リリス
リリスは『ユダヤの伝承』において男児を害すると信じられていた”女性の悪霊”。
”男子”なら8日間、”女子”なら20日間、”私生児(夫婦以外の関係から生まれた子ども)”だったら一生の間、リリスはその「運命」を好きにすることができるという。
また、『旧約聖書』では神によってアダムとともに土よりつくられた”最初の女性”とされ、人類の始祖であるアダムの最初の妻となった。
しかしアダムとの夫婦生活に嫌気がさして「楽園」を出たリリスは、”夜魔”と化してサマエルやサタンの妻になったという。
(中世(11世紀後半~16世紀あたり)に誕生した説で、この説が最も有名)
※『旧約聖書』は「ユダヤ教」および「キリスト教」の正典(ある「宗教」において公式に信者が従うべき基準として確立されている文書のこと)。
「ユダヤ教」ではこれが唯一の『聖書』。
『旧約聖書』という呼び名は「キリスト教」目線の呼び方。
(「ユダヤ教」からすると、「キリスト教」の『聖書』は『新約聖書』と呼ばれる。)
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
信者数は 1450万人~1740万人ほどいるとされ、紀元前13世紀ごろに始まったとされる。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
「堕落」と「追放」の経緯に関しては諸説あるが、総じて「不貞」の象徴として描かれる存在。
現代においては「性差別」による不当な扱いや不利益を解消しようとする思想運動・「女性解放運動(フェミニズム)」の象徴の一つとなっている。
『旧約聖書』における最初の女性としてのリリス
リリスはアダムとの間に多くの子を生んだが、彼女に対してなんの遠慮もない扱いをするアダムに腹を立て、同じ土から生まれた両者は”対等”であることを「神」に主張した。
しかし「神」やアダムがそれを認めず、リリスは嫌気がさして「楽園」から地上へ逃亡する。
そして地上に逃げたリリスは「紅海沿岸(こうかいえんがん ※アフリカ東北部と、アラビア半島に挟まれた湾)」で沢山の”悪魔”と交わり、悪魔の子を大量に産む。
やがてリリスを失ったアダムは「孤独の寂しさ」を感じ、彼女を取り戻すよう「神」に対して頭を下げて必死に願った。
そんなアダムを不憫に思った神は、リリスの元に3体の天使を遣わし、「楽園に戻って妻の役目を果たさなければ、毎日彼女の子ども100人を殺す。」と脅迫。
しかし、そんな横暴な要求にリリスは断固として要求を拒否したため、その態度に腹を立てた天使達はリリスを海に沈めようとした。
そして沈められている最中に
「私はこれから生まれてくるアダムの子を永遠に苦しめる。」
「そんな私を殺害すれば、お前たちは神に咎められるであろう」
「しかし、3人の天使たちの名の記された護符を目にした時には、子どもに危害を加えないでやる」
と、天使たちを逆に脅迫した。
すると天使たちはその提案を快諾し、リリスは解放されて生き延びたという。
そして、リリスを失ったことを知らされたアダムは嘆き悲しみ(アダムには死んだと伝えた。)、哀れんだ「神」はアダムの「肋骨(じょこつ)」から男に対して従順なイヴ(エヴァ)を創造し、アダムの下へ向かわせたという。
女神転生シリーズにおいて
種族”夜魔”に属する高位悪魔。
高い魔ステータスと「電撃スキル」、「魅了スキル」を持つことが多い。
『真・女神転生(1992年)』では「百合子(ユリコ)」と名乗り、主人公の行く先々で妨害をしたり意味深な行動を取るキャラクターとして登場。
『真・女神転生 Ⅳ(2013年)』でも重要キャラクターとしてストーリーによく絡む。
メガテンシリーズにおけるお色気お姉さん代表。
リリスの関連動画
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リリム
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ニュクス
ニュクスは、『ギリシア(ギリシャ)神話』の原神・カオスから産まれた夜の女神。
名前には、ギリシア語で「夜」という意味を持つ。
夫は兄妹でもある暗黒の神・エレボスで、エレボスとの間には天空神・アイテールや、昼の女神・ヘメーラー、地獄の渡し守・カローンなどをもうける。
さらに単独では
・死の神・タナトス
・眠りの神・ヒュプノス
・復讐の女神・ネメシス
運命の三女神(モイライ三姉妹)
・クロト
・ラケシス
・アトロポス
など、人間の苦しみの原因となるさまざまな「神」や「災い」を誕生させた。
ちなみに、主神・ゼウスの「治世(ちせい ※君主として世の中を治めること)」と「世界形成(せかいけいせい)」の助言者であり、 ゼウスにさえ恐れられた女神であったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』。
『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』では「BARマダム」のママとして登場し、仲魔にすれば魔法アタッカーとして活躍する。
『ペルソナ3』においては重要な悪魔だったりする…。
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マーヤー

マーヤーは、『インド神話』や「インド宗教」での「概念」や「人物」のこと。
もともとマーヤーとは、「ヒンドゥー教」の創造神・ブラフマーなどが用いる「神の力」・「神秘的な力」という意味を持つ”言葉”で、人を幻惑させることから「幻力(げんりき)」とも訳された。
※「ヒンドゥー教」は、インド発祥の宗教。信者数は全世界で約11億人以上とされ、人口だけでみれば世界で第3位の宗教。
のちに現実世界が「マーヤー(幻影)」であり、「真実の世界」を覆い隠しているという考えが「インド」で起こり、「幻影(げんえい)」という意味に変化したという。
(なんのこっちゃ)
さらに時が経つと、「釈迦(しゃか)」の母である「摩耶夫人(まやふじん)」のことも指すようになった。
※「釈迦(しゃか)」は、「仏教(ぶっきょう)」の創設者。
本名はゴータマ・シッダールで、2500年前頃に生まれたとされている。(諸説あり)
※「仏教(ぶっきょう)」はインド発祥の宗教で、「世界三大宗教」の1つ。
信者数は世界人口の7%である5億2000万人以上と、世界で4番目に大きな宗教で、紀元前4世紀から6世紀の間に始まったとされる。
人口だけでみると「ヒンドゥー教」が世界で3番目に大きい宗教なのだが、「仏教」のほうが歴史が長いので「世界三大宗教」のひとつとなっている。
「摩耶夫人(まやふじん)」の伝承
伝承によると、「摩耶夫人(まやふじん)」はあるとき「6本の牙を持つ白い象」が胎内に入る夢を見て、「シッダッタ(釈迦(しゃか))」を懐妊した。
そして、「沙羅双樹(さらそうじゅ)の花(白い花)」を取ろうとしたところで「右脇」より「シッダッタ(釈迦(しゃか))」が生まれる。
そして、「シッダッタ(釈迦(しゃか))」を我が子のように育てると、彼は「仏教」の開祖になるほど立派に成長した。
という伝承が伝わっている。
ただし近年の学説では、”「摩耶夫人(まやふじん)」の本名ではない”ともされているので、詳細は不明。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生STRANGE JOURNEY(2009年)』。
「想の揺れる地」セクター・グルースを支配するボス悪魔「母」の一柱として登場。かなり強い。
上記の「神秘的・幻影の力」といった概念と、釈迦(しゃか)の母である「摩耶夫人(まやふじん)」の要素を合わせて設定された。
デザインは悪魔絵師・「金子一馬(かねこ かずま)」氏。
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モコイ

モコイは、オーストラリアの先住民族・「アボリジニ」の伝承に出てくる妖怪。
ジャングルに生息し、人間によく似た姿をしているが、頭が異様に大きい。また、舌が無いため言葉を話すことができないとされている。
その性質は人間の女性と交わることもあれば、子どもを攫って食べ、時には人間を襲うこともある。
善なるシャーマンはモコイとの戦いに打ち勝つことで使役し、その悲劇を避けたとされる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』。
種族はシリーズ通して”夜魔”。
見た目は全身緑色で、大きな口をした小柄な人形のようなデザイン。
なぜかブーメランと白いフンドシを所持しており、不気味ながらもコミカルな口調とあいまってなんだか可愛い存在。
多くのシリーズに登場していて、特に『葛葉ライドウシリーズ』ではムービーにも登場するなど人気が高い。
葛葉ライドウがゲスト出演した『真・女神転生Ⅲ NOCTURNEマニアクス クロニクルエディション(2008年)』ではライドウ専用技の「モコイブーメラン」としても登場した。
キウン

キウンは、『旧約聖書』の【アモス書】などに記される星の神。
※『旧約聖書』は「ユダヤ教」および「キリスト教」の正典(ある「宗教」において公式に信者が従うべき基準として確立されている文書のこと)。
「ユダヤ教」ではこれが唯一の『聖書』。
『旧約聖書』という呼び名は「キリスト教」目線の呼び方。
(逆に「ユダヤ教」からすると、「キリスト教」の『聖書』は『新約聖書』と呼ばれる。)
※【アモス書】は、全9章で構成される預言者。
「神の裁き」がいつ起こるなど、ごちゃごちゃ書いてある。
※「ユダヤ教」は「イスラエル」を中心として信仰される宗教。
信者数は 1450万人~1740万人ほどいるとされ、紀元前13世紀ごろに始まったとされる。
※「キリスト教」は、イエス・キリストを「救い主」と信じる「世界三大宗教」の一つ。
「ユダヤ教」にルーツを持ち、紀元前4世紀頃ごろにはじまったとされる。
信者は世界中でおよそ23億8200万人(世界人口で占める比率は約31%)いるとされ、全ての宗教の中で最も多い。
名前には「宮殿」という意味があり、「イスラエルの民」が神・YHVH(ヤハウェ)を受け入れる前に信仰していた”天空神”とされ、星を象徴していた。
現在では、イスラエルの正統な神であるYHVH(ヤハウェ)に対して、間違った信仰の対象である”異教神の一柱”として扱われている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』。
種族はどのシリーズでも”夜魔”。(『ペルソナシリーズ』などの外伝を除いて)
ザコ敵としてよく見かけるが、『メガテン3』では、「火」・「氷」・「電」・「衝撃」耐性にくわえ、「呪殺」無効など優秀な耐性を持つ。
しかも、弱点である「破魔」もレベルアップで無効になるため仲魔としてなかなか役立つ存在。
『真・女神転生IV(2013年)』では、レベルアップでデカラビアに変異する。(全然関係性はないが、たぶん同じ星型の姿という理由で)
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フォーモリア

フォーモリアは『ケルト神話』において”ダーナ神族”と対立した海の底に棲む異形の巨人・”フォモール族”のこと。
※「ケルト」は現在の「ポーランド」から「アイルランド島」までのヨーロッパ広範囲に居住していた民族のこと。
国名ではない。

大古の「アイルランド」を支配していた蛮族であり、巨大な石を苦もなく投げつける力をもった「人喰いの怪物」であったとされる。
その姿は身体の一部が欠損していたり、「山羊(やぎ)」や「馬」など様々な動物が組み合わさった醜い人型の巨人であったという。
西方から訪れる「異種族」の侵入を防ぐため、”フォモール族”の王であるブレスやバロールといった王に率いれられて戦ったが、最終的に”ダーナ神族”によって滅ぼされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』と古参悪魔。
種族”妖精”の最上位なのだが、覚えるスキルは「ハマ」など。
その後しばらく登場せず、『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』から種族”夜魔”となって再登場。
以降は、そのデザイン(「金子 一馬」氏のデザイン)が定着した。
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ザントマン

ザントマンは「ドイツの民間伝承」に伝えられる”眠りの精霊”。
ドイツ語で「ザント」は”砂”という意味で、直訳すると「砂男」。
基本は姿の見えない”妖精”だが、描かれるときは”砂の入った大きな袋を背負った老人や小人”の姿で描かれることが多い。
また、ザントマンが背負っている袋の中には「眠気を誘う魔法の砂」が詰まっており、夜に眠らないものがいると「魔法の砂」を人々の目の中に投げ込んで眠らせてしまうという。
一見、眠らせるだけの可愛い”夜の妖精”とされがちだが、夜更かしをしている子供がいると目玉をえぐってしまうという怖ろしい存在ともされている。
そのため、古くからドイツでは夜更かしをする子供たちを寝かしつけるために、「ザントマンがやってくるぞ」と脅す習慣があった。
ちなみに英語読みでの「Sandman(サンドマン)」という名前のほうが良く知られている。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。種族は”夜魔”。
最初のデザインでは頭が”金色”で衣装は”青かった”が、続編である『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』以降、頭は”銀色”で”赤い衣装”に変更された。
また、デザインを担当した「金子一馬(かねこ かずま)」氏によると自らの顔に似ているらしい。
ちなみにNetflixでは「サンドマン」と言うドラマがある。(面白いので見て欲しい。)
ザントマンの関連動画
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