リリス
リリスは『ユダヤの伝承』において男児を害すると信じられていた”女性の悪霊”。
男子なら8日間、女子なら20日間、私生児(夫婦以外の関係から生まれた子ども)だったら一生の間、リリスはその「運命」を好きにすることができるという。
また、『旧約聖書』では神によってアダムとともに土よりつくられた”2番目の人間”であり、”最初の女性”とされた。
(中世(11世紀後半~16世紀あたり)に誕生した説で、この説が最も有名)
アダムの最初の妻となったが、後に「楽園」を出て”夜魔”と化し、サマエルの伴侶とされたり、サタンの妻になったという。
「堕落」と「追放」の経緯に関しては諸説あるが、総じて「不貞」の象徴として描かれる存在。
しかし現代では、”性差別による不当な扱いや不利益を解消しようとする思想運動”・「女性解放運動(フェミニズム)」の象徴の一つとなっている。
『旧約聖書』における最初の女性としてのリリス
リリスはアダムとの間に多くの子を生んだが、彼女に対してなんの遠慮もない扱いをするアダムに腹を立て、同じ土から生まれた両者は”対等”であることを「神」に主張する。
しかし、「神」やアダムがそれを認めず、リリスは「楽園」を離れ「紅海沿岸(こうかいえんがん ※アフリカ東北部と、アラビア半島に挟まれた湾)」で沢山の悪魔と交わり、悪魔の子を産んだ。
だがリリスを失ったアダムは、「孤独の寂しさ」から彼女を取り戻すよう「神」に懇願する。
そこで不憫に思った神はリリスの元に3体の天使を遣わして、「楽園」に戻って妻の役目を果たさなければ、毎日彼女の子ども100人を殺すと脅迫。
しかし、そんな横暴な要求は吞めないと、リリスはそれを拒否。
その態度に天使達はリリスを海に沈めようとするが、
「私はこれから生まれてくるアダムの子を永遠に苦しめる。しかし、3人の天使たちの名の記された護符を目にした時には、子どもに危害を加えないでやろう」
と逆に脅迫したことで生き延び、解放される。
そしてリリスを失ったことで悲しむアダムを哀れんだ「神」は、アダムの「肋骨(じょこつ)」から男に対して従順なイヴ(エヴァ)を創造し、アダムの下へ向かわせたという。
女神転生シリーズにおいて
種族”夜魔”に属する高位悪魔。
高い魔ステータスと「電撃スキル」、「魅了スキル」を持つことが多い。
『真・女神転生(1992年)』では「百合子(ユリコ)」と名乗り、主人公の行く先々で妨害をしたり意味深な行動を取るキャラクターとして登場。
『真・女神転生 Ⅳ(2013年)』でも重要キャラクターとしてストーリーによく絡む。
メガテンシリーズにおけるお色気お姉さん代表。
リリスの関連動画
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リリム
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ニュクス
ニュクスは、『ギリシア(ギリシャ)神話』の原神カオスから産まれた夜の女神。
名前には、ギリシア語で「夜」という意味がある。
兄弟である暗黒の神・エレボスと結婚して、天空神・アイテールと昼の女神・ヘメーラー、地獄の渡し守・カローンをもうけた。
また単独で、
・死の神・タナトス
・眠りの神・ヒュプノス
・復讐の女神・ネメシス
運命の三女神(モイライ三姉妹)
・クロト
・ラケシス
・アトロポス
等、数多くの子を誕生させた。
主神ゼウスの「治世(ちせい)」と「世界形成(せかいけいせい)」の助言者で、 ゼウスにさえ恐れられる女神。
人間の苦しみの原因となるさまざまな「神」や「災い」を産んだとされる。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生Ⅱ(1994年)』。
『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』では「BARマダム」のママとして登場し、仲魔にすれば魔法アタッカーとして活躍する。
『ペルソナ3』においては重要な悪魔だったりする…。
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マーヤー
マーヤーは、『インド神話』や「インド宗教・哲学」での「概念」や「人物」のこと。
元々マーヤーとは「ヒンドゥー教」の創造神・ブラフマーなどが用いる「神の力」・「神秘的な力」という意味を持つ言葉で、人を幻惑させることから「幻力(げんりき)」とも訳された。
※「ヒンドゥー教」は、インド発祥の宗教。信者数は全世界で約11億人以上とされ、人口だけでみれば世界で第3位の宗教。
後に現実世界が「マーヤー(幻影)」であり、「真実の世界」を覆い隠しているという考えが「インド」で起こり、「幻影(げんえい)」という意味に変化したという。
(なんのこっちゃ)
その他にも「ゴータマ・シッダッタ(釈迦(しゃか)の本名)」の母である「摩耶夫人(まやふじん)」のことも指す。
伝承によると「摩耶夫人(まやふじん)」は、あるとき「6本の牙を持つ白い象」が胎内に入る夢を見ると、「シッダッタ(釈迦(しゃか))」を懐妊した。
そして、「沙羅双樹(さらそうじゅ)の花(白い花)」を取ろうとしたところ、「右脇」より「シッダッタ(釈迦(しゃか))」が生まれたと伝わっている。
(右脇から…(;´∀`))
ただし近年の学説では”「摩耶夫人(まやふじん)」の本名ではない”ともされているので、詳細は不明。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生STRANGE JOURNEY(2009年)』。
「想の揺れる地」セクター・グルースを支配するボス悪魔「母」の一柱として登場。かなり強い。
上記の「神秘的・幻影の力」といった概念と、釈迦(しゃか)の母である「摩耶夫人(まやふじん)」の要素を合わせて設定された。
デザインは悪魔絵師・「金子一馬(かねこ かずま)」氏。
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フォーモリア
フォーモリアは、『ケルト神話』においてダーナ神族と対立した海の底に棲む異形の巨人・フォモール族のこと。
大古のアイルランドを支配していた蛮族であり、巨大な石を苦もなく扱う恐るべき力をもつ人喰いの怪物であったとされる。
またその姿は、身体の一部が欠損していたり山羊や馬など様々な動物が組み合わさった醜い人型の巨人であったという。
西方から訪れる異種族の侵入を防ぐため、フォモール族の王であるブレスやバロールといった王に率いれられて戦ったが、最終的にダーナ神族によって滅ぼされた。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』と古参悪魔。
種族”妖精”の最上位で、ハマなどの魔法が使える悪魔だった。
(ハマ…)
その後しばらく登場しなかったが、『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』から種族”夜魔”となり、現在のデザイン(「金子 一馬」氏のデザイン)になって登場する。
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ザントマン
ザントマンは「ドイツの民間伝承」に伝えられる”眠りの精霊”。
ドイツ語で「ザント」は”砂”という意味で、直訳すると「砂男」。
ちなみに英語読みでの「Sandman(サンドマン)」という名前のほうが良く知られている。
基本は姿の見えない”妖精”だが、描かれるときは”砂の入った大きな袋を背負った老人や小人”の姿で描かれることが多い。
また、ザントマンが背負っている袋の中には「眠気を誘う魔法の砂」が詰まっており、夜に眠らないものがいると「魔法の砂」を人々の目の中に投げ込んで眠らせてしまうという。
一見、眠らせるだけの可愛い”夜の妖精”とされがちだが、夜更かしをしている子供がいると目玉をえぐってしまうという怖ろしい存在でもある。
そのため古くから「ドイツ」では夜更かしをする子供に、
「ザントマンがやってくるぞ」
と、脅して寝かしつける習慣があった。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生デビルサマナー(1995年)』。種族は”夜魔”。
最初のデザインでは頭が”金色”で衣装は”青かった”が、続編である『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』以降、頭は”銀色”で”赤い衣装”に変更された。
ちなみにデザインを担当した「金子一馬(かねこ かずま)」氏は、自らの顔に似ているとネタにしている。
ザントマンの関連動画
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