
「善悪二元論(ぜんあくにげんろん)」の「ゾロアスター教」において、”最高善(さいこうぜん)”とする善神アフラ・マズダーに対抗し”絶対悪(ぜったいあく)”として表される存在。
※「善悪二元論(ぜんあくにげんろん)」は、世の中の事象を”善”と”悪”の二つに分類する事で世界を解釈する認識法。
つまりグレーはなく、シロクロはっきりしたいぜ論。
実体はないが、この世に現れるときには「ヘビ」や「トカゲ」といった「爬虫類」の姿で出現するとされる。
アンリ・マンユの『神話』
もともとアンリ・マンユは”創造神”であり、世界の始まりの時に同じ”創造神”スプンタ・マンユと出会う。
そこでスプンタ・マンユが「善」を勧める事を選択した際、逆にアンリ・マンユは「悪」を勧めることを選択したとされる。
そして、それぞれの原理に基づいて「万物」を創造したという。
また、別の説では「ゾロアスター教」の善なる最高神・アフラ・マズダーが「光の世界」を創造すると、アンリ・マンユは対抗してあらゆる「16の災難」をこの世に創造したという。
「16の災難」一覧
・「害虫」
・「毒性生物」
・「猛獣」
・「冬」
・「嵐」
・「欲望」
・「憎悪の心」
・「病気」
・「悪」
など
さらにアフラ・マズダーが「創造した世界」や「被造物」のすべてを破壊すべく、悪竜・アジ・ダハーカを生み出した。
※アジ・ダハーカは3つの頭を持ち、翼を広げると天を隠すほどに巨大な邪竜。
その身体は不死であり、口から吐く「毒の煙」と「千種類もの魔法」を用いて多くの人々を苦しめた。
そしてこの時に一度アフラ・マズダーと戦うが、敗れて深淵(しんえん)に落とされることに。
しかし徐々に「勢力」を盛り返して再びアフラ・マズダーと「世界の終わり」まで戦いを繰り返すという。
力を失った現在では多数の悪魔を率いて彼らに「悪行」を広めるようにすすめたり、人間の心の隙に付け入っては”悪”を為すよう唆したりなど、この世を「悪と闇に染め上げよう」と画策している。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生if…(1994年)』にてアンリ・マンユとして初登場。
種族は”魔王”で、ラストダンジョンの一室に幽閉されている「強敵」として現れる。
以降のシリーズでは別名のアーリマンとして登場。
メガテンシリーズの派生作品『魔神転生Ⅱ(1995年)』では、「ニュートラルルート」のラスボス・アーリマンとして登場。
『真・女神転生Ⅲ(2003年)』では、感情否定のコトワリ「静寂(シジマ)」に呼応して降臨した「虚無の神」・アーリマンとして「ラストダンジョン」のボスとして登場する。
この世の全ての悪の根源という実に「中二病心」をくすぐられる悪魔である・・・。
アンリ・マンユの関連動画
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サタナエル
サタナエルは「ボゴミル派」における堕天前のサタンの名前。
※「ボゴミル派」は、10世紀半ばから14世紀末まで「ブルガリア」を中心に信仰された「キリスト教」系異端宗教
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
「ボゴミル派」の『創造神話(勝手に作りました)』によれば、神の二人の息子の内の長男はサタナエルであり、弟はミカエルとされ、ミカエルは地上に来てイエス・キリストになったという。
また、”サタナエルは背に「十二枚の翼」を持つ最も美しい”天使”にして「神の息子」であったが、傲慢さ故に神に反逆して敗北し、堕天した”といったルシファーと同じような伝説を持つ。
他にもサタナエルは神に対抗するべく「この世」と「人間の肉体」を造って最初の人間アダムを造り出したり(魂は神が創造したらしい。)、アザゼルら「グリゴリ」達が堕天したのはサタナエルに唆されたからなどと、「ボゴミル派」は説いている。
※「グリゴリ(見張る者達)」は、旧約聖書偽典『エノク書』に登場する堕天使の集団のこと。
本来人間が悪をなさないよう監視する役割を担っていたが、人間の女たちに魅了され、長の1人であったシェムハザの主導でその役目を放棄する。
そして地上に降りると、神の禁忌を数々破って”堕天使”となった。
ちなみにサタンの堕天前の名前をサタナエルとする記述は『聖書』にはなく、正統派の「キリスト教(「カトリック」や「プロテスタント」等)」の伝統では一切支持されておらず独自の説。
(非公式の二次作品扱い)
ルシファー(堕天前)=サタン(堕天)という解釈は、「カトリック」で認められている。(一部では公式みたいな扱い)
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』。
種族は”魔王”。
人類の魂を回収するため、古の昔から歴史に介入してきた機関「ファントムソサエティ」の幹部として登場。
主人公が属する「スプーキーズ」のリーダーである桜井雅宏(さくらいまさひろ)の肉体を乗っ取り、終盤のボス戦で戦うことになる。
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ルキフグス
正式名称はルキフゲ・ロフォカレ。
ルキフグスとは「ルキフゲ・ロフォカレ」の名を縮めたもので、ラテン語の「Lux(光)」および「Fugio(逃げる)」からなっており、「光を避ける者」を意味する。
悪魔に関することを記載したグリモワール(魔術書)「大奥義書」によれば
といった「地獄の3人の支配者」に仕える6柱の上級精霊の1柱であり、「首相(しゅしょう)」と、「宰相(さいしょう)」を勤める。
※「首相(しゅしょう)」は、”内閣を構成する閣僚(大臣)のうち首席の者”。
”民主主義の政治”におけるトップの役職で、日本でいえば「内閣総理大臣」。
※「宰相(さいしょう)」は”君主の命を受けて宮廷(きゅうてい)で国政(こくせい)を補佐する者”。
”君主制の国”において、「王」を除いた政治における最高位の役職で、王とともに国を作り上げていく存在。
(「魔界」にも色々な国があって、それぞれ務めているということなのかも。)
6柱の上級精霊一覧
・宰相 ルキフグス
・総司令官 サタナキア
・司令官 アガリアレプト
・中将 フルーレティ
・軍曹 サルガタナス
・元師 ネビロス
バエル・アガレス・マルバスを配下に持ち、ルシファー に命じられて世界中の「富」と「宝物」を管理しているという。
そのため、「富」と「財宝」を目当てに「魔術師」たちが召喚したがる悪魔といわれている。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』にて、種族”魔王”として初登場。
メガテンでも魔界の宰相を務め、CHAOS陣営の大幹部という立ち位置で登場。主に閣下の忠実な部下としての印象が強い。
名作と名高い『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』では隠しボスとして登場する。
「閣下」の補助としてよく頑張っている金庫番。
ルキフグスの関連動画
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マーラ
正式名称はマーラ・パーピーヤス。
『インド神話』の”死”を運ぶ悪魔で、多くの「悪霊」を従えて人々を堕落させる”煩悩(ぼんのう)”の権化。
別名「第六天魔王(だいろくてんまおう)」とも呼ばれ、”煩悩(ぼんのう)”を持つ存在の全ての頂点に立つ強大な神ともされている。
その姿は詳細に書かれてはいないが、この世にあらわれる時には巨象の悪魔・ギリメカラの背に乗っていることが多い。
『神話』では「恐怖」をかきたてる術を得意とし、苔提樹(ぼだいじゅ)の下で「悟り」を開こうとしていた「釈迦(しゃか)」を妨害したことで有名。
※「釈迦(しゃか)」は、「仏教(ぶっきょう)」の創設者。
本名はゴータマ・シッダールで、2500年前頃に生まれたとされている。(諸説あり)
また、ネパール西南部の”釈迦族(しゃかぞく)”の国の王子であったため、「釈迦(しゃか)」と呼ばれるようになったという。
ちなみに「仏陀(ぶっだ)」と呼ばれることもあるが、「仏陀(ぶっだ)」とは「仏教」で悟りを得ることを指すので、本来は個人を表すものではない。
※「仏教(ぶっきょう)」はインド発祥の宗教で、「世界三大宗教」の1つ。
信者数は世界人口の7%である5億2000万人以上と、世界で4番目に大きな宗教。
人口だけでみると「ヒンドゥー教」が世界で3番目に大きい宗教なのだが、「仏教」のほうが歴史が長いので「世界三大宗教」のひとつとなっている。
これは”煩悩”の化身であるマーラにとって、 「釈迦(しゃか)」が「悟り」を開く事は「自身の破滅」につながるためである。
(”煩悩”を打ち消す「知恵」を釈迦(しゃか)が世に広めれば、”煩悩”が減ってマーラの力が弱まるため。)
釈迦(しゃか)とマーラ
悟りはじめた「釈迦(しゃか)」に気付いたマーラは妨害の手始めに美しく「性技」に長けた三人の娘達を送り込むが、「釈迦(しゃか)」は「数々の誘惑」に屈することはなかった。
そして次に恐ろしい形相の「怪物」達に「釈迦(しゃか)」を襲わせて「恐怖」で屈服させようとするが、なぜか「釈迦(しゃか)」に近づくことはできなかった。
それでもマーラはなお「妨害」を続け、「岩石」やありとあらゆる「武器」を降らせたり、周囲を「暗闇」に覆ったりするが「釈迦(しゃか)」はそんな状況となっても動じずに失敗に終わる。
最後はマーラ自らが「巨大な円盤」を振りかざして向かっていくが、「円盤」はなぜか「花輪(はなわ)」となってしまったという。
(なんで?)
やがてマーラは「敗北」を認めて立ち去り、「釈迦(しゃか)」は「悟り」を開いたとされる。
余談
のちに「仏教」が日本に伝わると、マーラが「釈迦(しゃか)」の修行の邪魔をしたエピソードも伝わった。
すると修行者のあいだで”煩悩”の象徴とされる「男根」をマーラの存在に引っかけて「魔羅(まら)」と呼ぶようになった。
それが一般人にも広まり、現在でも「隠語」として使用されている。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生(1992年)』にて初登場。
シリーズでは高い力ステータスと物理スキル(しかも状態異常付き)で数々のプレイヤー達を苦しめ、仲魔にするとご立派な見た目通り頼もしい存在になる。
また、メガテンシリーズではそのそそり立つたくましいお姿から通称:「ご立派様」と崇められており、「メインストーリー」・「サブストーリー」どちらにもよく登場するATLUSお気に入りの卑猥悪魔の一体。
ちなみに似た悪魔にミシャグジさまという悪魔がいてよく並べられることが多い。
マーラの関連動画
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スルト
スルトは『北欧神話』の神々に敵対する”巨人族”の王。
※「北欧」はヨーロッパ北部地方のこと。
・「 デンマーク」
・「スウェーデン」
・「ノルウェー」
・「フィンランド」
・「アイスランド」
の5か国をさすことが多い
火の国・「ムスペルヘイム」を支配しており、名前には「黒」や「黒い者」を意味する。
最終戦争「ラグナロク」では、炎を全身にまといながら南から進軍し、豊穣神・フレイと激闘を繰り広げ彼を討ち果たした。
※「ラグナロク」は『北欧神話』における最終戦争のこと。
『北欧神話』の神々と”巨人族”たちが戦いを起こし、最終的に世界は滅亡し、多くの神々が亡くなったというもの。
「神々の黄昏」とも呼ばれる。
そして多くの”神々”や”巨人族”が倒れていくなか最後まで生き残り、炎の剣・「レーヴァテイン」を用いて地上の全てを焼き尽くしたという。
世界を焼き尽くした後の詳細な末路(まつろ)は明かされていないが、力尽きて死亡したとされる。
『北欧神話』世界の終焉を担った存在。
ちなみに「アイスランド」での「噴火」や「溶岩流」などを神格化したものがスルトの発祥だったのではという説もある。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
CHAOS陣営のボス魔王として登場。
シリーズでは高いステータスと強力な火炎属性スキル、さらに固有スキル「ラグナロク」が備わっていることが多い。
特に『真・女神転生Ⅲ(2003年)』での 「ラグナロク」 は作中最高クラスのダメージをたたきだすので、炎属性が弱点のBOSS戦には欠かせない仲魔。
さすが最終戦争を終わらせた御方である。
ネックは一貫して裸なので氷結弱点であること。(服着ろ。)
スルトの関連動画
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ロキ
ロキは『北欧神話』の悪神。
※「北欧」はヨーロッパ北部地方のこと。
・「 デンマーク」
・「スウェーデン」
・「ノルウェー」
・「フィンランド」
・「アイスランド」
の5か国をさすことが多い
非常に「美しい姿」と「悪知恵」の働く賢い知能を持ち、性格は「気まぐれ」で「悪戯好き」と、とんでもないことをやらかすことで有名な『北欧神話』のトリックスター的存在。
もともとは”巨人族”の父と母の間に生まれた”巨人族”だが、敵対する”アース神族”の一員となり神となった。
※「アース神族」はオーディンを長とする『北欧神話』の神々の系統。
”巨人族”の女性・アングルボザを妻とし、子供には
・大蛇 ヨルムンガルド
・大狼 フェンリル
・冥界の支配者 ヘル
・オーディンの愛馬 スレイプニル
など、数多くいる。
人を引き付ける「魅力」の持ち主であり、その魅力で主神・オーディンと「義兄弟」になる契約を交わしたり、「女性」に変身して「男性」と交わったり、「牝馬(ひんば ※メスの馬)」に化けて子供(スレイプニル)を産んだりするなど自由奔放な性格の持ち主。
また何かと問題を起こしては「神」や「人間」を困らせることが多いのだが、その反面で「神々」の危機を救うような活動をするなど、問題はあるものの有能な神として描かれている。
ちなみに雷神・トールとは最も仲がよいとされ、共に「巨人族の国」を冒険したりする間柄だったという。
そんな”アース神族の問題児”としてさまざまな活躍を見せるが、最終的に”神々”と”巨人族”の最終戦争・「ラグナロク」を引き起こしたものとして、その名には「閉ざす者」・「終わらせるもの」という意味がある。
※「ラグナロク」は『北欧神話』における最終戦争のこと。
『北欧神話』の神々と”巨人族”たちが戦いを起こし、最終的に世界は滅亡し、多くの神々が亡くなったというもの。
「神々の黄昏」とも呼ばれる。
バルドルの殺害と「ラグナロク」
ロキはオーディンの息子・バルドルが気に入らなかった為、バルドルの弟である”盲目の神”・ヘズを騙し、目の見えないヘズに弓を射させて兄を殺させた。
これを嘆いたバルドルの母である女神・フリッグに応え、”俊敏の神”・ヘルモーズが死の国「ヘルヘイム」へ向かう。
そこで”冥界の女王”・ヘルに彼を生き返らせてくれと頼むと彼女は
「本当に、全世界の者が彼のために泣いているというならば生き返らせてやろう」
と約束する。
そしてフリッグの頼みで、本当に「全世界のあらゆる生物・無生物」が彼のために泣いた。
ところがたった一人、女巨人・セックが泣かなかったのでバルドルは戻ってこなかった。
このセックの正体は実はロキで、このことを「宴の席」で「神々への侮辱」と共に明かしたことで怒りを買い、「罰」として巨大な岩に息子・ナリの腸(ちょう)で縛られて「地下世界」に幽閉される。
(この腸は、神々により息子・ナリから引きずり出されて「鉄」となった。)
「地下世界」は「蛇の毒液」が滴り落ちる場所であり、ロキの頭に「蛇の毒液」があたると苦痛のあまり大声で叫び、地上に「地震」を起こすほど身をよじる「激痛」であった。
やがてこの幽閉が解除されると、この恨みから”巨人族”を率いて”アース神族”を滅ぼすために出陣。
最終戦争「ラグナロク」を引き起こす。
しかし、その最後は宿敵ともいえる”光の神”・ヘイムダルと相打ちになり死んでしまう。
備考
かなり有名な神で、トールと共に「MARVEL作品」にも出演している人気者。
「MARVEL作品」では「角ヘルメット」に、「緑」を基調としたコスチュームを羽織ったロン毛男である。
女神転生シリーズにおいて
メガテンシリーズでは原作小説の『デジタル・デビル・ストーリー(1986年)』から登場している最古参常連悪魔の一体。
『真・女神転生Ⅲ(2003年)』ではギンザのバーで飲んだくれているNPCとして登場し、酔っ払いながら千円札がある部屋を高額で売りつけようとする。
ロキの関連動画
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ベルフェゴール
ベルフェゴールは「ユダヤ教」、「キリスト教」に伝わる代表的な悪魔。
地獄の「君主」階級にあたる大物悪魔であり、「七つの大罪」においては「怠惰(たいだ)」を司る悪魔。
人間の「発明」を手助けしては、便利な発明品で人間を堕落させるといわれている。
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
信者数は 1450万人~1740万人ほどいるとされ、紀元前13世紀ごろに始まったとされる。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
※「七つの大罪」とは、人間を罪に導く可能性があるとされてきた「欲望」や「感情」のこと。
一覧
・「傲慢(ごうまん)」
・「虚飾(きょしょく)」
・「怠惰(たいだ)」
・「憤怒(ふんど)」
・「強欲(ごうよく)」
・「色欲(しきよく)」
・「暴食(ぼうしょく)」
その姿は「牛の尾」に「ねじれた二本の角」、アゴには「ヒゲ」を蓄えた醜悪な容姿とされる。
また「洋式便所」に座った姿でも知られるが、これはフランスの文筆家である「コラン・ド・プランシー」の『地獄の辞典(1818年)』に収録された挿絵によるもので最近のイメージ。
ちなみに召喚されると男を魅了する「妖艶な美女」として現れ、「好色の罪」をもたらすとされる。
一説ではベルゼブブの配下で料理長の悪魔・ニスロクと同じ悪魔とされる場合もある。
幸福な結婚は存在しない?
中世ヨーロッパの伝説によれば、ある時魔界で
「幸福な結婚というものは果たして存在するのか?」
という議論が起こり、実際にそれを見てくるためにベルフェゴールは「人間界」へやってきた。
彼は様々な人間の「結婚生活」を観察したが、その結果「幸福な結婚」など無いと言う結論を出し、人間嫌いになったらしい。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』だが、現在の便座に腰を下ろした悪魔の姿になったのは『真・女神転生Ⅱ(1994年)』から。
高ランクの「邪神」か中ランクの「魔王」として登場している。
3Dモーションで攻撃するときは何故か気張っているように見える・・・。
ベルフェゴールの関連動画
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ベリアル
ベリアルは強大にして強力な悪魔の王。
悪魔に関する魔術書『ゴエティア』では、「ソロモン王72柱」の序列第68位に数えられる魔神の一柱であり、「地獄の80もの軍団」を指揮する強力な悪魔。
※「ソロモン王」は紀元前971年ごろ~紀元前931年ごろまでの約40年の間「イスラエル」を統治した魔術に長けた3代目の王。
ミカエルから「悪魔」や「天使」達を使役できる「ソロモンの指輪」を与えられ、それを使用して「悪魔」たちを働かせていたという。
同じく悪魔に関する魔術書『悪魔の偽王国』では、23番目に記載される”王”たる悪魔とされる。
その名は「無価値なもの」、「悪」を意味するとされており
・「偉大なる公爵」
・「虚偽(きょぎ)と詐欺(さぎ)の貴公子」
・「炎の王」
などの別名がある。
その姿は「火のチャリオット(※古代エジプト・ギリシア・ローマなどで用いられた二輪の馬車(戦車))」に乗った「美青年」、もしくは「二人の美しい天使」として現れるが、その外見とは裏腹に「悪事」を”美徳”と考え、「淫乱」で「正しきことに臆病」な邪悪で最も卑しい存在といわれる。
召喚することができれば「地位」や「敵味方からの助力」をもたらしたり、「優れた使い魔」を与えてくれる。
しかし「召喚者」が生贄を捧げないと、要求に対してベリアルは嘘ばかり言い、「真実」を答えようとしないという。
元々はルシファーに次いで創造された天使であり、天上にあってはミカエルよりも尊き位階にあったと自ら語るほど高位の天使であったとされた。
アザゼルの神話
神の命令で幾人かの天使達を率いて人間に「知識」を授けに地上に降り立ったが、「人間の女性」の「色香」に道をふみはずしてしまい「人間の女性」を「妊娠」させてしまう。
そして女性たちは”天使の子”でありながら”巨人族”のネビリム(もしくはネフィリム)を出産。
ネビリムは手あたり次第に同族であるネビリムを殺したり、「共食い」をしたりと、手の付けられない「化け物」へと成長。
その「罪」によりベリアルは天に戻れなくなり、そこから最初に”堕天”したのだとされている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ(1990年)』。
メガテンシリーズでは「トライデント」を持った赤い竜人のような姿をしており、主に「CHAOS陣営」の大幹部クラスとして登場。
『真・女神転生(1992年)』ではアリスに心を奪われており、”赤伯爵”と名乗っている。
また、”黒男爵”こと堕天使ネビロスと共にICBMで壊滅した六本木を支配し、アリスを守るための結界を張っている。
通称「赤おじさん」。
ベリアルの関連動画
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アザゼル
アザゼル(あるいはアザエル、アシル、アゼル等)は様々な『神話』に登場する”魔神”、もしくは”荒野の悪霊”、”堕天使”とも言われる存在。
名前は「神の如き強者」と言う意味のヘブライ語に由来する。
『旧約聖書』・【レビ記】では「贖罪日(しょくざいび)の儀式」の方法にアザゼルが登場する。
※【レビ記】は『旧約聖書中』の一書。
※『旧約聖書中』は「キリスト教」・「ユダヤ教」の正典(信者が従うべき文章のこと)。
内容は「律法(神の定めたルールや命令)」の種類の細則が大部分を占めている。
「贖罪日(しょくざいび)の儀式」
「贖罪日(しょくざいび)の儀式」とは、まず「贖罪」のささげものとして雄山羊(オスヤギ)を二頭用意し、一頭は「神」に、もう一頭は「荒地(あれち ※アザゼル)」に捧げられる。
「神」に捧げられた「ヤギ」は生贄(いけにえ)として血が捧げられるが、一方の「荒地 (あれち ※アザゼル) 」に捧げられた「ヤギ」は「司祭」が”自らの罪”、”民衆の罪”を告白し、その全ての罪を「ヤギ」に背負わせた後、生かしたまま「荒地(あれち)」に放逐(ほうちく)するという儀式。
これは「贖罪の山羊(通称:スケープ・ゴート)」と呼ばれる行為で、「人間の罪」を「ヤギ」になすりつけて神に許してもらうという行為。
近代の日本でも身代わりに「他人の罪」を負わされる者、「不安」や「憎悪」のはけ口として「迫害」の標的にされる者が「スケープゴート」と呼ばれているのはこの「風習」に由来する。
”堕天使”としてのアザゼル
『旧約聖書』では”堕天使”として登場。
(この逸話からシェムハザと同一視される。)
「七つの蛇の頭と十四の顔、六枚の翼」を持つグリゴリ(※天使による人間界監視団)の「総司令」を務める”高位の天使”であり、「200人の天使」の”統率者”だったという。
しかし「人間」の監視を使命としておきながらこの”天使達全員”が「人間の娘」の美しさに魅惑され、妻として娶(めと)る。
その際に人間に禁じられた知識
・「剣」、「盾」、「胸当て」など武器の作り方
・「腕輪」、「眉毛」の手入れの仕方
・「呪術」
・「薬草学」
・「占星術」
などを「地上の人間」たちに教えたが、それによって男は武器で争うことを、女は化粧で男に媚を売ることを覚え、地上には「※不敬虔(ふけいけん))」や「※姦淫(かんいん)」など様々な「悪行」がはびこることになったという。
※「不敬虔(ふけいけん)」は神を敬う気持ちが欠けること
※「姦淫(かんいん)」は男女間の、倫理にそむいた肉体関係。
更には”天使”と”人間の女”の間に生まれたのは粗暴な”巨人”達(ネフィリム)であり、地上の「作物」はおろか、「鳥」や「獣」、「人間」を食い尽くし、最後には「巨人」同士での「共食い」まで始めるなど「数々の破壊」を為して「地上」を荒らしたとされている。
これらの「神への背信行為」により、神はラファエルにアザゼルを縛って「荒野の穴」に放り込んで石を置くよう命じさせ、封じ込まれたという。
そして「神の審判」が下ると「天界」を追放されて悪魔となり、神に復讐を誓う「魔王」となったという。
女神転生シリーズにおいて
メガテンではシリーズの中では異彩を放つ作品『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』にて初登場。
太古より人間の進化や文明を管理し、裏の世界を支配してきた組織”ファントムソサエティ”の大幹部として登場。
表向きは「日本政府」の「次官(じかん)」という高い立場で、「天海市(あまみし)」の都市開発責任者である「西(にし)」という名前の人間として「天海市」をアルゴン社の社長・「門倉(かどくら)」と共に運営している。
『真・女神転生Ⅳ(2013年)』では種族”魔王”のチャレンジクエストのボスとして登場。
色々な「ゲーム」・「漫画」などに登場している有名な悪魔で、漫画『よんでますよ、アザゼルさん。(2007年~2019年)』では(一応)主人公。
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シェムハザ
シェムハザは『旧約聖書偽典』・「エノク書」などに登場する”堕天使”であり、”魔王”。
※【エノク書】は、「天界」や「地獄」、「最後の審判」、「ノアの大洪水」についての予言などが語られている「ユダヤ教」・「キリスト教」の書。
初期の「ユダヤ教」や、「キリスト教」の一宗派である「エチオピア正教」では聖書として扱われていた。
ただし、著者や内容が不確かなものとされ、偽典(ぎてん ※異端の書物で、正式なものではない)扱いとなり、現在では「エチオピア正教」のみで認められている。
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
信者数は 1450万人~1740万人ほどいるとされ、紀元前13世紀ごろに始まったとされる。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
アザゼルの別名とも、その「部下」とも言われる。
元々は「人間」や「世界」を”監視”、”教育”するよう「神」より命ぜらた見張りの天使たち、通称「グリゴリ」と称される”200人の天使の統率者”で、高位の天使であった。
しかし「グリゴリ」達は、人間の美しさに魅せられて欲情し、シェムハザを筆頭に人間の娘を妻とすべく地上へ降りて禁を犯す。
やがてそのことが「神」に知られ、シェムハザは地上に落とされたことにより”堕天使”となったという。
(共に地上へ降りた 「グリゴリ」達も断罪され、”堕天使”となった。)
その後「人間界」へ下ったシェムハザは人間に様々な「知識」や「魔術」を与えたとされる。
そのため全ての「魔法使い」の育ての親とされ、「魔術」を究めんとする者達の信奉を集めている。
女神転生シリーズにおいて
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』に、種族”魔王”のボスとして初登場。
『真・女神転生Ⅳ FINAL(2016年)』でも閣下配下の悪魔勢力のボス悪魔として登場する。
登場数は少ないが、基本的に終盤のボスとして登場する高位悪魔。
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アリオク
アリオクはヨーロッパの「悪魔学」、ミルトンの『失楽園』に出てくる”堕天使”。
”復讐の魔神”でもあり、名はヘブライ語で「獰猛な獅子(どうもう な しし)」を意味する。
ルシファーとともに「神」を裏切り、ルシファーが率いる軍団が「神」に仕掛けたときはルシファーに従って攻撃に参加した。
しかし「神の軍勢」であるアブディエル(アブデル)という天使に打ち負かされてしまい、戦争も敗北。
ルシファーやそのほかの天使と共にアリオクは地上に落とされ、”堕天使”となる。
地上に落とされると
・「黒いコウモリの翼」
・右手には「斧」
・左手には「燃え盛る松明(たいまつ)」
を持った姿となり、「偉大なる復讐の悪魔」と呼ばれるようになる。
自分を雇った者の”個人的復讐”にのみ手を貸し、「逃げる者」をどこまでも容赦なく追いかけて殺害するとされた。
元々は『旧約聖書』の【創世記】などに記された人名であったが、後に悪魔として言及されるようになったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』。種族は“邪神”。
『真・女神転生(1992年)』からはCHAOS陣営のBOSSで、種族“魔王”として登場。
その見た目からマーラ様、ミジャクジ様、アリオクと、3体合わせて”メガテン卑猥悪魔”として忘れられないインパクトを残す。
また仲魔にするとなぜか氷結属性スキルを必ず所持している。
女性のアレにしか見えん・・・。
アリオクの関連動画
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バエル
バエルは「魔術書」や「悪魔学」において登場する”魔王”。
バールとも呼ばれ、バアルやベルゼブブと同一視されることが多い。
悪魔に関する魔術書『ゴエティア』によると、バエルは序列第一位に数えられる「ソロモン王72柱」の魔神。
「地獄の東方」を支配し、「66ある軍団」を率いる大いなる悪魔王とされた。
※「ソロモン王」は紀元前971年ごろ~紀元前931年ごろまでの約40年の間「イスラエル」を統治した魔術に長けた3代目の王。
ミカエルから「悪魔」や「天使」達を使役できる「ソロモンの指輪」を与えられ、それを使用して「悪魔」たちを働かせていたという。
また魔術書『大奥義書』では、6人の上級精霊に仕える18人の下位精霊に名を挙げられており、ルキフグスの支配下にあるとされた。
召喚者に呼び出される際にはさまざまな姿で現れ、
・ヒキガエル
・猫
・王冠を被った人間
・これら全てを併せ持った姿に「クモ」の胴体を持った姿
といった形で現れる。
あらゆる「知識」を司り、全ての「性的欲求」を満たしてくれたり、人を「透明」・「不可視」にしたり、しわがれた声で「知恵」を与えたりする力を持つほか戦闘にも長けており、”魔王”の中でも戦いに「強い」とされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』。
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アバドン
アバドンは『新約聖書』・「ヨハネの黙示録」に記されている「疫病(えきびょう)」や「害虫の大群」を率いる魔王。
「ヨハネの黙示録」においては「七つの封印」を解く天使のラッパの5番目の音色と共に、「馬に似て金の冠をかぶり、翼(つばさ)と蠍(さそり)の尾を持つ」姿で「蝗(イナゴ)の群れ」を率いて現れるという。
※「ヨハネの黙示録(もくしろく)」とは「予言書」のことで、未来には苦しい「終末の世」がおこるが、最終的に「キリスト教徒」が”勝つ”みたいな内容。
以下が予言されたもの。
・かつてない苦難の時代(終末の世)が訪れる。
・神に敵対するサタン(悪魔)たちが滅ぼされる
・キリストが再び地上に再臨。
・「最後の審判」で人が「天国」と「地獄」に分けられる
・キリストが王となり1000年間地上を支配する(千年王国)
・新しい天と地(新天新地)の出現
「ハルマゲドン」・「メギドの丘」などともいわれ、当時迫害にあっていた「キリスト教徒」を励ますために書かれたとされる。
「イナゴの群れ」を地上に放ち、額に「神の烙印」を押されていない人々(異教徒)にだけ「疫病」をばらまいて、「死」さえ許されない「5ヶ月間の苦しみ」を与えるとされる。
その名前には「破壊」・「滅亡」・「深淵」という意味があり、「奈落」自体をアバドンと呼ぶこともある。
またなぜかルシファーと同一視されることもある。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
この時の種族は”堕天使”であったが、以後のシリーズでは”魔王”に属していることが多い。
メガテンシリーズでは悪魔としての存在だけではなくダンジョンや「大アバドン」という概念としてもなっており、『デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王(2008年)』では作品名になるまで出世している。
何故かたまに可愛く見える時がある。
アバドンの解説動画
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アスモデウス
アスモデウスは『旧約聖書』偽典・「トビト記」等に登場する「ユダヤ教」と「キリスト教」の有名な悪魔。
「ゾロアスター教」の”最悪神”・アーリマンの手下であるアエーシャマ・デーヴァという悪魔とは同一視されることが多い。
(アエーシャマ・デーヴァと、アスモデウスは似たような特徴を持つ)
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
信者数は 1450万人~1740万人ほどいるとされ、紀元前13世紀ごろに始まったとされる。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
※「ゾロアスター教」は、紀元前6〜7世紀に古代ペルシア(現在のイラン北東部)で成立したとされる宗教。
信者数は15万人程度とされる。
悪魔になる前は”熾天使 (天使の階級の第一位)” もしくは”智天使(天使の階級の第二位)”という高い階級にあったとされた。
さらに中世の「悪魔学」である魔導書『ゴエティア』においては「ソロモン王」に封印された72柱の序列32位の悪魔の一柱であり、人間を罪に導く可能性があると見なされてきた「七つの大罪」の”色欲”に結びつけられている。
※「ソロモン王」は紀元前971年ごろ~紀元前931年ごろまでの約40年の間「イスラエル」を統治した魔術に長けた3代目の王。
ミカエルから「悪魔」や「天使」達を使役できる「ソロモンの指輪」を与えられ、それを使用して「悪魔」たちを働かせていたという。
※「七つの大罪」とは、人間を罪に導く可能性があるとされてきた「欲望」や「感情」のこと。
一覧
・「傲慢(ごうまん)」
・「虚飾(きょしょく)」
・「怠惰(たいだ)」
・「憤怒(ふんど)」
・「強欲(ごうよく)」
・「色欲(しきよく)」
・「暴食(ぼうしょく)」
名前には「凶暴」という意味を持ち、その姿は
・頭は「牛」と「人間」と「羊」
・足は「ガチョウ」
・手には「軍旗(ぐんき)」と「槍」、もしくは「血に濡れた棍棒」
・翼は「醜悪」
・尾は「毒蛇」
といった様子で現れる。
出現すると「地獄の竜」に跨って口から火を吹いたり、「血に濡れた棍棒」や「槍」を振り回して「破壊」と「暴力」を振りまくとされる。
また人間の「嫉妬」を操って「夫婦の仲」を「疎遠」にしたり、夫が「不貞」を働くようにしむけるといわれている。
ただし姿を見ても恐れずに敬意を払って応対すれば非常に喜ぶ。
「指輪」や「ガチョウの肉」をくれたり、「算術(さんじゅつ)」、「天文学(てんもんがく)」、「幾何学(きかがく)」などの「秘術」を教えてくれたりと、非常に深い「知識」も持つとされた。
「トビト記」において
「トビト記」においては、サラと云う娘に取り憑いた「悪霊」として登場。
サラを気に入っており、サラの「新婚初夜」が来るたびに彼女自身の手で「夫」を七人も絞め殺させた。
やがてそれをみかねた「神」は、アスモデウスを退散させる為に大天使ラファエルを遣わす。
そこでラファエルが大魚の胆汁(たんじゅう ※心臓と肝臓とも)を燻(いぶ)した煙でサラの体から追い払うと、ラファエルに捕らえられた。
そしてラファエルの手によって「エジプト」の辺境に幽閉されたという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』。
他にもいくつかの作品に登場しているが、印象は薄い。
”魔王”ではあるもののランクは低い方で中ボス扱いである。
しかし『真・女神転生Ⅳ(2013年)』や『ペルソナ5(2016年)』等の最近のシリーズでは、デザインも一新されて”七つの大罪”に相応しい強さを手に入れている。
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アモン
アモンは「ヨーロッパの伝承」あるいは「悪魔学」に登場する悪魔の1体。
悪魔に関する魔術書『ゴエティア』によれば、序列第7位に数えられる「ソロモン王72柱」の魔神の一柱であり、「40の軍団」を率いる地獄の大いなる「侯爵」。
※「ソロモン王」は紀元前971年ごろ~紀元前931年ごろまでの約40年の間「イスラエル」を統治した魔術に長けた3代目の王。
ミカエルから「悪魔」や「天使」達を使役できる「ソロモンの指輪」を与えられ、それを使用して「悪魔」たちを働かせていたという。
※「爵位(しゃくい)」一覧(偉い順)
「爵位(しゃくい)」は貴族の称号。
・公爵(こうしゃく) 一番偉い
・侯爵(こうしゃく) 二番目 ←ココ
・伯爵(はくしゃく) 三番目
・子爵(ししゃく) 四番目
・男爵(だんしゃく) 五番目
『悪魔の偽王国』という魔導書では「悪魔の君主」の中で最も強靭であるとされ、口元から炎を吐き出す”「ヘビの尾」を持つ「オオカミ」のような姿だという。
※姿は諸説あり、”「フクロウの頭」と「オオカミの胴体」に「ヘビの尾」を持つ姿”だったりする。
召喚すると「過去」と「未来」の知識を授けてくれたり、望めば「人間の関係」を仲違いさせたり、逆に和解させることもできる力を持つ。
また召喚者が「人間の姿」を取ることを命じると犬の牙を覗かせた「ワタリガラス」か、「ゴイサギ(ずんぐりしたシルエットの首や足が長い鳥)」の頭を持つ男性の姿をとるという。
出典不明の俗説
アモンは”悪魔”の中でも珍しく「義侠心(ぎきょうしん)」があるといわれており、友人であるルシファー(サタン)が神に反旗を翻した時にはアモンが「義勇軍」を引き連れ駆けつけたとされるエピソードがある。
しかしこれは主に「日本」で語られていた「出典」不明のもので、正式なものではない。
備考
『デビルマン』の主人公・不動明と合体したデーモンだったり、『龍が如く』の裏ボス・亜門の名前の由来だったりしてけっこう有名。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生II(1990年)』。
種族は”鬼神”。
狼の姿という解釈でフェンリルの色違いとして登場。
『真・女神転生if…(1994年)』では宮本明をパートナーとして進める「アキラルート」で重要な悪魔として登場。
『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY(2017年)』では土居政之(どいまさゆき)氏による新規デザインで登場した。
アモンの関連動画
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メフィスト
正式名称はメフィストフェレス。
16世紀ドイツの『ファウスト伝説』や、「キリスト教」の民間伝承に登場する悪魔で、メフィストは略称。
その名は”光を愛さない者”を意味する。
性格は「冷淡な皮肉屋」かつ「辛辣な道化」のような悪魔だが、「地獄の大公」の一人であり、時にサタンの代役を務める程の”高位の地位”にある。
その力は”世界中をどこにでも一瞬にして行く”ことができたり、相手の”五感全てを掌握して支配すること”ができる「幻術」を持つ。
また「天文学」や「占星術」、「気象学」に関する知識が豊富で、望めば答えてくれるという。
『ファウスト伝説』
メフィストは
・「魔術師」
・「錬金術」
・「占星術師」
といった様々な肩書きを持つ「16世紀ドイツ」に実在した人物・「ヨハン・ファウスト」に関することを書いた『ファウスト伝説』により人々に知られるようになった。
『ファウスト伝説』によれば「学者」としてかなり成功したファウストだったが、自分の人生に満足せず落胆していた。
そこで「更なる知識」や「この世のあらゆる喜び」といった「底なしの欲望」を満たすために「自身の魂」を代償にメフィストを召喚する。
そしてメフィストが召喚されるとファウストの望みを叶える代わりに「魂」をもらう「契約」をかわし、彼に様々な力を貸すことになる。
メフィストの力で望みは叶ったが、契約の期限が切れて最終的にファウストは永遠の「地獄」に落ちてしまった。
というもの。
「文芸作品」としての『ファウスト』
やがて時代が流れると、この物語が語り継がれて「戯曲(ぎきょく ※演劇用の脚本)」や「詩(うた)」、「オペラ」など多くの「文芸作品」に登場することになる。
その中でも特に有名なのが、ドイツの文人「ゲーテ」の代表作とされる長編の戯曲『ファウスト』。
(【第一部】は1808年、【第二部】はゲーテの死の翌年1833年に発表された。)
戯曲『ファウスト』では「神」とメフィストとファウストの運命の行く末を描いたもので、結末が原作とは違う。
ファウストのあらゆる願いをメフィストが叶えた後、「契約」通りに「魂」を奪おうとしたところで「神」に邪魔され、ファウストはそのまま「昇天」して「救済」されるという物語となっている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』。
種族は”夜魔”。
仲魔にできない悪魔として登場。
『真・女神転生(1992年)』より種族が”魔王”となる。
近年の作品ではDLC悪魔として登場することが多い。
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シュウ
蚩尤(しゆう)は『中国神話』に登場する魔王。
四つの目がある「牛の頭」と、六つの腕をもつ「人の身体」に「鳥の蹄(ひずめ)」を持つ姿で描かれる牛神。
「武器」の発明者でもあり、「連戦連勝」を誇る軍勢を率いた「戦の魔王」としての側面を持つ。
『山海経(せんがいきょう)』という書物によると、シュウは”風”の神や”雨”の神を従えて冀州(きしゅう)の野でコウテイと戦ったが、コウテイが下した”日照り”の神によって撃ち破られたという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。
種族は”魔王”。
続編『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』では、チートサマナー・ナオミの使う召喚術「戦の魔王」のエフェクトで登場した。
その後は『ペルソナ』シリーズにも登場するが、パッとしない。
しかし最新作である『真・女神転生Ⅴ(2021年)』で再登場した。
シュウの関連動画
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ヘカーテ
ヘカーテはヘカテーとも呼ばれる『ギリシア(ギリシャ)神話』の女神。
・「月」
・「魔術」
・「出産」
・「豊穣」
・「罪の浄化」
・「贖罪(しょくざい)」
を司り、死者を導く「冥府神」の一柱ともされる。
その姿は
・「処女」
・「婦人」
・「老婆」
という「3つの女性の顔」と「3つの体」があり、手には「松明(たいまつ)」を持って「地獄の犬」を連れた姿で表される。
ちなみに顔は「過去」・「現在」・「未来」という「時の三相」を表しているとされた。
「オリュンポス十二神」ではないが、実力のある女神として描写されており、ハデス、ペルセポネに次ぐ地位にある「冥府神(めいふしん)」。
そのためゼウスから「海」・「地上」・「天界」を自由に活動できる権能(けんのう)を与えられている。
(神々にも司るものによって縄張り的なものがあるのだが、ヘカーテはオールオッケーみたいな感じ。)
しかもハデスがペルセポネーを誘拐した時には、ペルセポネーの母であるデメテルにハデスが娘を連れ去ったことを伝えていたり、大戦「ギガントマキア」では他の神々が倒せない巨人・クリュティオスを松明(たいまつ)で殴り倒していたりと、『ギリシア(ギリシャ)神話』の登場回数は多い。
中世においては「魔術の女神」として「魔女」と関連付けられ、「女魔術師の保護者」と呼ばれた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』。
ボスとして登場し、種族は“魔王”。
緑の長い髪の魔女のようなデザインだった。
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』から現在のようなに犬・馬・獅子の頭部を備えるムチを持ったボンデージファッションの女性のイラストとなる。
これは「金子一馬」氏のデザイン。
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ミトラス
ミトラスは紀元1世紀~4世紀の「西アジア」や、「ローマ世界」を中心に信仰された「法」と「契約」を司る太陽神。
『インド神話』ではミトラ、ペルシャの「ゾロアスター教」の聖典『アヴェスター』ではミスラと呼ばれた。
※「ゾロアスター教」は、紀元前6〜7世紀に古代ペルシア(現在のイラン北東部)で成立したとされる宗教。
信者数は15万人程度とされる。
ミトラスを主神とする教団「ミトラス教」によれば、ミトラスは岩の中から成人した姿で誕生し、生まれながらに片手に松明を掲げていたという。
生まれると人々を苦難から救済する「英雄的な神」となり、「聖なる雄牛」を屠ったとされた。
さらに死しても復活する神ともされ、それを象徴する「冬至(とうじ)」では太陽神であるミトラスが死んで再び生まれる日だと考えられており、彼を称える「大祭」が開催されるという。
※「冬至(とうじ)」は一年でいちばん太陽が出ない日。
昼間が短く、夜がもっとも長い。
12月20~22日ごろ。
「ミトラス教」
人々を苦難から救済する「英雄的な神」であり、死しても復活する神であるミトラスを主神とする教団「ミトラス教」が紀元前1世紀ごろに発足し、民間での信仰が大いに盛んとなった。
そして強い勢力に発展した結果、あの「キリスト教(初期段階)」と争うほどの一大勢力に成長。
※「キリスト教」はイエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
しかし「女性」の入信を認めないことや、普遍的な信仰となる条件が無く、「キリスト教」の台頭とともに4世紀(西暦301年~400年)頃には衰退した。
女神転生シリーズにおいて
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』で初登場。
上半身裸の金髪ロン毛隕石マン。
ミトラスの関連動画
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モロク
正式名称はモレク
古代の中東(主にカナン地方)で崇拝された”豊作”と”火”の男性神。
※「中東(ちゅうとう)」とは、ヨーロッパから見て近辺にあるアジア・アフリカの地域のこと。
「中東」にあたる国一覧
・アフガニスタン
・アラブ首長国連邦
・イエメン
・イスラエル
・イラク
・イラン
・エジプト
・オマーン
・カタール
・クウェート
・サウジアラビア
・シリア
・トルコ
・バーレーン
・パレスチナ
・ヨルダン
・レバノン
※「カナン地方」は、地中海とヨルダン川・死海に挟まれた古代の地域一帯のこと。
現在で言えば「イスラエル」のあたりにあった。
『旧約聖書』では「乳と蜜の流れる場所」とよばれている。
名前にはヘブライ語で「王」を意味するが、
・「涙の国の君主」
・「母親の涙と子供達の血に塗れた魔王」
とも呼ばれており、「人身供物(ひとみごくう)」が行われたことで有名。
※「人身供物(ひとみごくう)」とは儀式(ぎしき)などで人を生贄(いけにえ)として捧げること。
古代の「農耕社会」にみられる風習で、主に崇拝する”神”や”超自然的存在”への怒りをしずめる目的で行なわれる。
モロクは”豊作や利益を守る神”として崇拝されており、不作に陥ったときにはモロクの怒りを鎮めるために生贄がささげられた。
その方法は”牡牛(おうし)の頭を持つ人型のブロンズ像”を火で熱し、その中に生きた人間(主に子供)を投げ入れるというもの。
そして「生贄(いけにえ)」の叫び声や悲鳴をかき消すため、儀式の最中にはシンバルやトランペット、太鼓などの打楽器で凄まじく激しい音が鳴り響いたという。
このことは『新約聖書(しんやくせいしょ)』にも記載されており、ユダヤ人にとって避けるべき”残虐な異教の神”とみなされた。
※『新約聖書(しんやくせいしょ)』は「キリスト教」の正典(ある宗教において公式に信者が従うべき基準として確立されている文書)。
一般的には『聖書』とよばれ、世界で一番売れた本。
『聖書』には『新約聖書(しんやくせいしょ)』と『旧約聖書(きゅうやくせいしょ)』のふたつあり、「キリスト教」はどちらも正典としている。
ただし、これは「キリスト教」目線の呼び方。
「ユダヤ教」では『旧約聖書(きゅうやくせいしょ)』のみが正典なので、この本のことを『聖書』と呼ぶ。
なので「ユダヤ教」では『旧約聖書(きゅうやくせいしょ)』とは言わない。
ちなみに”古いほう”や”新しいほう”という意味ではなく、「旧い契約」と「新しい契約」と言う意味。
イエス・キリストによって神との契約が更新されたと考えた「初代キリスト教会」の人々によって用いられた。
まぁ、『旧約聖書』のほうが歴史は古いので、一般的には”古いほう”と”新しいほう”で間違ってはいない。
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
信者数は 1450万人~1740万人ほどいるとされ、紀元前13世紀ごろに始まったとされる。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
悪魔としてのモロク
やがて時が経つと、憎むべき異教神から悪魔として扱われるようになる。
悪魔に関することが記載されている『地獄の辞典』によれば、「涙の国の君主」となり、地獄会議のメンバーにしてベルゼブブの「蠅騎士団(はえきしだん)」の指揮官悪魔とされた。
※『地獄の辞典(じごくのじてん)』は、フランスの文筆家「コラン・ド・プランシー」によって書かれた「悪魔」や「オカルト」・「占い」などのエピソードを集めた辞書形式の書籍。
1818年に初版。
プランシーが20代のときに発表した作品で、代表作。
また『失楽園』では”激怒と戦の悪魔”として扱われ、なぜか元は天使とされ、のちに堕天したらしい。
※『失楽園(しつらくえん)』とは、イギリスの詩人・ジョン・ミルトンが書いた壮大な叙事詩。
『旧約聖書』である『創世記』第三章の挿話をテーマとしたもの。
1667年初版。
サタン(ルシファー)が唯一神・YHVH(ヤハウェ)に反逆して敗れたところから始まり、人間に嫉妬して人間を楽園から追放させたりする。
その紹介文は
“人身御供の血にまみれ、親たちの流した涙を全身に浴びた恐るべき王”。
“天において戦った天使のうち最も強く、最も獰猛な者”
といったもの。
神への反乱をどう続けるかを話し合う「万魔殿(パンデモニウム)」では、主戦派の筆頭として弁を振るっていたとされ、かなり強い悪魔とされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生 STRANGE JOURNEY(2009年)』。
ストーリーに絡む悪魔・モラクスが主人公に倒された後、ティアマトにより復活してモロクとして襲いかかってくる。
ちなみにCVは『龍が如く』の桐生一馬(きりゅう かずま)役で有名な「黒田崇矢(くろだ たかや)」さん。
3DSで発売されたリメイク版の『デビルサマナー ソウルハッカーズ(2012年)』ではデザインが変更されて登場する。
昨今では最新作『真・女神転生V(2021年)』にも登場している。
モロクの関連動画
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ダゴン
ダゴンは『メソポタミア神話』・『ウガリット神話』・『クトゥルフ神話』に登場する神。
※メソポタミアは「世界四大文明」の一つであり、世界最古の文明。
世界最古の文字や法典を生みだし、数々の王国の興亡が繰り返されてきた。
その場所は「チグリス川」と「ユーフラテス川」の二つの大河の流域の間にあったとされ、現在の「イラク」の一部に存在したという。
※ ウガリットは現在の「シリア・アラブ共和国」西部の都市「ラス・シャムラ」にあった古代都市国家。
※『クトゥルフ神話』はアメリカの小説家である「ハワード・フィリップス・ラヴクラフト」が、1928年に生み出した怪奇小説のこと。
『創作神話』である。
『メソポタミア神話』において
『メソポタミア神話』では”大地の豊穣神”として信仰され、大きな神殿も建設されるなど信仰は深く高い地位にいたとされる。
しかし、『聖書』に記載されたときに「魚」と間違って関連させられたため、下半身が魚の形の「海神」と考えられた。
『ウガリット神話』において
『ウガリット神話』では主神・バアルの父とされた。
(最高神・エルが父親とされる場合もある。)
最高神エルに次ぐ第二位の神とされ、”穀物”と”海”を司ったという。
その姿は「魚の尾」や「魚の頭」を持つ姿だとされた。
『クトゥルフ神話』において
『クトゥルフ神話』では『聖書』に記載されたダゴンをとりこんだとされている。
そのせいか姿は「鱗」や「水かきのついた手足」、魚類のような面貌を持つ。
また小山ほど巨大で、人間に似た姿であるとされた。
作中ではクトゥルーの従者であり、深きものども(半人半魚の化け物)の統率者。
深海に現在も存在しており、かつての「ルルイエ」や「アトランティス」が滅亡してしまったことを嘆いているという。
※「ルルイエ」はかつて繁栄した古代都市。
現在は海底に沈んでおり、クトゥルーが眠っているらしい。
また、浮上すると世界中で精神に異常をきたすものが急増するという設定がある。
※「アトランティス」は大西洋に存在したとされる伝説の国家。
非常に洗練された文化・政治体制・科学技術を持っていたとされ、人類の求める理想国家だという。
よくオカルト系の話に登場する。
悪魔として
ジョン・ミルトンの『失楽園』においては「海の怪物」とされ、悪魔の一人に数えられている。
※『失楽園(しつらくえん)』とは、イギリスの詩人・ジョン・ミルトンが書いた壮大な叙事詩。
『旧約聖書』である『創世記』第三章の挿話をテーマとしたもの。
1667年初版。
サタン(ルシファー)が唯一神・YHVH(ヤハウェ)に反逆して敗れたところから始まり、人間に嫉妬して人間を楽園から追放させたりする。
ここでは上半身が「魚」の「半魚人」とされた。
また、コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』においては、なぜか「地獄のパンの製造」と「管理」を司る「パン管理長」の座に就いているとされた。
※『地獄の辞典(じごくのじてん)』は、フランスの文筆家「コラン・ド・プランシー」によって書かれた「悪魔」や「オカルト」・「占い」などのエピソードを集めた辞書形式の書籍。
1818年に初版。
プランシーが20代のときに発表した作品で、代表作。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』。
高レベルの”魔王”として登場。
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バロール
バロールは『ケルト神話』に登場する”フォモール族(フォ-モリア)”の王。
※「ケルト」は紀元前5世紀~紀元前1世紀までに現在の「ポーランド」から「アイルランド島」までのヨーロッパ広範囲に居住していた民族のこと。
国名ではない。
※フォモール族(フォ-モリア)は大古の「アイルランド」を支配していた蛮族。
巨大な石を苦もなく投げつける力をもった「人喰いの怪物」で、その姿は身体の一部が欠損していたり、「山羊(やぎ)」や「馬」など様々な動物が組み合わさった醜い人型の巨人であったという。
バロールは「魔眼のバロール」の異名を持ち、その姿は「一つ目(二つ目、三つ目とも)の醜い巨人」で「魔眼」を持つ。
あらゆる武器が通用しない不死身の身体を持つうえに、その「魔眼」に見られた者はたちまち戦う力を失い、大勢の命を奪う閃光を放つとされた。
しかし年齢と共に「瞼(まぶた)」が重くなるという弱点があり、戦場では部下に「瞼(まぶた)」を持ち上げさせていたという。
孫には太陽神・ルーグがいる。
バロールの伝説
強大な力を持つバロールは神々を恐れさすほど猛威をふるっていたが、自身の孫に殺されるという予言を受けていたため、娘のエスリンを塔(洞窟)に監禁していた。
そして彼女が妊娠して子供を産むたびに部下に命じて子供を海に投げ込ませていたが、三人の子供のうち一人だけ生き延びる。
それがルーグである。
やがて敵対する”ダーナ神族”との戦争「マグ・トゥレドの戦い」が勃発。
バロールは”ダーナ神族”の王・ヌアザを撃退して”ダーナ神族”を壊滅寸前まで追いやったが、そこに孫であるルーグが現れて「魔眼」を「投石器」で撃ち抜かれた。
撃ち抜かれた「魔眼」は制御の効かない光線によって大勢の友軍に被害を与え、崩れ落ちた巨体も配下の兵士を圧死させて戦争は敗北。
予言通り「孫」に殺害されて生涯を終えた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。
だいぶ期間を経て、『真・女神転生IV FINAL(2016)』にて再登場を果たす。
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キングフロスト
キングフロストは巨大な雪だるまの体を持つジャックフロストの王。
無数のジャックフロストを従え、世界各地を「雪」と「霜(しも)」で凍てつかせる力を持つ。
しかしその性格は至って「無邪気」。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅱ(1994年)』で初登場。
ジャックフロストと共に様々な作品に登場するフロスト界の王様。
現在のデザインは『真・女神転生デビルチルドレン(2000年)』からだが、割と最近のシリーズである『真・女神転生Ⅳ(2013年)』では「旧Ver」のデザインが使用されていたりと、どちらのデザインも人気が高い。
ちなみに滅多に登場しないが、「クイーンフロスト」というキングフロストの妻も存在する。
キングフロストの関連動画
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オーカス
オーカスは『ローマ神話』に登場する死神オルクスが零落した姿といわれる”邪神”。
獰猛な邪鬼であるオークたちの王ともされる。
オークとは、「ファンタジー」などで邪悪な勢力側としてよく登場する邪鬼。
人間に似た姿を持つが、獰猛かつ人を食う種族である。
「中世」のころは豚の頭を持ち、死体をむさぼる邪悪な”悪魔”とされたが、これは当時の信仰の生贄として「豚」が供えられていたからではないかと言われている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生(1992年)』で種族”邪神”。
特に目立つ要素もなくその辺のザコ悪魔だった。
しかし、その後のシリーズでは主に食いしん坊キャラとしてシナリオ等に絡む。
『真・女神転生 STRANGE JOURNEY(2009年)』では不時着したプラズマ装甲を持つ調査艦・「エルブス号」と融合し、「ブォォォォォォノ(美味しい)」と叫びながら 色々なものを吸い込む不可侵で無限の食欲を司る怪物と化していた。
オーカスとして倒された後、ティアマトにより再誕し オルクスとして襲いかかってくる。
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