クー・フーリン
クー・フーリンは、『ケルト神話』の半神半人の英雄。
※「ケルト」は紀元前5世紀~紀元前1世紀までに「ヨーロッパ」の広範囲に居住していた民族のこと。
国名ではない。

父は太陽神ルーグ。母は人間であるデヒティネ。
幼名ではセタンタと呼ばれた。
幼いころからすでに並外れた力を持ち、鍛冶屋の「クランの屋敷」へ招かれた際には「獰猛な番犬」が侵入者と勘違いして襲ってきたため、打ち倒してしまうほど。
そこで番犬を倒してしまった罪滅ぼしのために「クランの屋敷」の護衛を買って出たことから、「クー(クランの)・フーリン(猛犬)」と呼ばれるようになった。(つまり異名のようなもの)
やがて美青年となってからは「影の国」で様々な修行を修め、女神スカアハから「魔槍ゲイボルグ」を授かり槍の使い手へと成長。
王国の騎士となったクー・フーリンは圧倒的な強さで大軍を一人で打ち破り続け、その名を轟かせる。(戦いとなると、その美しい容貌を恐ろしい魔物へと変化させたという。)
だが、その強さから敵に「幻影」と「狂気」に取り憑かれる呪いをかけられ、あるときその呪いから味方を殺害してしまったうえに敵に囲まれてしまう。
そして幻影に取り憑かれたまま「ゲイボルグ」を敵に渡し、そのまま”わき腹”を敵に貫かれてその最期を迎えたという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『デジタル・デビル物語 女神転生(1987年)』。
メガテンにおいて比較的作りやすい上級悪魔で、衝撃属性のスキルと固有スキル「ゲイボルグ」を持つことが多い。
イケメン枠。
クー・フーリンの関連動画
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フィン・マックール

フィン・マックールは『ケルト神話』に登場する英雄。「フィアナ騎士団」の団長で、最も偉大な騎士と呼ばれた。
また本名は「ディムナ」という名前であるが、金髪で色白なことから「フィン(金髪)」というあだ名のほうが有名で、本名より異名で紹介されることが多い。
※「ケルト」は現在の「ポーランド」から「アイルランド島」までのヨーロッパ広範囲に居住していた民族のこと。
「フィアナ騎士団」とは1世紀ごろの「アイルランド」の王・フェーラダッハに仕え、「外敵の排除」や「王の守護」を主な目的として組織された騎士団。
一説にはその勢力は「150人の指揮官」と「4000人の兵士」を持つほどの大軍団だったといい、その「フィオナ騎士団」において最も偉大な騎士であるといわれたのがフィン・マックールである。
概要
彼の手には「魔法の力」が宿っており、困ったときに親指をなめると「良い知恵」が浮かび、手にすくった水には傷を治す「癒しの効果を与える力」を持つ(死んだ人間には効果がない)。
また、「マック・ア・ルイン」という巨人の首を一太刀で切り落とす名剣に、常に血を求める魔槍「ビルガ」、炎から身を守れる頑丈な「マント」、槍でも盾でも大きさを無視して収納できる「不思議な袋」、そして毒の爪を持つ「ブラン」と「スコローン」という2匹の猟犬を所持している。
生涯
「フィアナ騎士団の団長」であった父と、戦の神・ヌァザの孫娘・マーナとの間に生まれたフィン・マックールだが、父は生まれる前に部下の裏切りで殺されてしまい、騎士団を乗っ取られてしまう。
しかし数々の冒険を経て、成長した彼によって取り戻すことに成功。
その後、「騎士団の団長」として就任し、巨人を倒すなど数々の武功を挙げるが、自身の婚約者と部下との三角関係が原因で「騎士団の結束」に亀裂が生じてしまう。
やがて代替わりしたアイルランドの王は、自分をしのぐ名声を持つフィン・マックールを嫉妬から邪魔な存在だと感じ、同盟を破棄して「フィアナ騎士団」に宣戦布告。
騎士団は「フィン・マックールに従う者」と、「王の側につく者」とで分裂してしまい、戦争が勃発した。
フィン・マックールは敵軍の多くを討ち倒すが、一人一人と忠臣が戦死していき、最後は敵に囲まれた状態で槍に刺され、生涯を終えることとなる。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅴ(2021年)』で初登場。
”幻魔”種族の新たなイケメン枠。
フィン・マックールの関連動画
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アマノザコ

天逆毎(アマノザコ)
『日本神話』に登場する女神で、「天邪鬼(あまのじゃく)」や「天狗(てんぐ)」の祖先と言われている存在。
スサノオが体内にたまった猛気(もうき ※たけだけしい気)から誕生したとされ、その姿は人間に近いが、顔は牙を持った獣。
さらに、高い鼻と長い耳を持つ「天狗」のような姿であるという。
性格は自分の思い通りにならないと暴れまわり、その荒れっぷりは力のある神を千里(約3900km)の彼方へと投げ飛ばしたり、鋭い武器をその強靭な牙で噛み壊したりするほど狂暴だったという。
また、「天邪鬼(あまのじゃく)」のように物事をあべこべにしないと気の済まない性格でもあり、”前”のことを”後ろ”、”左”のことを”右”と言うなど、とにかくめんどくさい存在。
自らの力で「天魔雄(あまのさく)」という子供をもうけ、「天魔雄(あまのさく)」は成長すると「悪神」たちを束ねる「九天の王」となり、その「天魔雄(あまのさく)」の子孫が「天邪鬼(あまのじゃく)」や「天狗(てんぐ)」になったとされた。
女神転生シリーズにおいて
『真・女神転生Ⅴ(2021年)』で初登場。
明るく好奇心旺盛な悪魔で、主人公のナビ(案内)役として活躍。
悪魔に襲われていたところを主人公に助けられ、案内役として主人公についていくことになる。
序盤から知り合う悪魔なのだが、仲魔にするためには後半のサブクエストを進める必要があり、レベルもかなり高い。
公式によると『真・女神転生III-NOCTURNE(2003年)』序盤で出会うピクシーのような思い出深い悪魔にしたいということから、和製ピクシーと言えるような姿にしたらしい。
(元ネタはかなり醜悪な姿なので、めちゃくちゃ可愛く描いている。)
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フロストエース

フロストエースはジャックフロストがアイスベストを装着してヒーローに変身した姿。
素性は一切謎に包まれているが、風の噂では過去に何らかの悲しい事件があったらしく、その心は復讐に燃え、悲しみに凍てついているのだといわれている。
宿命にもてあそばれるダークヒーローが選ぶ道は、復讐か、それとも不殺なのか。未だ答えをだせぬその苦悩をお馴染みのクールでキュートなフェイスの下に隠し、彼は戦い続けるのだという。
女神転生シリーズにおいて
初登場はメガテンシリーズの派生作品『真・女神転生デビルチルドレン(2000年)』。
特撮ヒーロー風のジャックフロスト。
初登場作品が幅広い年齢層(主に低年齢層)をターゲットにしていたので戦隊モノでも出しとくか・・・みたいなノリで作られたのではないかと思う。
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ヘイムダル

ヘイムダルは『北欧神話』の「光の神」で、虹の橋・「ビフレスト」の見張り番。
※「ビフレスト」は、神々の国・「アースガルド」と人間の国・「ミッドガルド」をつなぐ虹色の橋。
角笛・「ギャラルホルン」を鳴らして「ラグナロク(世界の終末)」の始まりを知らせたことで有名で、悪神・ロキの宿敵。
その姿は「白い肌」に「黄金の歯」と「大きな角」を持ち、神々の中でも最も容姿が美しい男神のひとりとされた。
また出自ははっきりとせず、オーディンの息子であったり、九人の波の乙女との間に産まれたとされり、”ヴァン神族”の末裔とされたりする。
※”ヴァン神族”は、かつて”アース神族”であるオーディンと敵対していた神々。幾度かの戦争を経て、”アース神族”に取り込まれた。
真面目な性格と見張り番にふさわしい強力な能力を有していたため、「アースガルドの守護神」とも呼ばれた。
能力一覧
・小鳥よりも少ない眠りしか必要ない。
・草木の成長するの微小な音も聞き分ける地獄耳
・昼夜問わず遠く離れた場所を見る眼
・未来を読む力
ヘイムダルとロキ
不真面目でいたずら好きの悪神・ロキとは宿敵であり、性格の不一致からよく決闘をしていたという。
しかもロキは、もともと敵対している”巨人族”であったため、監視対象ともされており、なおさら関係を悪くさせていた。
特にロキが、愛の女神・フレイヤの所有する「ブリーシンガメンの首飾り」を盗んで逃げたときには、これを奪還すべく逃げるロキを執拗に追跡し、激しい戦いののちに無事に取り戻すというエピソードがある。
極めつけは、「ラグナロク(世界の終末)」で敵となったロキと戦い、相打ちとなって亡くなった。
女神転生シリーズにおいて
『デビルサマナー ソウルハッカーズ(1997年)』、『真・女神転生 STRANGE JOURNEY(2009年)』等に登場。
敵全体もしくは味方全体に確率で即死効果をもたらす「運命の角笛」という固有スキルを持つ。
トールやロキと同じく、ヘイムダルも「MARVEL(マーブル)世界」に登場しているが、イケメンではなくあっちの世界では「ヒゲ面の黒人男性」である。
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バルドル

バルドルは『北欧神話』の「光の神」。
主神・オーディンと”愛と豊穣”の女神・フリッグの息子であり、妻は”アース神族”の女神・ナンナ、息子には”調停と正義の神”・フォルセティがいる。
優しい性格と不死身の身体を持ち、災いのない「ブレイザブリクの館」と、巨大な船「フリングホルニ」を所有していた。
バルドルの不死身と悲劇
バルドルは神々の中でも光り輝くほど美しい優しい神で、万人に愛されていた。
しかしある日からバルドルは、自分が死ぬ悪夢を見るようになる。
するとそれを心配した母・フリッグは、「生物」だけでなく「火」・「金属」・「石」などの無生物といった世界中のあらゆるものに「バルドルを傷つけない」ことを誓わせ、いかなる武器でも彼は傷つくことのない「不死の存在」となる。
だが、このときたった一つだけ「ヤドリギ」だけは若すぎて契約が出来ていなかった。
傷つかなくなったバルドルを祝い、神々はバルドルに様々なものを投げつけるという「娯楽」にふけっていたが、その様子を気にいらなかった悪神・ロキは唯一契約していない「ヤドリギ」のことを知り、「ヤドリギの矢」を作成する。
そして、バルドルの弟であり、”盲目(もうもく)”の神・ヘズをたぶらかし、「ヤドリギの矢」を装着させた弓をヘズに射させると、バルドルを殺させる。
その後、彼の死を嘆いた母・フリッグを見たバルドルの弟・ヘルモーズは、オーディンにスレイプニルを借りて死の国「ヘルヘイム」へと向かい、女王・ヘルに彼を生き返らせてくれと頼みに行く。
するとヘルは
「本当に、全世界の者が彼のために泣いているというならば生き返らせてやろう」
と言い、約束をとりつけた。
そして、母・フリッグの頼みで、本当に全世界のあらゆる生物・無生物が彼のために泣いたが、”巨人族”の女・セックだけが泣かなかった。
そのためバルドルは戻ってこず、「夏」が消滅し、「冬」だけが続く「フィンブルの冬」が訪れたという。
このセックの正体は実はロキで、神々を罵倒しながら自らそのことを話すと、神々は哀しみと怒りからロキを蛇の猛毒を浴びせ続ける罰を与えるが、このことが「ラグナロク」を迎えるきっかけになったという。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『女神異聞録デビルサバイバー(2009年)』。
期間を経て『真・女神転生Ⅳ(2013年)』で再登場を果たす。
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ハマヌーン
ハヌマーンは、「ヒンドゥー教」の聖典でもある叙事詩・『ラーマーヤナ』に登場する『インド神話』の勇猛な神猿(かみざる)。
※「ヒンドゥー教」は、インド発祥の宗教。信者数は全世界で約11億人以上とされ、人口だけでみれば世界で第3位の宗教。
※『ラーマーヤナ』は、ヴィシュヌが”第七の化身(アヴァターラ)”として地上に降臨した英雄・ラーマの物語。
風神・ヴァーユと猿族・アンジャナーとの息子で、名前には「砕けた顎骨(がっこつ ※アゴの部分)を持つ者」という意味がある。
その姿は大柄で、「黄金の色をした肌」と「ルビーのように赤い顔」に、「とてつもなく長い尻尾」を持ち、「雷鳴のような咆哮」を放つとされた。
また、非常に身のこなしが素早く、山を動かす程の「怪力」に「不死の体」、さらに人並み外れた知識を持っており、「交渉」にも長けている。
他にも空を飛ぶ事ができたり、体の大きさや姿を変幻自在に変えられる「伸縮自在の法」を持つなど、多くの超能力を有する有能なお猿さん。
『ラーマーヤナ』では、誰よりも熱心で敬虔なラーマの信奉者として、主人公であるラーマに献身的に付き従い、羅刹族の王・ラーヴァナを打倒するために共に戦った。
さらに、劇中では”猿族”を率いて何度もラーマを助け、『ラーマーヤナ』に登場する戦士の中でも最も優れた「戦士」・「弁舌家」とされた。
今でも「民間信仰」の対象として人気が高く、シヴァ・カーリーらと並んで有名な神様。
ちなみにハヌマーンの伝説が「中国」に伝わり、西遊記の主人公・孫悟空(セイテンタイセイ)のモデルになったとも言われる。
女神転生シリーズにおいて
メガテンでは主に中級悪魔~上級悪魔の中間に位置する悪魔。
力や素早さの早い物理悪魔として中盤~終盤に活躍するお猿さん。
ハマヌーンの関連動画
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ツクヨミ

正式名称は月読命(ツクヨミ)。
もしくは月読尊(ツクヨミ)と記載される。
『日本神話』に登場する月の神で、「月」と「理」を司る大事な立場にいながら、記紀(「古事記」と「日本書紀」との総称)ともに登場回数が少なく、謎の多い神様。
「黄泉の国」から帰還したイザナギが禊(みそぎ)により右目から産まれた「三貴子(さんきし)」のひとりで、眉目秀麗(びもくしゅうれい)な大変美しい容姿をしていると言われている。
※「三貴子(さんきし)」とは、黄泉の国から帰ってきたイザナギが「禊(水浴)」によって黄泉の汚れを落としたときに最後に生まれ落ちた三柱の神々のこと。
「三貴子(さんきし)」一覧
・長女 天照大神 (アマテラスオオミカミ)
・次女 月読尊(ツクヨミ)
・長男 須佐之男命(スサノオ)
誕生してすぐ夜の国を支配するよう父イザナギに命じられた。
「日本書紀」では、姉であり太陽神 アマテラスと対立したため、太陽と月は時を隔てて空に姿を見せるようになったとされる。
女神転生シリーズにおいて
メガテンにおいても 三貴子 (アマテラス、ツクヨミ、スサノオの三姉弟) の中で一番目立たないポジション。
他の姉弟のように強いエピソードがなく謎が多いためか”幻魔”の中位悪魔というポジション。
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クルースニク

クルースニクは、スラブ人の間に伝わる光の加護を受けた「吸血鬼ハンター」。
※「スラブ人」はロシア・東ヨーロッパ・バルカン半島に分布する民族。
白い羊膜(ようまく)に包まれて生まれてきた人間で、その名の語源は「十字架(じゅうじか)」に由来する。
「スロベニア」の吸血鬼であるクドラクを倒す力を持ち、普段は青年の姿をしているが、戦闘の際には馬・豚・牛・猪など様々な動物に変身して戦いを繰り広げたという。
※「スロベニア」はスキーリゾートで知られる中央ヨーロッパの国。
クドラクも動物に変身する能力を持っているが、クルースニクは「白色の動物」に、クドラクは「黒色の動物」に化けるとされ、一目で見分けがつく。
戦闘時には自身が生まれた時に包まれていた「白い羊膜」の一片を左脇の下に付着させておくか、その「白い羊膜」を粉末状にして液体に溶かしたものをあらかじめ飲んでおかないとクドラクには勝てないとされた。
この他にも様々な伝承が存在しており
神の敵であるクドラクは、光の加護を受けた使者には勝てないとされ、戦いは常にクルースニクの勝利で終わっている。
というものも存在する。
女神転生シリーズにおいて
初登場は『真・女神転生 デビルサマナー(1995年)』。
登場回数や知名度こそ低いが、中二病をくすぐるデザインやクドラクとの対立構図などもあって人気は高い。
悪魔絵師・「金子一馬」氏のデザイン。
「金子一馬」氏によると、伝承では「家畜」に変身して戦うとされることから、実は天然というイメージもあるのだという。
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クラマテング

クラマテングは、京都の鞍馬山(くらまやま)の山道「僧正ヶ谷(そうじょうがたに)」に棲んでいたとされる天狗(てんぐ)。
日本各地に様々に残る「天狗」の伝承の中でも、最大の力と知名度を誇るもの一つで、除厄(じょやく)と招福(しょうふく)に関して絶大な力を持っているとされる。
鞍馬山僧正坊(くらまやまそうしょうぼう)とも呼ばれ、牛若丸(うしわかまる ※源義経(みなもとのヨシツネ)の幼名)に剣術を教えたことでも知られており、ビシャモンテンの化身だとも言われている。
女神転生シリーズにおいて
メガテンシリーズでは主に序盤のザコ敵として登場。
クラマテングの関連動画
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